初めての
家を出てから10分ほどのところに、研究所はある。
『トキマ研究所』
入口に近くに行くと看板が立っていた。
ヒナタは研究所内に入った。
ヒ「こ、こんにちわー」
すると、奥から聞きなれた声が聞こえた。
マ「あー、ヒナちゃん!遅かったねー」
ヒ「あのさ、そろそろその呼び方やめてくれない?」
マ「えー、ヒナちゃんはヒナちゃんでしょー?」
そういって頭に?を浮かべているような顔をしている彼女は、マミ。
ヒナタの幼馴染である。
ヒナタの容姿から昔は女の子だと思っていたらしく、いまだにちゃんづけなのがヒナタは気にいらないらしい。
マ「それよりー、今日来ているの私たちだけじゃないみたいだよー」
マミが指さす方をみると、そこにいたのは壁にもたれて外を眺めている少年だった。
ヒ「見慣れない顔だね。隣町から来た子かな?」
マ「そうじゃなーい?あ、博士がきたよー」
ト「やあやあ、少年少女諸君!私が博士のトキマだよーん」
そういって、ウィインクをするがヒナタを含め三人は冷たい目で見ていた。
ト「ちょ、ちょっと!そんな顔しないでよ!あげないよ、ポケモン!」
ヒ「そ、それは…こま、ります…」
ヒナタが言うと、マミも「私も〜」といった。
ト「まあ、あげないわけにはいかないけど…じゃあ、助手!かもーん」
そういって、トキマは助手を呼び寄せた。
ト「さて、今回のポケモンは…まず、ほのおタイプ!ポカブ」
ポ「ぽかーー!」
元気よくひのこを繰り出すポカブ。
ヒ「(へー、かわいいし、元気だから育てがいがありそうだな)」
ト「続いて、くさタイプのツタージャ!」
ツ「ツタージャ!」
鋭い目がこちらを睨む。
ヒ「(かっこいいけど、ちょっぴり怖いな…)」
ト「じゃあ、最後に!イーブイ!」
イ「ブイ、ブイ!」
ヒ「え、イーブイ?」
ヒ「(聞いた話だと、初めのポケモンはほのおタイプ、くさタイプ、みずタイプのはずだなのに、イーブイ?)」
すると、トキマ博士はこういった。
ト「いやね、実はミジュマルっていうポケモンだったんだけれども、いなくなっちゃってね…だから、代用がイーブイってわけ!気に入らないかしら?」
ト「まあ、イーブイも育てやすいから、大丈夫よ!じゃあ、どの子を選ぶ?初めに来ていた、ジン君から選んでいいわよ」
ジンと呼ばれた少年は真っ先に、ツタージャを選んだ。
ジ「こいつにします。いいですか?」
ト「ええ、もちろんよ!じゃあ、ジン君にはモンスターボールと、ポケモン図鑑を渡すわ。よろしくね」
ジンはそれらを受け取ると、一礼して、研究所を後にした。
ヒ「(なんだか不思議な奴だったな…ジン…か)」
マ「なに見つめてるのー…ふーん、ジンね…マミはあまり好きじゃなーい」
そう言い残すと残りのポケモンたちのところへ向かった。
ト「さあ、どうする?順番的にはマミちゃんが先なんだが…」
マ「もちろんー、マミだよー!マミ初めから決めてたんだー。この子がいい!」
そういって抱き上げたのは、ほのおタイプのポカブ。
マミの父は元ジムリーダーで、ほのおタイプの使い手だった。
その時に、相棒として持っていたのが、ポカブだった。
ヒ「(お父さんと同じポケモンだからか…)」
ト「さて、あまりものとなってしまったが、君はイーブイでいいかね?」
ヒ「はい!」
初めはイーブイだなんてと思っていたヒナタだったが、これもこれでいいかなと思うようになっていた。
ト「じゃあ、二人にもモンスターボールと、ポケモン図鑑を渡します!よろしくね」
ヒ/マ「「はい」」
そして、ヒナタ達も研究所を後にした。
新たな旅へ、新たな出会いへ、今飛び出した。