第十九話:初のジム戦・後編
ジュカイン・ユキノオー・メガニウムVSマグマラシ・アリゲイツ・ハヤシガメ・レントラー
「くらいやがれ!雪降らし!そして吹雪!!」
必中の吹雪がハヤシガメにあたり、ハヤシガメは特に何もしてないのに凍り付いてしまう。
「一匹戦闘不能になったようだな!高速移動!リーフブレードクロス!」
ジュカインはアリゲイツに切りかかる。
「あ〜!!もうめんどくせぇよ!!お前木から木へどんどん飛び移りやがって!!…あ、今は
霰あられだから必中だよな…」
「何するつもりだ?」
「もちろん吹雪だ!」
アリゲイツは吹雪を発生させる。
「ぐっ!吹雪が使えたのか!!高速移動!見切りを使いながらリーフブレードクロス!」
ジュカインは見切りで動体視力を底上げし、アリゲイツの急所を狙って攻撃してくる。
アリゲイツはそんな攻撃を避けれるはずも無く撃沈してしまう。
「ハヤシガメ!アリゲイツ!こうなったら噴煙!!」
マグマラシの噴煙は効果四倍のユキノオーを一撃で沈める。
「充電完了!メガニウム!お前も食らえ!放電!」
放電で麻痺したジュカインが次の木に着地しようとしたとき足を滑らせ、頭から落ちてしまい気絶してしまった。
「僕は光の壁使ってるからそんな攻撃何とも無いよ!僕からも反撃させてもらう!身代わり!身代わり!身代わり!光合成!光合成!身代わり!光合成!」
「うわ!メガニウムの群れか!厄介だな!今のうちに寝とこうか…眠る」
「メガニウム食らえ!連続遠吠え!フレイムボール!」
「甘いよ!
蔓つるの
鞭むち!」
マグマラシの攻撃を何なく受け止めて弾き飛ばす。
「なら!噴煙!」
「何してるの?そっちには誰もいないよ?」
「さ、寒かった〜!ありがとうマグマラシ。光合成!砂地獄!」
ハヤシガメの砂地獄で動けなくなったメガニウム。天気は晴れに戻る。
「動けないなら動けないなりの対応すればいいだけだ!原始の力!自然の力!」
メガニウムの周りに岩が浮き、マグマラシに向かって飛んでくる。
「やばい!あれは絶対に避けなきゃいけない気がする!」
マグマラシは本能的にメガニウムの攻撃を回避する。
マグマラシのいたところの地面にあたった岩は爆発を引き起こす。
「やっぱり!」
「避さけられちゃったか〜せっかく種爆弾入りだったのに」
「避よけるだろ普通!フレイムボール!」
「ほい!マジカルリーフ!」
メガニウムはぱっぱを操り、地面とマグマラシとの間に入れることでマグマラシを滑らせてしまう。
「まだまだだね〜光合成!」
そのころ、少し離れたところで起き上がる一匹の青いポケモン。
「う〜やっと身体が動くようになった…」
「スピードスター!火炎放射!フレイムボール!」
マグマラシは炎で包んだスピードスターを放った後、他の方向から挟み撃ち攻撃をしかげる。
「無駄だって!僕には光の壁とリフレクターがあるんだから!マジカルリーフ!」
「うおりゃぁぁ!アクアテール!」
「ってうわぁ!」
アリゲイツの急襲に驚いたメガニウムはマジカルリーフをコントロール出来なくなってしまう。
アリゲイツの一撃はリフレクターで阻まれてしまう。
光の壁をすり抜けたスピードスターはメガニウムに当たる。
「まさかきみが戦闘出来るようになってるとはね…油断したよ」
そこにマグマラシのフレイムボールが当たる。
のんきに寝ていたポケモンも目を覚ます。
「ふあぁぁ〜」
「エナジーボール!!」
光合成のエネルギーを全てつぎ込んだエナジーボールがメガニウムにあたる。
「痛いな〜僕のチームは全員やられちゃったのに君達のチームは一匹もやられてないなんてね…なんかこのジムが物凄く弱いように思われるからジムのイメージを保つ為に倒れてね?光合成からソーラービーム!!」
四匹のメガニウムが一斉に強力なソーラービームを放つ。
もちろんアリゲイツが持つはずも無く…レントラーは吹き飛ばされて尻尾が木に引っかかり、戦闘不能に。
ハヤシガメは足場を崩されてひっくり返って起き上がれなくなってしまう。
ソーラービームを一匹一発づつ撃っただけで一気に戦況を変えてしまったメガニウム。
「…これで戦闘が出来るのはマグマラシだけだね?」
マグマラシの身体から吹き出る炎の勢いが弱くなる。
「やばいっ!!煙幕!電光石火!フレイムボール!スピードスター!」
煙幕で視界が悪くなる。マグマラシはフィールドの中を東奔西走《とうほんせいそう》している。ときどき、熱に耐え切れなかった木がはぜる音がする。
「まいったな〜こうも速く移動されると捕まえにくいんだよな〜
蔓の
鞭!」
「はずれ!くらえ!」
マグマラシはフレイムボールを維持し続けながらメガニウムの体力を徐々に奪っていく。メガニウムの分身は消え去ってしまった。
「充電完了!チャージビーム!!」
レントラーが離れた位置からチャージビームを命中させる。
「くっ!!あいつは木の枝に引っかかってたはず!!それに何でこんなに視界が悪くてどこにいるか分からないのに技が命中するんだ!?」
「レントラーは俺がスピードスターで助けたんだ!」
「そういうこと!!あと、俺等レントラーが眼光ポケモンって言われている理由の一つにたとえどんなに視界が悪くても俺等はそれに関係なく視る事が出来るって言うのがあるぜ!!」
「そういうことか…僕の身代わりはマグマラシ達に倒されちゃったみたいだし、かといって僕はこれ以上回復技を使うつもりはないし、決着をつけようか」
煙幕が晴れて視界が良くなる。
「ソーラービームを打つ前に集めるエネルギーを技に上乗せさせた僕の最高の技を受けてみろ!ソーラーハードプラント!」
「フレイムボール!」
「放電!」
「ひっくり返ったままで気持ち悪いけどエナジーボール!!」
四匹の技がぶつかり、爆発を引き起こす。それでもメガニウムの攻撃は留まることを知らず、爆風がマグマラシ達を飲み込んでいく。
爆煙が晴れたとき、そこにいたのはひっくり返っていないハヤシガメ一匹。
「あれ?いつの間にか元に戻ってる???」
「勝者!チャレンジャーチーム!エレメント!!…とりあえず救護班、応急処置をしてください」
救護班が目に捉えられない速さで治療し、去っていく。ジムリーダーでさえ実態は知らないとか。
「ありゃ〜やっぱり回復してたら勝ってたかな〜?まぁ、勝利おめでとう。ウィードバッチだよ」
「メガニウム!お前はわざと負けたろ!!ほんとはもっと強いだろ!!」
「うん。でも本気出しちゃうと誰もこのジムを超えられなくなっちゃうから…」
「そんなに強いのに何故一番目のジムなんだよ!」
メガニウムに対してムキになるアリゲイツ。ジムは通常、弱いジムから順に挑戦するのが決まりで、数年に一度、ジムランク大会が開かれ、その強さを競う事になっている。
「…それは…ジムランク大会に寝坊して出場出来なかったからだよ。ごめんね。それに僕のジムは普通なら四番目か五番目のジムに匹敵する強さなんだよ?そんなのが一番最初だったらほとんどのチャレンジャーが潰れていくでしょ?」
「だからって…」
「気に入らなかったらもう一度勝負しようよ。今度は君達がバッチを四つ手に入れてからね。それまで待ってるからね」
「うう〜」
メガニウムがキノガッサに引き摺られて行ってしまったので唸うなるしかないアリゲイツ。
《メガニウムってそんな大事な大会に寝坊したんだ……》
そんなアリゲイツをよそに、衝撃を隠せない三匹。
なんだかんだで勝利したマグマラシ達。
「次のジムは…悪タイプの多いナイトタウンだなアリゲイツ、メガニウム達とはまた戦えるんだからいいじゃないか!!」
「…だな。メガニウム!!待ってろよ〜!!」
そう言ってアリゲイツ達はジムを去って行った。その後姿を見ながらメガニウムが呟く。
「ふふっ。僕としたことが多少本気を出しちゃったよ。マグマラシとアリゲイツの体力や、パワー、スピードも全てにおいて驚かされたよ。同じレベルの他のマグマラシやアリゲイツとは比べ物にならないほど強いね。次に合った時に簡単に倒されないように僕等も頑張らないとね」
「アリゲイツ!ナイトタウンに行く前に俺の目的の時の祠!!」