−第四話−
Believe
−第四話−
「今日の依頼はどうしよっか?」
ルナが、ポフィンを食べながら言った。
「そうだなぁ…。」
ボスは少し考えて言った。
「ギルドに行って決めない?」
サモンが言った。
「久しぶりに行くか!」
ボスはそう言って、支度を始めた。
*
−ギルド−
「あら!ボス!ルナ!サモン!」
ボス達がギルドに入ると、カフェのウェイトレスが声をかけた。
「久しぶり、ヴィラ。」
ヴィラと呼ばれた、マグマラシは嬉しそうな顔をして言った。
「なにか飲む?」
「あたし、リンゴジュース。」
「ボクは、アップルティー。」
早くも、席に座った二人が言った。
「じゃあオレは黄色グミドリンクで。」
「分かったわ。ちょっと待っててねー。」
ヴィラがそう言い、キッチンへ入っていった。
*
ここは、『クリスギルド』。
ボス達が卒業した、馴染みのギルドである。
入ってすぐの所にカフェがあり、掲示板もそこにある。
そして、奥にギルドで働くポケモン達の部屋があるのだ。
*
「ふぅ…。」
ドリンクがでて、ボス達が一服していると、急に大声がカフェに響いた。
「あたしの黄色グミ誰が食ったんやハゲぇ!!」
ボスはその声を聞いて、ため息をついた。
『クリスギルド』のカフェ、『リステリア』の入口付近に、大騒ぎをしているピカチュウがいた。
「誰やねん!ほんまに!!」
「ちっ!」
ボスが軽く舌打ちをするのを、そのピカチュウは目ざとく見つけたらしく、ボス達のテーブルまでつかつかと歩み寄った。
「ほぉ?あんたえらい美味そうなもん飲んどるやんけ…。」
「…だから?」
早くも、2匹の目から火花が出ていた。
*
彼女の名前は『ハート』。
チーム『Cross Hearts』のリーダーである。
ボス達と同い年で、同時期にギルドを卒業したチームだ。
ハートはいつも、大きな日本刀を背負っていて、耳にはイヤリングをしている。
もちろん、スカーフも付けていた。
今日は同じチームの『ゼル(ブイゼル)』と一緒だった。
「あんな、アタシの黄色グミが無くなってん。あんた知らへん?」
「知らない。」
「じゃあこの美味そうな黄色グミドリンクは何やねん!!」
「まあええやんハート。」
「よかないわ!!」
ゼルが宥めようとしたが、失敗に終わってしまった。
「アタシのグミ返さんかい!!」
ハートの怒りは収まらず、ボスに掴みかかろうとした。
−その時。
「こら!ケンカはするなって言ってるでしょうが!!」
ギルドの奥から、大きなリザードンが顔を出した。
「まっ、マスター…。」
さっきまで強気だった、ハートは、リザードンを見るなり弱気になってしまった。
「マスター。お久しぶりです。」
「あら、ボス。久しぶりね。元気にしてた?」
「おかげさまで。」
ボスは、リザードンを見上げるような姿勢で言った。
「マスター…こいつ、アタシのグミを盗んだんです!」
「決めつけないで、探しなさい。」
リザードンは冷ややかにハートを見た。
「全く…。あなたはその短気な性格を治したほうがいいわね…。」
リザードンは呆れ顔で言った。
「すいませんマスター…。」
ゼルが、申し訳無さそうな顔で言った。
To Be Countinued…