第4話 人、現る
ホノカです。ただいま意味の分からない状況になってます。
なんで人が宙に浮かんでるの…。とりあえず身の危険を感じるので、倒したいと思います。
「パチリス!でんこうせっか!」
パチリスに『宙に浮かんだ人に向かってでんこうせっか』を指示する。
「え、待って、僕は怪しい人じゃなぎゃああああああああああ!」
ふっふっふ、悪は滅びるのよ!とでも言わんばかりのパチリスの顔。実際、私もそんな顔してると思うけどね。犯人は全員、僕は怪しくないと言い張るのよ!誰がそんなこと信じるんです?とかいろいろ思ってたらナオキが話しかけてきた。何、文句でもあるわけ?
「ホノカ…この人はエンジュシティジムジムリーダー、マツバさんだよ」
え、ヤバ。どうしよう。
【ナオキくんサイド】
「すいません!まさかジムリーダーだとは夢にも思わなくて…」
「いやいや仕方ない、僕もサイコキネシスを使って宙を浮いてきたんだ。怪しい人だと思って、当然だよね」
ホノカとマツバさんは2人で謝り合っている。僕としては、ポケスロンに早い所行った方がいいと思うんだけどなあ…あと1時間しかないし。道のりは2時間分あるけど。間に合うとは到底思えない。
「あのー。僕たち先を急いでるんで、もうそろそろ行ってもいいですか…」
「何言ってんのよナオキ!相手は仮にもジムリーダーよ!いいわけないでしょ!」
ホノカに即座に怒られる。僕って弱いね。
「ふーん、どこに行くつもりなんだい?」
「ポケスロンです!」
「そうか、じゃあお詫びもかねて僕のフワライドで送るよ。フワライド!」
マツバさんはフワライドを呼び出す。マツバさんのフワライドは大きすぎて道を圧迫している。その辺のトレーナーも驚いているようだ。
「じゃあ、行こうか」
マツバさんのフワライドに強引にのっけられ、ポケスロンへの道はまたスタートしたのだった。
「「ありがとうございました」」
「いいよお礼なんて、じゃあ僕はこれで」
マツバはフワライドに乗って颯爽とエンジュシティの方向に向かっていった。
「はー、まさかジムリーダーさまと会えるなんてね。でもなんでこんなところにいたんだろう?」
ホノカはうーん、と首をかしげる。確かに、用事もないのにあんなところにいるのは変だ。ナオキも少なからず疑問に思っているようだが、話を変えた。
「ホノカ、あと5分。待ち合わせまであと5分だよ!」
「あっ、ホントだ!早く!」
ホノカとナオキはマツバのことなんかすっかり忘れてポケスロン会場へと向かって走って行った。