第二十九話:ナイトジム
「さてと…審判!!」
御頭に呼ばれる審判。
「はいはい〜」
出てきたのはクロバット。
「……何故クロバット?」
「暗闇で誰も明かりを点けない時に超音波を使って判定を下すためだ」
「それでは、チャレンジャーチームVSナイトジムの点数制バトルを開始します!!」
「電光石火!」
「さて…俺は闇の中に消えさせてもらおうか……」
バンギラスはマグマラシの電光石火を避けながら闇の中に消えていく。
「レントラー!これ!」ブンッ!
ハヤシガメが投げたのは電球。
「……俺は電気スタンドじゃない……断じて電気スタンドではない……」
レントラーは尻尾で電球を支えながら電気を流して明かりを灯す。ハヤシガメとアリゲイツはとっくに闇の中へ消えている。
マグマラシが大して進まないうちに現れたのはダーテング。
「さあさあそこのマグマラシ!大地が感喜し、空は喜悦し、海は歓喜する!宇宙ですらも恐悦するナイスガイのダーテング様である俺と一緒に結婚式でも挙げないか?」
「……あんたホモ?」
「全然!俺は♀を愛する紳士だ!」
「……俺…男なんだけど……」
「………………………………」ドサッ
ダーテングは口をパクパクさせて気絶した。マグマラシはそんなダーテングから鈴を盗る。
「なんか俺が罪悪感に駆られる…」
審判「ダーテング、マグマラシとの会話で倒され、鈴を奪われました!!」
審判が宣言する。
「な!ダーテングが会話だけで倒されただと!!マグマラシ……話術で敵を倒すスペシャリストか!?」
バンギラスは審判の宣言を聞き、驚く。
アリゲイツは今はトラップの仕掛けをたくさん踏んでトラップから逃走中。ギリギリ避けれている。
「竜の舞竜の舞流の舞龍の舞竜の舞竜の舞!!」
「アリゲイツ、漢字が間違っている……」
「ノクタスか。久しぶりって言ってたけど誰なんだ?」
「…サボネア。ミサイル針、種マシンガン、ニードルアーム」
「ああ、サボネアか!って針が!種が!とげが!!」
そう言いながらもニードルアームだけ避ける。
審判「アリゲイツ残り八点!」
「このお!水鉄砲!アイスクロー!」
ノクタスはアリゲイツの攻撃を難なく避け、トラップの方へアリゲイツを誘き寄せる。
バシュッバシュッバシュッバシュッバシュッ
審判「アリゲイツ、残り三点!」
「アリゲイツ……いくら周りが暗いからって早すぎだろ…」
「よ!」
「オルトロスか。俺はレントラーよろしくな」
「お!分かってるねー戦いの最初は挨拶からだろ。っと、シャドーボール連弾!」
「スパーク!」
レントラーはスパークを使ってシャドーボールを防ぐ。
「おろ?威力弱くしすぎた?これはどうだ?泥棒」
「あっ!」
グラエナはレントラーの電球を盗る。
「……暗い。電球返せ」
「普通返すか?不意打ち、悪のはどう」
「っ痛!チャージビーム!充電!」
悪のはどうは真上にジャンプしてかわす。
「うっひょおおお!痺れたぁ!特性早足発動だぁ!悪のはどう、不意打ち、アイアンテール!」
「ぐっ!放電!」
審判「レントラー残り五点!」
「暇だ。今回は誰もわしの所に来ない。暇だ……」
「…ルガーさん、技はいらないから鈴だけください」
「だめですよ。ハヤシガメさん。鈴だけ貰おうとしちゃ」
ルガーはにっこりと微笑みながら火炎放射を連発する。
それに対してハヤシガメはエナジーボールで迎撃する。
「……なぁ、ハヤシガメ、助けいる?」
マグマラシの声がする。
「いる!」
「ストーンエッジ!」
マグマラシの声がした方からバンギラスが現れ、ハヤシガメに攻撃する。
「ええ!?」
「……暇だったからマグマラシの
声色真似してみた」
「ややこしいって!宿木の種のマシンガン!」
「それは危ないって。一つでも当たったらめんどくさくなる…砂嵐!」
「火炎放射!」
「危ないって!エナジーボール!」
審判「ハヤシガメ残り九点!」
「…あっちがハヤシガメだと思う。ならアリゲイツの方へ!」
マグマラシはアリゲイツのいると思われる方向へ走っていく。
「永続ミサイル針!」
「ダブルアイスクロー!」
アリゲイツは両手に出来た氷の爪(ガブリアス並みの長さ)で針を撃墜していく。
「ぐはっ!」
審判「マグマラシ、トラップで残り七点!」
「……マグマラシ来た!」
「マグマラシ助けてくれ!」
「了解!火炎放射!」
「熱!巻きびし。不意打ち。騙し討ち、ニードルアーム」
「あ!近づけねぇ!」
「ガッ!げほげほ!アリゲイツ、穴を掘れ!」
「あ、そっか穴を掘る!」
審判「マグマラシ残り五点!アリゲイツ残り二点!ハヤシガメ残り七点!レントラー残り四点!」
「スピードスター!火炎放射!噴煙!」
マグマラシの火炎放射はスピードスターに纏わり付き、炎星となってノクタスに降り注ぐ。
噴煙で周りにあるトラップの糸を焼き切り、安全地帯を確保する。
「せっかくのトラップ……根を張る」
「あ、マグマラシ助けてくれ!根に絡まった!」
「噛み付いてれば?火炎放射!」
「ミサイル針!種マシンガン!」
マグマラシの火炎放射を防ぐノクタス。
「……氷の牙。アイスクロー!」
ノクタスは地面から徐々に凍っていき、すぐに凍り付いてしまった。
「マグマラシたすけてくれ…」
「ちょっと熱いぞ。蒼火炎放射!」
「って!わざとだ!熱い熱い熱い!手足が焼き切れるほどに熱い〜!!」
アリゲイツが根の拘束から解き放たれたのを見てマグマラシは蒼火炎放射をやめる。
「わざとだろ!!!」
「人の写真を勝手に売り捌いているような奴にはちょうどいいだろ〜?」
「……サイナラ!」
アリゲイツは一瞬にしてマグマラシから逃げて行った。
審判「ノクタス、氷漬けにされて鈴を盗られました!アリゲイツトラップで残り一点!ハヤシガメ残り四点!レントラー残り三点!」
「レントラー助けに来たぞ!アクアテール!」
「サンキュー!アリゲイツ。…それよりもお前、残り一点って……チャージビーム!」
「おお!アリゲイツ!残り一点になるまでほとんどがトラップだよなぁ!「うるせぇ!」六点はトラップで」バシュッ!
「……ハハハハハハハ!アリゲイツ!お前凄いよ!言ってるそばからトラップに引っかかるとか!!俺笑い死にそう…」
審判「アリゲイツ、持ち点無し!退場!」
「審判!アリゲイツに俺の点を二点渡す!」
審判「アリゲイツ持ち点二点!レントラー持ち点一点!ハヤシガメ残り三点!マグマラシ残り五点!」
「レントラーサンキュー。…レントラーちょっと…」
「ハハハハハハハハ」
オルトロスは未だに笑い続けている。アリゲイツとレントラーは少し離れる。
「レントラー、これ…」
アリゲイツが取り出したのは鈴。
「あ…オルトロスのか?」
「もち」
「ならほっといてもいいな。マグマラシ!!」
「うるさいって「うわぁ!」真後ろまで近づいてたのに…」
アリゲイツは真後ろから聞こえた声に驚いて飛び上がる。
「マグマラシ明かり代わり頼む。あと、ハヤシガメの所へ急ごう」
審判「オルトロス、笑う前に鈴を盗られました。ハヤシガメ残り一点」
「ルガー疲れたか?」
「い、いえ、ま、まだまだ……」
「疲れてるよな」
「宿木の種!」
「あっ!」
ハヤシガメの放った宿木の種は疲れてふらふらのルガーに命中する。
「ハヤシガメ大丈夫か!?」
「あ、皆…後よろしく…」
ハヤシガメは息を切らせて地に伏せる。
「暇だったんだぞ…ルガーとハヤシガメの戦いの観戦し続けるくらい」
「口調変わってる…」
「早く戦おうぜ地震!」
『うわっ!』
審判「マグマラシ残り四点、アリゲイツ残り一点!」
「審判!俺の点を全員に配分!」
審判「挑戦者全員一点」
「ありゃーめんどくさくなったから纏めたな…マグマラシは二点なんだけどな……後で締めておくか……噛み砕く!」
「うお!噛み砕く!」
アリゲイツとバンギラスの噛み砕くがぶつかる。
「充電」
「連続遠吠え」
「…雷の「氷の…牙!』
バンギラスは雷の牙に、アリゲイツは氷の牙で再びぶつかる。
「雷の牙!」
「砂嵐!」
レントラーの雷の牙を砂嵐で防ぐ。
「フレイムボール!」
「させない!シャドーボール乱れ撃ち!!」
「ナイス!オルトロス!」
「アリゲイツ!鈴!」
「させるか!泥棒!」
アリゲイツがバンギラスから鈴を奪うが、オルトロスがマグマラシから鈴を奪い返す。
「オルトロス……マグマラシ四千六百ポケ!」
「あ!それをこんなところで出すなんて卑怯だぞ!!」
「もうバレてるから!」
「え゛ まじ?」
「まじ。アクアテール!」
アリゲイツがオルトロスに技を当てようと仕掛けたときバンギラスが動き、オルトロスを持ち逃げする。
「地震!ストーンエッジ!」
マグマラシ達はバンギラスの攻撃を全員食らう。マグマラシにはストーンエッジも当たる。
審判「あ…どうしよう」
審判が小声でぼそぼそと何か言っている。
「あーあ。負けかぁ…」
「結構頑張ったと思うんだけどなぁ…」
「あと少しだった…か…」
「……?……ぁ!フレイムボール!」
マグマラシの攻撃は気を抜いたバンギラスに抱えられていたオルトロスに当たる。
「ヅェギ」
変な所に当たったようでオルトロスは変な声を出して撃沈する。
「試合は終わったってのに何するんだ!」
そんなバンギラスの声を無視してオルトロスの落とした鈴を拾うマグマラシ。
「これで俺達、エレメントの勝利だ!」
マグマラシは五つの鈴を高らかに掲げ、そう叫ぶ。
「は?マグマラシ何言ってんだよ。俺等負けたろ?」
アリゲイツに賛同して首を縦に振るレントラーとハヤシガメ、バンギラスとルガーといつの間にか回復したダーテングとオルトロス。
「おーい審判!俺達の勝ちだよな!」
マグマラシはそう審判に叫ぶ。
審判「……はい…チャレンジャーチーム…エレメントが勝者……です」
ところどころつっかえながらエレメントの勝利を言う審判クロバット。
「…………どういうことだ…………」
審判「えっと…ジム員を倒す度にその者には三点が加算される。っていうルール忘れてました」
「………………………………………………御主は審判失格。よってこの場で死ぬがいい……ストーンエッジ。岩雪崩……」
バンギラスはクロバットを生き埋めにする。
明後日にエレメントとナイトジムは再び戦うことになった。ジム員の戦闘メンバーは替えて貰ったらしい。
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クロバット「あ…ここは…あの世?」
なわけない。作者である僕の部屋。あのままだったら本当に死んでたしね。
クロバット「え、そうなの」
じゃね〜。
バンギラス「マグマラシとダーテングの話を聞いたら物凄く笑えたぜ。まさかダーテングが間違えるなんてよぉ!……まてよ?ということは町長も!?がはははっははははははっはははは!!まじで笑える」