第二十六話:ナイトタウン
マグマラシは……高値で売れます!!
マグマラシ「何言ってんの!?」
アリゲイツ「だよな!作者!」
そうそう……って睨まないでよ。さっきアリゲイツと話していた時のノリで言っただけなんだから。
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ヒュー…ガッ!パラパラパラ…
「うわっ!鍾乳石が落ちてきた!」
「本当に落ちてくるとは思わなかったな」
マグマラシ達はナイトタウンへ入るため、鍾乳洞の中を進んでいる。
「……んーん……」
「何か言ったか?」
マグマラシが皆に聞く。
「鍾乳石が本当に落ちてくるとは思わなかったって言ったぞ?」
「その後!」
レントラーはマグマラシに答えたが、否定されてしまった。
『何も?』
「んーーん!んん!……んーん!!」
「ほら!また!」
「ほんとだな。一体どこから…」
「本物の幽霊?」
アリゲイツはふざけながら幽霊だと言う。
「そんなはずはありません。私はここをよく通りますが、今までにそんなものは見た事も聞いた事もありません」
ルガーによって即座に否定されたアリゲイツのふざけ。
「んーん!んんんんー!んーん!」
「おーい!たすけてー!おーい!か…」
レントラーが即座に言葉に翻訳する。
「分かるの!?」
「勘」
「んんんんんんんん!」
「勘じゃないだろ!だって」
「本当に勘か?」
それに即座に疑問を抱くアリゲイツ。
「んんんんん、んんんんんんんん、んんんんー!!」
「そんなこと、どうでもいいから、たすけろー!!」
今度はマグマラシが翻訳する。
「マグマラシも!?」
「俺はそこまで長いのは出来ない。マグマラシさすがだな!」
「んんんんんんん、んんんんー!!」
「はなしてないで、たすけろー!!だってさ」
「どこだー?」
「んんんんん、んんんん、んんんんんん!」
「青色の、おまえの、十歩右!って言ってる気がする」
「マグマラシ、それって勘の領域越しているような気がするんだけど」
「そうか?」
「俺もそう思う」
ハヤシガメに対し、マグマラシが聞くがアリゲイツが答える。
アリゲイツは十歩右に行ったが誰もいない。
「誰もいねぇじゃん」
「んんんんんんんんん、んん!んんんんんんんんんんんん、んんんんんんんん。んんんんんんんんんん!!んんんんんんんんんんんん!」
「青色のお前の、下!鍾乳石で出来た、お前の足元。その中に俺はいる!!言っておくが嘘じゃない!って…鍾乳石の中って事?」
「マジ!?石の中?」
「んんん!!」
「そうだ!!か。なら早く助けないといけないな」
レントラーはそう言うや否やすぐにアリゲイツの足の下を攻撃し始める。
「ちょっとどいて。エナジーボール三連射!!」
「んんんん!んんんんんんんんん!」
「何て?」
「あぶねぇ!俺は岩タイプだ!」
「大丈夫?」
「んん」
「まぁだってさ。俺の番!連続遠吠え!フレイムボール!!」
ピシッ!ブシュウ…
「あ、水溜まりのせいで火炎車がただの回転に…」
「でもヒビ入ったぞ!俺の番!竜の舞から噛み砕く!」
ビキッ!ピキビキビキビキ!
「おっしゃあ!これでどうだ!もう出てこれるか?」
「んん」
バキッ!ガラガラガラ。
「助かった〜…」
出てきたのは灰色と青色の身体のラムパルド。
「サンキュー!地面の中にかれこれ四日間埋まってたから死ぬかと思ったぜ」
「四日も何で埋まってたんだ?」
「ナイトタウン目指して行ってたらこの洞窟で迷っちまって、足を滑らせて窪みに溜まっていた泥?の中に落っこっちまったんで、そこから抜け出せないまま時間が経って泥が固まったんだよ。鼻先だけ出てたからなんとか息は出来たけどお前達が通らなかったら俺は死んでたぜ」
「えっと…「あ、俺ラムパルド」…ラムパルドさん。ナイトタウンまで歩けますか?」
「なんとか!着いたら飯食わなきゃな!」
ラムパルドの返事を聞いて大丈夫と思ったルガーはナイトタウンへ歩を進める。
「四日も埋まっていたにしては元気だよな」
「やっぱそう思う?俺って体力馬鹿って言われてたくらい身体が丈夫なんだよ」
「すごいですね」
「だろ〜!」
「ナイトタウンはこっちですよ〜」
「待ってくれ〜!」
ルガーに置いて行かれそうになるラムパルド。
暫く歩いていくと明かりが見えてくる。
全体的に薄暗いが、町はある程度活気にあふれており、モノトーンな感じの町。町の名前から分かるように悪タイプのポケモンが多い。
悪タイプのポケモンが多いが、犯罪は痴漢を除くならば他の町と同じくらいの発生率だ。旅のガイド最新版から引用。
「ようこそナイトタウンへ。皆さんを歓迎します。私は他の仕事があるのでこれで失礼します」
ルガーはそう言うと風のような速さで走って行った。
マグマラシ達がナイトタウンに着いた時からずっとマグマラシを見つめる視線。
「……あの子が次のターゲット〜」
その者は音も立てず素早い動きでマグマラシの後ろからマグマラシに向かって迫る。
「ポケモンセンター行こうぜ」
「ねぇ皆、今日は休んで明日ジム戦に行こうよ」
「え〜……」
「アリゲイツ、我慢我慢」
「わっ!?」
マグマラシは
何者かに痴漢行為をされて驚く。
「新記録達成〜!!これで連続三千二百八十五回!」
痴漢行為をしたのは黒と赤の毛皮を持った狐のような顔をした二足歩行のポケモン。
「痴漢行為で有名な町長!?」
「チッチッチ。ちょっと違う。俺は町長だが、ゾロアークって言う名がある!それに痴漢行為じゃなく、世界の美女達を愛でる行為と言って欲しい。あと、俺が愛でるのは女だけだ」
「変わらないでしょうが!!|(今までの痴漢行為の回数、数えてた…)」
そう言ってルガーが走ってきて
町長を連れ去っていく。
「じゃーなーかわいい女の子よ!(名前聞き忘れたー!!)」
「……俺、男なんだけどな…そんなに俺って女っぽいのか……(何千匹もの女を見てきた――もとい痴漢行為をしてきた
町長の目ですら俺を男と見抜けなかった……)」
そんなマグマラシの言葉は
町長には届かなかった。
マグマラシはとてつもないショックを受け、涙目になりながらどこかへ走り去って行く。
「そういうところが女っぽいような気がするんだけどな〜(女で通せば良いんじゃね?)」
「アリゲイツ、追い討ちは止めようよ。心の傷を深くするだけだから…(アリゲイツ、酷いよ)」
「マグマラシのことは暫くそっとしておいておこう…あれはあいつにしか分からない事だ」
「マグマラシって男だったのか…(見た目で判断したら大変だ…)」
「ラムパルド、落ち込むなよ?」
「落ち込んでねーよ!!驚いてるだけだ!!それとも何だ、俺がマグマラシに一目惚れしてたとでも言いてぇのか!」
「…してないのか?マグマラシの事を見た♂ポケモンのほとんどはドキドキするっていう事がアンケートの調査で分かって「おい!」どしたレントラー」
「それは
何時のアンケートだ?」
「ちょうど…半年前だな。夏頃に学校で実施したはず…」
「…うわぁ。マグマラシがそれを知ったら大変だね…」
「哀れと言うか何と言うか…マグマラシって大変なんだな…(男として見られないって…)」
アリゲイツはラムパルドをレントラー達から少し離れた所まで連れて行き、荷物の中から何かを取り出しながら話しかける。
「なぁ、マグマラシの女装……もとい寝ていた所を女装させた写真見てみるか?」
「ああ。………………………………何ポケだ?」
「一枚三百ポケでどうだ?」
「よし、これとこれとこれ。それにそれとこれ……」
「十枚か?三千ポケだ。おまけとして微笑み寝顔写真も一枚つけとく」
「買った」
「毎度あり!」
「あんた悪魔だな…」
「買ったあんたに言われたくねえよ」
「アリゲイツ、ラムパルドさん?どうしたの?」
『なんでもない』
「そう…?」
「さっきのって…(マグマラシの写真?アリゲイツって……あとでマグマラシに伝えてやろうか…何枚かもらった後で)」
奇跡的にアリゲイツ達が何をしているのか見えたレントラー。悪い考えが頭に浮かぶ。
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レントラー「俺……悪い考えって大抵失敗するんだよな」
ラムパルド「マグマラシ!アリゲイツがこんなの持ってたぞ!!(一枚のみ犠牲!)」
マグマラシ「写真……アリゲイツ許せん!!こんな物!!(怒」ビリビリビリビリ!
レントラー「な?すぐに失敗したろ?」
本当だ!凄いね!言ってるそばからって!!
ラムパルド「じゃーな!仲間チームが心配して探してると思うから俺は此処で別れるわ!」
ばいば〜い。マグマラシ、アリゲイツが町長にも写真売りに行ってるかもよ?
マグマラシ「アリゲイツ!!この羞恥、どうやって仕返ししてくれようか!!」ダッ!
ダッシュで行っちゃったよ。アリゲイツどんなめにあうのか…