第三章「会議」
−第九話−
   Believe
  −第九話−


 「そうだ。」

 スタインは、そう言って会議室の扉を開けた。
 扉の向こう側には、一匹の雄のアブソルが座っていた。

 「こいつはヴェルグ。俺のギルドの一員だ。」

 アブソル…ヴェルグは部屋の中にいた5人にぺこりとお辞儀をして、会議室に入ってきた。

 「マスターに紹介されましたが…私の名前はヴェルグ。見ての通りアブソルです。」

 「そいつとオレとどう関係があるんだ?」

 ボスはイライラした面立ちで言った。

 「それは、私から説明します。」

 ヴェルグはボスを見つめて言った。

 「実は、ギルド・カーニバルの開催が決定する一週間前…私はある事を察知しました…。」

 「あることって…?」

 ルマンが首を傾げて言った。

 「世界の崩壊…です。」

 「「「なっ…!」」」

 座っていた3人は同時に席を立ち、驚いた表情でヴェルグを見た。

 「そんなこと…。」

 クラッグが信じられないとばかりに言った。

 「…非常に残念だが、ヴェルグが予知を外したことはない。」

 スタインが言った。

 「ですが…予知の途中に気になる物が見えました。」

 「気になる物?」

 クリスが聞き返した。

 「…そこにいるピカチュウさんです。」

 「!」

 ボスは驚いてテーブルから立ち、ヴェルグをじっと見た。

 「私が見たのは、ピカ…」

 「ボスだ。」

 ボスが冷静に突っ込みを入れた。

 「…すいません…私が見たのはボスさんがこの世界を救おうとする姿です。」



 「ボスが?」

 クレイグがボスを見ながら言った。

 「ええ…その帽子とゴーグル、癖毛…間違いありません。」

 「…なんか、けなされてるような…。」

 しかし、ヴェルグはボスの言葉を無視し、話を続けた。

 「私はこの事をルーウェンさんに言いました。そしてルーウェンさんはギルド・カーニバルの開催を決定し、この会議を開く事になったのです。」

 ここで、ヴェルグは少し言葉を切った。

 「…しかし、ルーウェンさんは皆さんの召集が終了し、探検に出たきり戻ってこないのです…。」

 「そんな事が…。」

 クリスが少し悲しそうな顔をして言った。

 「ルーウェンさんは来る日に備えて、ギルドの結成の向上、メンバーの実力を高めるためだと言っていました。」

 ヴェルグが付け加えて言った。

 「オレを呼んだのは何でなんだ?」

 ボスがヴェルグに尋ねた。

 「それは、この話をあなたに伝えたかったという事と、何か知っているのでは?と私が思ったからです。だからルーウェンさんにあなたを呼ぶように伝えたのです。」

 ヴェルグはそう言い、その場にいる全員を見渡した。

 「そうか…じゃあ、今日はここで会議をお開きにする?」

 ルマンは言った。
 全員は頷き、会議はお開きとなった。

 To Be Continued…
 
 

■筆者メッセージ
…疲れた…
一気にこれだけ書くのはつかれますね;
皆さんにとってはすごい楽勝かもしれませんが私にとっては厳しい事です…

新キャラがまた出てきましたね

ヴェルグ…アブソル♂

アブソルは災いを察知する…ということで決定しましたw
なんと安易な…

では、閲覧ありがとうございました!!
イチゴ ( 2012/07/10(火) 21:38 )