第二章「夢とギルドとアリアドス」
−第六話−

   Believe
  −第六話−


 「あ、出口が見えてきた!!」

 ルナはそう言って、走り出した。

 「ボス!ちょっと来て!!」

 ルナが叫んだ。

 「なんだよ…って、うお!!」

 そこにはクレーターのような物が出来ていて、真ん中には、透明に輝く玉があった。

 (!!あの模様は…)

 その玉にも、奇妙な模様が描かれていた。

 (よし…。)

 ボスが玉に近づこうとした瞬間−

 「危ない!!」

 ボスは、蔓の鞭で体が中に浮くのを感じた。

 「何だよサモン!)

 「あれを見てよ!!」

 サモンが指を指した先には、沢山のイトマル達が出てくるのが見えた。

 「イトマルか…。」

 「キシシッ…。」

 イトマル達は、完全にボス達を包囲し、その牙の間から鳴き声を上げた。

 「オマエ達が、探検隊か…。」

 イトマル達が通路を作り、誰かが通ってくるのが見えた。

 「誰だ!」

 「オレはアリババ。この『アリババ盗賊団』の長だ。」

 アリババがそう言った瞬間、サモンは大声を出した。

 「あ、アリババ盗賊団だって!?」

 「サモン、知ってるの?」

 「知ってるも何も、この辺で一番のワルだよ!!」

 「ランクは?」

 「星2!!勝てるわけないよ!!」

 「ほお…じゃあ、やってやろうじゃねえか…。」

 そう言って、ボスは銃を構えた。
 銃先からは、荒々しく炎が揺らめいていた。

 「いけ!オマエ達!!」

 「イェッサー!!」

 イトマル達が一斉に飛びかかってきた。

 「うおりゃ!」

 ボスは、銃を構えて叫んだ。

 「『火炎弾(ブレイズショット)』!!」

 ボスの銃から勢いよく炎が出た。

 「ギャッ!!」

 ほとんどのイトマル達が倒れ、残りのイトマル達も退散していった。

 (技を思うだけで、『属性(エレメント)』の能力が作動するみたいだな…)

 と、ボスは思った。

 「フン…。なかなかやるな。」

 「ちっ。」

 「じゃあ今度はオレの番だ!」

 ボスの前にアリババが立ちはだかった。

 「『エナジーボール』!」

 サモンがエナジーボールを放ったがアリババには効果は今一つだった。

 「やっぱり無理だよ!」

 「諦めるな!!大丈夫だ!!」

 と、その時−

 「よそ見してる場合か?」

 ボスが弾かれたように後ろを見ると、アリババが背後まで迫ってきていた。

 「やべ…。」

 ボスは下がって逃げようとしたが、アリババはそれを許さずに毒針を使った。
 毒針はボスに当たり、ボスはその場に崩れた。

 (ちっ…毒にかかちまったか…)

 「ボス!!」

 ルナが叫んで、アリババにシャドーボールを食らわせた。
 しかし、アリババには大したダメージを与えることができなかった。

 「フン、これごときでオレに勝てるとでも思ったか…?」

 アリババは不気味に笑った。

 (どうする?このままではやられちまう…。)

 ボスは必死に頭を働かせて解決策を練った。
 すると、ボスにある考えが現れた。

 (そうだ…先にあのクレーターの底にある『属性(エレメント)』を取ろう…!)

 「終わりだ!」

 「『高速移動』!!」

 ボスが高速移動をするのと、アリババが、毒突きを繰り出すのがほぼ同時に起こった。
 ボスは、ギリギリの所をかわすと、クレーターの方向へ向かった。
 そして、ボスが『属性(エレメント)』に触った瞬間−
 辺りに閃光が走り、砂埃が舞った。

 「まぶしい!」

 「ちっ…!」

 「ボス!?」

 3人は閃光に打たれて目をつぶってしまった。
 すると、砂埃の中から、竜巻状のようなものが凄いスピードで、アリババに向かって飛んでいった。
 アリババは避けようとしたが、避けきることができなかった。

 「ふぅ…今度の『属性(エレメント)』は『飛行タイプ』の『属性(エレメント)』か…。」

 砂埃が晴れ、クレーターを見ると、ボスが立っているのが見えた。

 「「ボス!!」」

 ルナとサモンが同時に叫んだ。
 ボスは、『属性(エレメント)』を触った後、癒しの種を食べたらしく、毒は消えていた。

 「おー、すまなかったな。」

 ボスは気楽そうに言うと、また銃を構えた。

 「さて…続きといきますか…。」

 「望むところだ!」

 アリババはそう言うと、ボスに飛びかかった。
 しかし、ボスは襲いかかってくるアリババの軌道を読み、銃の標準を合わせた。

 「『翼撃×火炎弾(ウィング×ブレイズショット)』!」

 ボスの銃から、空気と炎の固まりが飛び、アリババを襲った。

 「ぐあぁぁ!!」

 アリババはその場に倒れた。

 「ルナ、早く転送するぞ!」

 ボスはそう言うと、バッチを掲げた。
 アリババの姿は消えて、画面に『転送完了』という文字が浮かんだ。

 「終わった…の…か…。」

 ボスはそこで気を失った。

 To Be Continued...


■筆者メッセージ
実はブログで人気投票やってたりします(^_^;)
イチゴ ( 2012/07/05(木) 07:04 )