序章  在りし日の、
プロローグ side : one of the worlds
 貴方と出会った日のことを思い出します。
 その日から、わずかにしか残されていなかった私のいのちは、美しく、鮮やかに、彩られました。
 今思うと、偶然によって生まれたあの出会いは、本物の記憶ではなく、ただの夢、ただの幻、私だけの幻想であるような気さえします。

 それでも構わないのです。

 たとえ貴方が真に存在しないのだとしても、私は貴方に伝えたい。

 この世界は、貴方が思うよりもずっと、新たな驚きと不思議な喜びに満ちているのだと。
 私達のいのちは、貴方が思うよりも、深く、強く、繋がりあっているのだと。

 偶然は、必然と紙一重の存在。幾つもの生命が流転する中で、私の祈りは響き、ここではない何処かにいる貴方のもとへ伝わってゆくでしょう。

 貴方の耳に、心に、私の声と祈りが届いた時、どうか、嵐の先にある、未来の可能性を信じてください。


 さようなら。


 ありがとう。



 生まれ変わった私が、もう一度、貴方の歌を聞けますように。


ハシドイ ( 2012/07/09(月) 12:54 )