−第六話−
Believe
−第六話−
「あ、出口が見えてきた!!」
ルナはそう言って、走り出した。
「ボス!ちょっと来て!!」
ルナが叫んだ。
「なんだよ…って、うお!!」
そこにはクレーターのような物が出来ていて、真ん中には、透明に輝く玉があった。
(!!あの模様は…)
その玉にも、奇妙な模様が描かれていた。
(よし…。)
ボスが玉に近づこうとした瞬間−
「危ない!!」
ボスは、蔓の鞭で体が中に浮くのを感じた。
「何だよサモン!)
「あれを見てよ!!」
サモンが指を指した先には、沢山のイトマル達が出てくるのが見えた。
「イトマルか…。」
「キシシッ…。」
イトマル達は、完全にボス達を包囲し、その牙の間から鳴き声を上げた。
「オマエ達が、探検隊か…。」
イトマル達が通路を作り、誰かが通ってくるのが見えた。
「誰だ!」
「オレはアリババ。この『アリババ盗賊団』の長だ。」
アリババがそう言った瞬間、サモンは大声を出した。
「あ、アリババ盗賊団だって!?」
「サモン、知ってるの?」
「知ってるも何も、この辺で一番のワルだよ!!」
「ランクは?」
「星2!!勝てるわけないよ!!」
「ほお…じゃあ、やってやろうじゃねえか…。」
そう言って、ボスは銃を構えた。
銃先からは、荒々しく炎が揺らめいていた。
「いけ!オマエ達!!」
「イェッサー!!」
イトマル達が一斉に飛びかかってきた。
「うおりゃ!」
ボスは、銃を構えて叫んだ。
「『火炎弾(ブレイズショット)』!!」
ボスの銃から勢いよく炎が出た。
「ギャッ!!」
ほとんどのイトマル達が倒れ、残りのイトマル達も退散していった。
(技を思うだけで、『
属性』の能力が作動するみたいだな…)
と、ボスは思った。
「フン…。なかなかやるな。」
「ちっ。」
「じゃあ今度はオレの番だ!」
ボスの前にアリババが立ちはだかった。
「『エナジーボール』!」
サモンがエナジーボールを放ったがアリババには効果は今一つだった。
「やっぱり無理だよ!」
「諦めるな!!大丈夫だ!!」
と、その時−
「よそ見してる場合か?」
ボスが弾かれたように後ろを見ると、アリババが背後まで迫ってきていた。
「やべ…。」
ボスは下がって逃げようとしたが、アリババはそれを許さずに毒針を使った。
毒針はボスに当たり、ボスはその場に崩れた。
(ちっ…毒にかかちまったか…)
「ボス!!」
ルナが叫んで、アリババにシャドーボールを食らわせた。
しかし、アリババには大したダメージを与えることができなかった。
「フン、これごときでオレに勝てるとでも思ったか…?」
アリババは不気味に笑った。
(どうする?このままではやられちまう…。)
ボスは必死に頭を働かせて解決策を練った。
すると、ボスにある考えが現れた。
(そうだ…先にあのクレーターの底にある『
属性』を取ろう…!)
「終わりだ!」
「『高速移動』!!」
ボスが高速移動をするのと、アリババが、毒突きを繰り出すのがほぼ同時に起こった。
ボスは、ギリギリの所をかわすと、クレーターの方向へ向かった。
そして、ボスが『
属性』に触った瞬間−
辺りに閃光が走り、砂埃が舞った。
「まぶしい!」
「ちっ…!」
「ボス!?」
3人は閃光に打たれて目をつぶってしまった。
すると、砂埃の中から、竜巻状のようなものが凄いスピードで、アリババに向かって飛んでいった。
アリババは避けようとしたが、避けきることができなかった。
「ふぅ…今度の『
属性』は『飛行タイプ』の『
属性』か…。」
砂埃が晴れ、クレーターを見ると、ボスが立っているのが見えた。
「「ボス!!」」
ルナとサモンが同時に叫んだ。
ボスは、『
属性』を触った後、癒しの種を食べたらしく、毒は消えていた。
「おー、すまなかったな。」
ボスは気楽そうに言うと、また銃を構えた。
「さて…続きといきますか…。」
「望むところだ!」
アリババはそう言うと、ボスに飛びかかった。
しかし、ボスは襲いかかってくるアリババの軌道を読み、銃の標準を合わせた。
「『翼撃×火炎弾(ウィング×ブレイズショット)』!」
ボスの銃から、空気と炎の固まりが飛び、アリババを襲った。
「ぐあぁぁ!!」
アリババはその場に倒れた。
「ルナ、早く転送するぞ!」
ボスはそう言うと、バッチを掲げた。
アリババの姿は消えて、画面に『転送完了』という文字が浮かんだ。
「終わった…の…か…。」
ボスはそこで気を失った。
To Be Continued...