−第二話−
Believe
−第二話−
−西の森−
「スカーフはどーこーだー…。」
ボスは森の草むらを掻き分けて、パワースカーフを探していた。
「…ボス、呼んでもスカーフは出て来ないよ。」
サモンが冷静に突っ込む。
「うるせー。」
「ねえ、ここにお尋ね者が居るって知ってる?」
ルナが怯えぎみで言った。
「んなもん勝てるって。」
「でも…虫タイプなんだよ!!」
ルナは、タイプ上、虫タイプが苦手である。
「大丈夫だよ。」
ボスは呆れ顔で言った。
「じゃあオレ、あっちの方探してみる。」
ボスは森の奥を指差し、歩き出した。
−しかし…
「ぐえっ!」
ルナがボスのスカーフをぐいっと掴み、ボスを引き留めた。
「なんだよ…。」
「…サモンも虫タイプと相 性悪いのに、2人だけにしないでよ!!」
「大丈夫だって言ってんだろ?サモンは爆裂の種を持ってるんだし、ワープの種も持ってるじゃないか…。」
「まあね。お!モモンの実発見。」
サモンは、木の実を探すのに夢中ななっていた。
「じゃあ行ってくるから。」
「待ってよ!」
ルナの声を無視して、ボスは森の奥の方まで歩いていった。
*
「依頼書ではここら辺りの筈なんだが…。」
ボスは森の奥地まで足を運び、依頼書とにらめっこをしていた。
「ん?なんじゃあれ?」
ボスは奇妙な玉のような物を発見した。
よく見ると、中には不思議な模様が描かれ、神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「とりあえず拾っておこう…。」
ボスが、玉に触れた瞬間…。
バチッ!!
「たっ!?…。」
ボスの右腕に電気が流れたような感覚が走った。
(何だよこれ…あれ?)
目の前にあったはずの玉が消え失せていた。
(変だな…)
「ボスー!」
ボスが首を傾げて考えていると、向こうの森からルナが走ってくるのが見えた。
「見つけたよー!」
「そうか、じゃあギルドに行くとするか。」
「うん。向こうにいるサモンを呼んでくるね!」
「ああ…。」
元気に走っていくルナを見ていたボスだったが、変な雰囲気を感じていた。
(何だ?この違和感は…。)
「!?」
すると、ルナの背後に妙な影があったのにボスは気がついた。
「ルナ!逃げろッ!」
「え?キャッ!!」
ボスの言葉も遅く、ルナは影に襲われてしまった。
影の正体は黄色い蜘蛛のようなポケモン…バチュルだった。
「チッ!電気タイプかよ!」
ボスは、銃を構えた。
そして、標準を合わせ… 「『サンダー・ショット』!!」
普段なら電気の塊が飛ぶはずなのに今日は違った。
「なッ!?」
銃口から発射されたのは、『炎』の塊だった。
「プギャー!!。」
炎の塊は、見事にバチュルにヒットした。
どうやら、完全にのびてしまったらしく倒れたまま、動かなかった。
「ありがとう。でも炎なんて出たっけ?」
「いや、こいつはオレ用に改造してあって、電気しか出ないはずだけどな…。」
「まあいいじゃん!早くギルドに行こうよ!こいつ、お尋ね者か知りたいし。」
ルナはバチュルを指差して言った。
「ああ、…でサモンは?」
「あー、いたいた!」
サモンは両手に沢山の木の実を抱えてやってきた。
「見て見てー。ブリーの実も沢山あるよー!!」
とても嬉しそうな顔をして、サモンは木の実を見せた。
「そんな事より早くギルドに行くぞ。」
「もう少し食糧探すから先に行っといて。」
「分かった。」
ボスは縄を取り出し、バチュルを雁字搦めに縛り上げた。
*
−ギルド−
「あった!こいつだよ!」
確かに『お尋ね者掲示板』と書かれた掲示板にバチュルのポスターが貼ってあった。
ポスターにはBという字の判子が押してあった。
「Bランクか、微妙だな。」
「あっしの縄を解くでやんす!」
ボスが背負っているバチュルが言った。
「あんた…バティストゥータっていうのか?なんだか噛みそうな名前だな。」
「うるさいでやんす!あっしには食べさせなきゃいけない家族が沢山いるでやんす!」
「…黙ろっか。」
ルナはバティストゥータを制した。
「とにかく、こいつを警察に突き出そうか。」
「そうだな。」
「止めるでやんす!くらえ!『電気ショック』!!」
「うわっ!」
ボスは一応屈んだが、ダメージはなかった。
「なっ!何で全く効かないんでやんすか!?」
「一瞬、ボスの周りにバリアみたいなのが見えたんだけど…錯覚かな?」
「錯覚だろ。」
こうして、バティス…(以下略を警察に突き出し、何事もなく家に帰った、ボス達であった。
To Be Continued...