好意と、憎悪と 4-4
微風とは呼べないような、優しくない風が吹く。
豹変したその景色に、リナリアは何も出来ずに立ち尽くした。先程まで騒がしかった祭りの会場は、轟音の後を引く以外は静寂そのものだ。その上色取り取りだった屋台はドミノのように倒れ、人は既にほとんど逃げ去っている。一体何があったのか、宙を舞う大量の砂を吸ってしまい、リナリアは何度も噎せた。
「酷い……」
一通り咳き込んだところで、リナリアは思わず呟く。圧縮解除したモンスターボールを片手に、かつては賑わっていた街を歩く。街をこんな有様にした何かが居るのだから、警戒するに越したことは無い。
これが先ほどまで、人間の笑顔と活気に溢れていた場所なのか? こんなゴーストタウンみたいな雰囲気の場所が? 信じられない気持ちと不安な気持ちを抑えて、リナリアは辺りを見回す。
黒美とロキはどこだ? ギンガ団は? 住民は?
まさか、既に……。
「いや、ロキが近くに居るんだもの。それはあり得ない……」
あり得ないはずだ。不安と動機を抑えるように、リナリアは服の胸を強く握る。
――結論から言えば、その「信頼」は当たっていた。
黒美の無事とは、そのマグマラシ、“ロキ”はあまり関係が無かったようだったが。
その証拠に、ロキは完璧に倒れ伏しているバンギラスの近くに立っていて、黒美の居る場所とは二十メートルほどの距離がある。その位置では黒美を守ることも、庇うことさえ出来ない。
何かが通り抜けたように地面が抉られた巨大な線上に、ロキと黒美は居た。否、正確に言えば、黒美とロキが居る場所には抉られた後が無い。そこだけ綺麗に円状にコンクリートが残っているのだ。
まるで、地面を抉り取るような凶悪な「何か」から、「別の何か」が黒美とロキを守ったかのように。
「……、何、あれ?」
未だに蹲ったままの黒美の姿を確認して、リナリアは戸惑いの言葉を小さく漏らした。
黒美のことを「あれ」と指し示してしまった彼女の呟きは、自らを友達と認めてくれた少女を見つけたときの言葉には相応しくなさすぎた。
「……あ、リナリアちゃん。遅かったね」
しばらく無言で座り込んでいた黒美は、“紫色に輝く球体”に収まったまま立ち上がり、リナリアに微笑む。目に光の宿らない、道化のような嘘の笑み。それを合図にしてか、黒美とロキを守っていたその紫色の球体が音も立てずに消えた。
(あれは……)
リナリアは、今の球体に似たような性質を持つものを何度も見たことがあった。見間違いじゃなければ、それは主にエスパータイプのポケモンが使う「技」だ。
本来それは球体ではなく、大きなポケモンさえ覆い隠す壁の形をしている。
「……咄嗟の判断だったけど、案外うまく行っちゃうんだね」
“ひかりのかべ”と呼ばれる、ポケモンの特殊防御力を跳ね上げる技。ポケモンの技であるそれを、あろうことか黒美は“応用”して使っていた。
まるでそれを使えるのを最初から理解していて、確信さえしていたような黒美の口ぶり。
「……もう大丈夫だよ。あっちの方に皆逃げていったから、そこに向かって」
静かだが、よく通る声で黒美は言う。ビックリしたまま固まっている子供の頭を優しく叩いて、リナリアが先ほどまで居たデパートの方角を指差す。「でも……」と言葉を濁す少年の背中を、黒美は黙ってポン、と押した。
「お母さんたちも心配してるだろうから、早めに行かないとね。
……お祭り、台無しにしちゃって、ごめんなさい」
言うことに欠いてまずはそれか、とリナリアは突っ込みたくなる。だが、何とも表現のし難い黒美の表情を目の当たりにしてしまっては、リナリアは何も言えない。言いたくても、言おうとは思えなかった。
「……ありがとう」
助けてもらったお礼だろうか。少年は黒美の方を向いて一度頭を下げてから、走り去って行く。その背中が見えなくなるまで手を振って、黒美は力尽きたように地面に座り込んだ。
「黒美さん!?」
「黒美!!」
慌ててリナリアもロキも黒美に駆け寄る。二人とも黒美に聞きたいことは山ほどあったが、それよりも彼女の体調が心配だった。病み上がりなのに黒美を外に連れ出したリナリアは、特に。
「……あー、ごめんね……。ちょっと疲れただけだから、大丈夫」
「本当に? 嘘吐いたら僕でも怒るよ?」
ロキの追求の言葉と心配しているリナリアの視線に、黒美は慌てたように答えた。
「……ほ、ほんとだよ……。でも、すごく疲れた、かな……」
ほっと息を付いて、黒美はリナリアに身体をもたれかける。かなり弱って息も荒い黒美の身体を支えながら、リナリアは黒美の額にしばらく手を当てた。
「熱は……、無いですね。顔色も別に悪くない。貧血というわけでもないようです」
黒美の額から感じる熱が高くないのを確認して、リナリアが安心したように言った。
「そっか……。そりゃ良かった」
リナリアの言葉に、今度はロキが座り込む。どこかほっとした彼の表情が、今までの戦いの緊張感を表しているようだった。
「それより、ギンガ団の人たちは? これだけの騒ぎなら、かなりの人数が居たと思うのですが……」
「……ああ、あのクズどもならバンギラスの破壊光線をおきみやげに、全員逃げちまった」
苦々しげな顔で、ロキがリナリアの質問に答える。口調が何時もより乱暴なのも、彼が苛立っているのを如実に表していた。
「私とすれば、二人が無事でいてくれただけで十分ですよ」
「……んなわけあるか。連絡される前に、あの爺さんのとこに帰らないとまずいんだぞ」
「それでも良かったです。……でも、そうなると早めに帰らないとまずいですね。黒美さんを私が運ぶのは無理だから、ポケモンに頼んで……」
「――あー、安心せい」
リナリアが手に持っているモンスターボールを投げようとしたその時、、上の方から声がした。
「あの妙ちくりんな服装した輩どもならその辺で眠りこけておるぞ? 連絡されたら面倒じゃろうから、なんとなく眠らせておいたぞい」
それまで自分たちだけしかこの場に残っていないと判断していたロキたちは、驚いてその声の方向を見る。しゃがれているわけでも老いているわけでもないが、年齢を感じさせる雰囲気のある声だった。女性然としているが、人では無い者の声でもある。
その声が何者のものなのかは黒美にもリナリアにも判断が付かなかったが、ロキだけはその正体が分かるらしい。
「本当にお前にだけは会いたくなかった」という顔をしていた。物凄いしかめ面だった。
「しっかしのう。“野生のポケモン”の時はあんなに無愛想だったそこのマグマラシが、たかが少女のために命を張っているとは……。くくくく、こりゃ見物じゃな。ローウェンの輩も驚くじゃろうて」
「……僕は君みたいな性格の悪い女狐は知らないけどね」
嫌そうにしながらも毒づいたロキの言葉に、その「女狐」は笑う。
「全く。破壊光線に突撃して相殺しようなどと相変わらず無茶をしよるのう」
「そうだね。まさかこっちが余裕無いときに覗き見している悪趣味な婆が手助けしてくれるとは思えなかったからね。他に手段も無かったし。ねえ“ミルナァル”?」
ミルナァルと呼ばれた「女狐」は小さく笑って、黒美たちのところに飛び降りてきた。一点の穢れもない金色の毛並みを誇る九本の尾が黒美の目に入る。
「久しぶりじゃな。ロキ。そして、お初にお目にかかりまして。黒美お嬢様? ミルナァルと名乗るしがない狐じゃ」
ミルナァルと呼ばれた美しき女狐、“キュウコン”は人間っぽく慇懃に笑いながら、その真っ赤な目で黒美を見据えた。目を細めて、何かを見出そうとするような、何かを見透かそうとするような視線。
「は、初めまして……」
緊張したように挨拶し返す黒美の顔をまじまじとして、狐はけらけらと笑う。
「くくく。案外お主も面食いじゃなあ。ロキよ。大層な美少女じゃのうて?」
「うっさい。話が進まないから黙れ。大体、お前は何もせずに高見の見物をしてたんだろ? そんなことで僕らのところに顔出すなんて全くいいご身分だね」
あくまでもミルナァルには邪険に接するロキの態度に、目狐は笑った。
「つれないのう。まあ確かにわしは何もしとらんからな。本来わしがやることをそこの小娘が自己完結してしまったからの」
底意地の悪い光を宿しながらミルナァルは黒美に追求する。恐ろしくてロキもリナリアも後回ししていたことを。
「あれは、『ひかりのかべ』よな? それもバンギラスの破壊光線を防ぎきる代物じゃ。ポケモンでもやれないであろうそんな芸当を、あろうことか人間が行っている。応用までしてのう。これはどういうことじゃ?」
「ミルナァル。それ以上口を開くな。“黙らせるぞ”」
「おお、怖い怖い。全く、『ギンガ団の実験施設』を粗方壊滅させてしまったマグマラシ、「神殺しの剣(レーヴァテイン)」殿は、実に恐ろしいのう」
「ミルナァル!!」
らしくないロキの激昂にも、ミルナァルはまるで動じていない。けらけらけらけら、妖怪のように楽しげに笑う。
「……まあ、過保護なお主を虐めるのはこれほどにしておいてやろう」
「……いつかコロス」
「……ま、まあまあ。ミルナァルさんも私を助けてくれようとしてくれたんだし、ね?」
そう、ことの原因である黒美が殺気を全開にしたロキを宥めて止める。
「そうですね。というか、私が全速力でここまで来る必要も無かったみたいですね」
先ほどまで息を切らしていたリナリアも、ロキとミルナァルの口論の間にすっかり落ち着いたらしく、何時も通りの仏頂面に戻っていた。
「まあ、ミルナァルさんが何を知っていようと、ロキが黒美さんの秘密を何か隠していたとしても、私は黒美さんの、と、友達ですから……。私は、黒美さんとロキさんを、信頼します」
気恥ずかしさからか、リナリアの言葉は尻すぼみの途切れ途切れになってしまった。だが、その語調とは裏腹に、強い意志の感じられる彼女の目にミルナァルは目を丸くする。
「だから、黒美さんに仇なすようでしたら、ミルナァルさん、貴女も敵と見なします。それとも、ただ単純にロキさんをからかって遊んでいるだけの悪戯者、と判断しても宜しいのでしょうか?」
「リナリア、ちゃん」
自分に言い聞かせるようなリナリアの言葉に、黒美は顔を歪めた。何も話すことのできない黒美を意地でも信頼しようとする彼女の言葉に、重みを感じて。
「……ほう。餓鬼の割に随分といい目をしておるのう。“今、その友達の異様なもの”を目の当たりにしたというのに、それについて何も語ってもらっておらぬというのに。それなのに信頼すると言い切るとは、いい決意じゃな。……そうじゃ。友達は大事よ」
「私のことは良いです。それで?」
しみじみと語るミルナァルをリナリアが釘を刺す。
「残念じゃが、モンスターボールを構えたところで無駄じゃ。逃げる手段は幾らでもあるし、わしにもボールがある。……わしは後者じゃよ。お主らに敵意は無い。むしろ協力者じゃ」
「どの口がほざくんだよこの老害」
「娘子一人守れないヘタレは黙っておれ」
「……む」、と何かと不満げなロキを黙らせる。破壊光線を食い止めるしか守る方法がなくなってしまったロキに対しては少し厳しすぎる発言だが、ロキ自身、自力で黒美を守ることを出来なかったことを気にしているようで、思いの外ダメージがあったようだ。
「まあよい。どの道主らはここには留まれぬ身じゃ。そこの馬鹿が滅茶苦茶なことをしでかしたからの」
「そうだね。そこの外道が降りてきてくれればもうちょっと楽に戦えたんだけどね」
「わしの存在を言い訳にするんじゃのうよロキ。むしろわしが降りてきて楽に戦えるようになったら、黒美のことを気にせずに戦えるようになったら、もっと残虐に、陰湿に、残酷に奴らをぶちのめしたじゃろうよ」
「……」
ロキが黙る。
「図星か。そんなもんをまだ年端もいかない少女に見せ付けるつもりじゃったのかお主は。……愚か、愚かよのう」
「……そうだね。そのつもりだったよ」
「……ほう?」
開き直ったのか、決心が付いたのか。形容しがたい感情を湛えた目を持って、ロキはミルナァルを見据える。
「僕の逃亡の動機は復讐だ。この戦いも全て復讐の為のもの。僕の行動は、復讐そのものだ。だから黒美には分からせないと駄目だったんだ。……黒美を助けたのも、僕の復讐の行動だって」
「……」
憎悪、怒り、嫌悪、敵意。この世の黒い心を詰め込んだような双眸。毒のような彼の言葉にも、黒美は大して反応しなかった。
「随分な決意じゃな。……じゃが、嘘は良くないぞ。黒美を復讐に利用するための道具と考えておるなら、そもそも破壊光線に突撃するなんて無茶はせんじゃろうが」
「“復讐のために、黒美に死んでもらうわけにはいかない”、って言ったつもりだったんだけどな。耄碌婆さんには理解できなかったかな。ごめんね」
「……意地を張りおって」
呆れたようにミルナァルがぼやいて、リナリアと黒美は目を合わせて笑った。
「……そうだね。じゃあ、私もロキのために死なないようにしてみようかな」
「頼むよ」
何も追求せず、何も求めず微笑んだ黒美に、ロキは割りと切実な語調で返した。そんな二人の真剣な様子に、さっきからずっと二人をにやけた視線で見つめていたリナリアはとうとう噴き出してしまった。
「「な、何?」」
「い、いえ。なんでもないです……。ふふふっ」
二人に睨まれても笑いを抑えられないリナリアの方に向いて、ロキも黒美も同じ言葉を放った。その奇妙なシンクロの仕方に、今度はミルナァルが噴き出す。
「な、何だよ(ですか)!?」
「い、いや……。くくっ……、くくくくくっ」
ミルナァルの方に向き直る動作までそっくりなのが余計にミルナァルとリナリアの笑いを誘った。
「ま、まあ、ふふっ、とりあえずオーキド博士のところに戻りましょう。警察の御用になるのも面倒ですし、ふふふ、早めに帰るとしましょう。ふふふふっ」
「……なんかすっごく納得がいかないけど、とりあえず戻ろうか。博士も心配してるだろうし……」
本当に納得いってなさげにリナリアの言葉に同意したロキに、黒美も無言で首肯した。
「……全く、とんだ一日でしたね」
「……ほんとにね。帰って風呂入りたいよ」
「そうじゃなあ。わしはうまいもんが食いたいのう」
「料理なら用意しますよ」
「……っておい!! なんでミルナァルまで付いて来るんだよ! 帰れ! つーか失せろ!!」
「まーまーそう固いこと言うんじゃのうて」
くくく、と意地の悪い笑みを浮かべて、ミルナァルは尻尾でロキの尻を叩く。ロキは心底鬱陶しそうにそれを払っていた。
「そうですよロキさん。別に旅に道連れが増えても別に苦労はしません」
「僕はするんだよ!」
「……そういえばミルナァルさん。ボールは?」
「無視すんな!」
無茶したせいか、ロキの扱いは着々と酷くなっているようだった。
「おお、そうだったの。ボールなら、……ほれ」
そういってミルナァルは尻尾を少しだけ揺らす。すると、ポトリ、と圧縮されたモンスターボールが転がり落ちる。
「基本は尻尾の中じゃ」
「どういう収納の仕方してるんですか……。とりあえず、これは黒美さんに渡しても?」
「……え? 私に?」
無造作に放られるモンスターボールを拾って、リナリアはそれを黒美に手渡す。
「構わんよ。そこの無鉄砲マグマラシをサポートする狐が居ても、黒美は困らんじゃろう?」
「はっ! 余計なお世話だよ! なんでこのクソ女狐と俺がパーティ組まなきゃいけないのさ。黒美を守るのなんて僕一匹で十分だよ」
そっぽ向いて言う自信満々に言うロキだが、黒美はそんなロキを細目で見つめている。
「……うん。確かに今日のロキの無鉄砲さには目に余るものがあったかな」
「……、え?」
信じられない、と言った風なロキの黒美への視線に、私の方が信じられないよ、と言わんばかりの黒美の表情で黒美が見据え返す。
「……幾ら怪我人も誰も出なかったとは言え、ギンガ団の人たちをふっ飛ばしちゃうような大技を街中で使って、しかも相手の大技には自ら突っ込みに行く無茶苦茶無謀無理無鉄砲っぷり。私が『アレ』使えなかったなら、ロキは今頃どうなってたと思う?」
「そんなもの、あの破壊光線を消し去って」
「……どうなってたと、思う?」
何もかも見透かしていそうな黒美の目に、ロキが言葉に詰まる。
「怪我はしてたと思います。はい」
「……どんな怪我をしてたと思う?」
思わず正直に答えてしまったロキを、黒美は更に追求した。
「そんなもの、軽い擦り傷に決まって」
「……どんな怪我してたと、思うの?」
もはや背後から効果音が出てきそうな黒美の雰囲気に、傍らで笑って見つめていたリナリアとミルナァルが一歩後ずさった。当のロキ本人はといえば、完璧に蛇に睨まれた蛙状態だった。
「……、ポケモンセンターに二週間はお世話になるような怪我だと思います。はい」
その発言をロキがした時に、リナリアとミルナァルは間違いなく何かが切れる音を聞いた。しかもかなり大きかった。黒美の堪忍袋の緒が切れた音に違いなかったので、他二名の意見としては、もはやこの場から離れたいぐらいだった。
「……ふーん? もしかしてそれを、分かっててやってた?」
「……ごめん」
「……へえ」
再度何かの切れる音。それも数回。
そしてロキと黒美は沈黙した。正確には、沈黙という名の物凄い怒気だったが。
「…………、次やったら、怒るからね」
「……はい」
微かに血が滲むぐらい拳を握り締めて、黒美は言う。
「大体、貴方を私の武器とするなら、武器は大切に扱うものだよね? 手入れを怠らず、無理をさせず、無茶な使い方はしない。自らの命を守るものが、大事なときに壊れても困るもの」
そう語る黒美の目は冷徹そのもので、今までの雰囲気とは違っていた。どこか気の抜けた先ほどまでの“黒美”は居なかった。
「そうだよね? ロキ。何を勘違いしているかは知らないけど、貴方の命は私のもの。そう誓ってくれたでしょう?」
「く、み……?」
「復讐のために私を『拠り所』にするのは構わないけれど、その為に『私のもの』を無駄にするのは絶対に許さない。絶対に許さないから」
「あ、か」
「……それだけは、覚えておい、て……」
そう言って、柔らかく、優しく、“冷たく”微笑んで、黒美は気を失った。