03
「ご主人、ご主人!」
騒々しいノイズが、曲に混じって聞こえてくる。
曲はサビの部分を迎えており、音が大きくなるにつれて、そのノズル音も大きくなった。
ネオだ。
「・・・なんだ?」
若干いらついてるのにヘッドホンを外してやる俺ってカックイイ。
と思ったのもつかの間。
連続して聞こえるチャイム音が、俺を現実世界へ引き戻した。
「さっきからいたんですよー?でもご主人聞かないから・・・これはご主人がいけないですよねぇ?」
小悪魔・・・間違えた、大悪魔的な笑いを見せるネオを残し、玄関へと急ぐ。
宅配便?
家賃請求はない。俺は一人暮らしで、親が残してくれた小さいが暮らしやすい家があるから、アパートには住んでないからだ。
あ、いや死んだ訳じゃないぞ。「海だー!」とか言って親だけ海方面に言っちゃっただけだぞ・・・。
「どなたですか?」
ドアを開ける。
ポケモンが見える。
うん、普通だ。普通すぎて怪しいぐらいだ。
相手は帽子を目深にかぶったブースター。(俺の周りのブイズはなぜ二足歩行なのだ!)
俺より頭一つ分ぐらい大きいから、したから目が見える。
真っ青だった。
「・・・お前がヒースか。」
なんで名前を知ってるんだ。
そう言いかけた俺の鼻先に、ケイサツの手帳のような物が突きつけられる。
・・・え、何この急展開。しかもおきまりいい!
「俺はリード。アカツキ団の団長だ。急で申し訳ないが、今すぐきてもらいたい。」
ずばーん、全然申し訳なさそうに思っていない口調。
「すみませんが俺いそがしk―――」
「強制だ。」
ずばばーん、でたー強制連行。
「あと、お前のペットもこい。」
何で知ってるの!?