第14話 スーパーサイコソーダ
「これならどうだ!」
「…いやーだ」
「んだと!」
今のはカイリとテレビコトブキ所属のトップアイドル、マミちゃんの会話。どうしてこうなったかというと、それには複雑なワケがあって…。とりあえず、時間をさかのぼっていくよ。
1時間前。
「あ、オレポケギアのアプリ買いに行っていいか?ジョウトのラジオが聞けるアプリをどの地方でも聞けるようにアップデートしてもらいに行くから。あ、どうせならほかの地方のラジオのアプリも買っていこうかな…。あ、でもトバリまで行かないとないのか?」
「それは局でやってもらえると思うよ。一応ラジオ番組もやってるし」
あ、局っていうのはテレビコトブキのことね。時短よ、時短。
「じゃ、行くか」
そして、わたしたちはテレビコトブキに向かったの。そしてテレビコトブキ受付よ。
「あの、ポケギアのジョウトラジオアプリをラジオ全地方版のアプリにアップデートしてほしいんですけど」
「かしこまりました。アップデート料金500円です」
ま、当然お金を置くよ。
「ありがとうございます。では、アップデートいたしますので今しばらくお待ちください」
あたしたちはアップデートの間20分をソファで待つことにしたの。で、カイリが座ろうとした瞬間。
「あー、待って!」
自分だと思わないで座っちゃったカイリは、マミちゃんのエネコをふんじゃったの。
「あ、ごめん…」
「そう思うんならお詫びちょーだいよ!」
「お、おう。じゃ、これ」
そう言ってカイリが手渡すものはまろやかポフィン詰め合わせ。…わたしに便乗して買ったのが今ここで役に立ったのね。
「…エネコはポフィンが嫌いなの。察しなさいよ!」
「察せるか!」
「…!ホノカさんなら、察せると思う」
「そーかそーか。じゃ、ホノカ。お代は出すからお前が選べ」
「え!?」
こんな感じでカイリとマミちゃんはケンカしてたの。うう、周りの目が冷たいよ。
「じゃ、じゃあ、新発売のスーパーサイコソーダなんて、どうかな…」
宣伝も兼ねて、よ。わたしがCMやってるし。
「そう!そういう、軽いものよ!ちょっとおごってやる、みたいなノリのものがいいの!」
「そうかよ。じゃああのチョコナナパフェおごってやる」
「あれはさっき食べたからいらないわ」
「オレもう腹が立って殴りそうだよ。だから出てくな。ホノカ、スーパーサイコソーダおごってやれ」
なんでわたしが?後でお金払ってね。
「…ホノカさんって、旅に出てるんだよね。あたしもついてく。それなら今のを許す!」
「マミちゃん、お仕事は…」
「ちょうどいいタイミングだったの。あたし、『シンオウ!ナウ』の準レギュラーからレギュラーに上がったから。ホノカさんと一緒にリポートする」
「ならいいよ。ね、ナオキ」
「うん。マミさんがいいならいいんじゃないかな?…カイリ」
「けっ、勝手にしろ!」
「まーまー、そう言わずに。ところでスーパーサイコソーダ代の150円」
「…はい」
こうして旅の仲間にマミちゃんが加わったよ!