第九話:旅立ち・バトル大会開始
卒業後、アリゲイツの家に遊びに行ったマグマラシ。
「なぁ、アリゲイツ」
「なんだ?」
「これから…どうする?」
「…おれは強くなりたいかな。マグマラシは?」
「神と呼ばれるポケモンに会ってみたい…かな」
「じゃあさ、旅に出ようぜ!どっちもこの場所に留まってたら叶わない事なんだからさ!」
「いいな!それ!ジムに挑戦したり、各地の遺跡を巡ったり!」
「そうと決まれば早速!!」
「ちょっと待て!」
家を飛び出そうとしたアリゲイツを呼び止める。
「何の準備も無しか?それに親にもそのこと知らせたほうがいいだろ?」
「忘れてた!」
わくわくしすぎてそういった事を一切思わなかったようだ。
「…じゃあ、旅の用意とか出来たらここに来るから!」
「わかった!」
マグマラシはアリゲイツの家を出て急いで家に帰る。
「アリゲイツ、旅に出るんだって?」
「か、母ちゃん…」
「…行って来なさい!私はいつでもあんたの味方だから」
「サンキュ!父さんは?」
「父さんには私が言ってあげるから心配しないで!」
「おう!」
アリゲイツは荷物の準備を始めた。
「え〜と、貝殻の鈴に…神秘のしずく…元気の塊に木の実とか…」
一方マグマラシは…
「ただいま!」
「おかえり。早かったわね」
「母さん。俺アリゲイツと一緒に旅に出ようと思う!ジムや遺跡とか色々巡ったりする旅!」
「あなたもお父さんと同じように旅に出るのね。応援するからね!それでいつ旅に出るの?」
「今日中には出発する」
「今日?ちょっと探し物があるから用意が出来たら言ってね」
「わかった!」
マグマラシは自分の部屋で荷物を詰めていく。
「木炭に食べ残し、煙玉に達人の帯………後は木の実だな」
荷物を詰め終えたマグマラシ。
「母さん。用意出来たぜ!」
「こっちもちょうど見つかったわ」
どこからか小さな袋を見つけてきてそれをマグマラシに手渡した。
「これはお守りよ。命が危機にさらされた時に使いなさい」
「中身は何だ?」
「使うときまでの秘密。それじゃあ、行ってらっしゃい!!」
「行ってくる!!」
マグマラシは耐炎製のバックを背負い、アリゲイツの家を目指す。
マグマラシがアリゲイツの家に着いた時アリゲイツも丁度準備が出来、家を出ようとしていた。
二匹が同時に扉を開ける。
マグマラシはアリゲイツが押し開けた扉に顔を強打し、飛ばされる。
「!!!」
声にならないマグマラシの叫び。アリゲイツの後ろでオーダイルが腹を抱えて大爆笑している。
「わ、わりぃ」
「痛ぇ〜…」
「…母さん行ってくるわ」
オーダイルの笑い声はアリゲイツ達が去った後もしばらく続いていた。
ここはアリゲイツの家からちょっと行ったところ。
「なぁ、どのジムから行くか?」
「ジムの前に仲間集め!ジムは四匹以上のチームじゃないと挑戦権が与えられないだろ?それにジムには順番があるんだ!」
「じゃあどうすんだよ!」
マグマラシはマップを取り出して言った。
「まず、俺達がいるのはここ、アトリュートタウンだ。一番目のジムのある町はウィードタウン。そこに行きながら遺跡やジムとかの情報を集め、仲間も探そうと思う」
「じゃあ、さっさとウィードタウンに行こうぜ」
「ここからウィードタウンまで離れているから途中の町に寄りながら行く」
「じゃあ、まずは…エレクトタウンだな!出発〜!」
アリゲイツは意気揚々と歩いていく。
「アリゲイツ!来た道に戻ってどうする〜!」
「んが?こっちだと思ったんだがな〜」
マグマラシたちはエレクトタウンに向かって行った。
何事も無くエレクトタウンに着いたマグマラシ達。これはこれで退屈と思われるが。
「よっしゃ〜!!着いた〜!!」
エレクトタウンの開けた場所にポケモン達が集まっている。
「アリゲイツ、何かやってるみたいだぞ!行ってみようぜ!」
「おう!!」
アリゲイツ達が行くとそこにいたのは今日開催されるバトル大会のチラシを配っているぺリッパー。
ぺリッパーが配っていたポスターを
『今日開催されるバトル大会の参加者募集中!!年齢・タイプ・種族問わず!!自分の腕に自身のある者達よ集え!詳細は大会受付へ』
「マグマラシ!!バトルだぜバトル!!申し込みに行こうぜ!!」
「さすがアリゲイツ。バトルには目が無いな〜」
「受付は…ポケモンセンター!さてと…」
マグマラシを怪しい目で見るアリゲイツ。
「な、何だよ…」
アリゲイツが笑みを浮かべた瞬間、マグマラシを抱きかかえ、そのままポケモンセンターに向かって走っていく。
「またか!放せ!お〜ろ〜せ〜!」
ポケモンセンターの手前でアリゲイツが転んだのでマグマラシは抱きかかえられたままポケモンセンターに入っていくのを避けることが出来た。
マグマラシ達がポケモンセンターに入るとナースキャップをかぶったライチュウとデンリュウが大会受付の手続きや説明をしていた。
「なぁ、バトル大会の参加条件とルールは?」
「参加条件は自分の腕に自信があるか否かです。ルールはシングル戦、道具の使用と反則行為は禁止です。技の制限はなし。また、六試合同時予選で本戦に残るポケモンを十六匹にまで絞り、本戦では残り四匹になるまで四試合同時進行のトーナメントになります。そして上位の成績をおさめた方は賞金としてポケを贈与いたします。参加登録しますか?」
アリゲイツの質問に早口で答えるライチュウ。
「よろしく!アリゲイツとマグマラシだ」
「少々お待ちください。そちらのマグマラシさんは♀でいいですね?」
その言葉を聞いたとたんアリゲイツが笑い転げた。そしてマグマラシは動きを止める。
「マグマラシはあれでも♂だぜ!!」
アリゲイツがそういうとポケモンセンターにいた♂達が暗くなった。♀ポケモン達からは敵意が無くなり、少しとろんとした目でマグマラシを見つめている。
「す、すみません!!訂正します!……参加登録できました。」
「サンキュー!!いつ始まるんだ?」
「あと2時間後になります」
アリゲイツのため口にも敬語で対応するライチュウ。他の質問にもすらすらと答えていった。
「それでは、大会開始までポケモンセンター内にてお待ちください」
「俺、大会出る気は無かったのに…」
「そうだったのか?もう遅い!存分に楽しもうぜ!」
マグマラシ達は大会開始時刻まで休憩を取り、大会開始時刻になった。
「それでは選手の皆さん会場まで案内いたします。ついて来て下さい」
大会参加者達はデンリュウの案内の下、たくさんの観客がいる大会会場に入っていった。
「この大会の実況を務めさせて頂きます、サンダースです。それでは、大会開始前にルールの確認をしたいと思います…」
司会のサンダースが大会のルールや説明をし終わり、選手達がバトルフィールドへ導かれる。
扉を開けて入場すると観客から歓声があがった。
観客への顔見せが終わり、大会が始まった。
「さぁ始まったエレクトタウンバトル大会!選手達!悔いの残らないよう全力で正々堂々戦ってくれ!観客の皆!この大会を盛り上がって楽しんでいこう!!」
サンダースの喋り方が変わり、観客が盛り上がる。
「まずは予選だぁ!予選を勝ち残り、本戦に現れるのは誰なのか?そして今回は初出場者が去年の倍だ!!この大会のルーキーが本戦を占めるというミラクルは起きるのか?おおっと!ここで予選の準備が出来たようだ!予選一回戦目の選手達はバトルフィールドへ!」
選手がバトルフィールドへ入り、戦闘体勢をとる。
「準備はいいか?バトルスタート!!」
予選が始まり、次々とバトルが行われていく。
予選は六試合同時進行なので次々と試合が終わっていく。
「今大会最速のスピードで相手を倒したルーキー、レントラー選手!開始わずか十秒も経っていない!君には期待してるよ!」
「お前には期待されたくねぇ!ロリコンサンダース!」
「んなっ!!どうしてそれを!!」
観客からは笑い声が聞こえる。
「…速いな。俺が相手だったら相性が悪くても負けたくねぇ」
「アリゲイツ頑張れよ!」
「ああ、お互いにな!」
「モココ選手、マグニチュードの威力の前に倒れたぁ!勝者ドンファン選手!またしてもルーキーが勝利を掴んだぁ!!はたして今大会ミラクルは起きるのか!?」
マグマラシとアリゲイツの前の選手が同時に倒された。
「次は俺等だな」
「よし!行くか!」
マグマラシはドクケイルと戦い、光の壁と月の光に苦戦したが勝つことが出来た。
アリゲイツは、シャワーズの貯水とアクアリングにてこずったがじたばたを使い逆転勝利することが出来た。
予選は続き、バトルは全ての組み合わせが対戦し終わり、最終的に本戦にまで勝ち残ったのはアリゲイツ達を含め十六匹。
「ここからは残り四匹になるまで四試合ずつのバトルだ!バトル開始と言いたい所だが、50分間の休憩だぁ!観客の皆は今のうちに用事を済ませておいてくれ!選手達は身体を休めていてくれ!休憩中は今大会スタッフによるショーだ!楽しんでくれ!」
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数奇な運命のポケモン達って言う題は、その時代に産まれたポケモン達が今までに無いことを経験することになると思って付けた題だよ?
レントラー「何故疑問系なんだよ。俺は消えていくキャラじゃないよな?」
僕も分かってないから疑問形♪あと君はすぐ消えるキャラじゃないから!絶対!
サンダース「俺は?」
出た!ロリコンサンダース!君はもうすぐ消えるよ。普通にね。
サンダース「嫌だ!まだこの世には俺のロリ心をもんもんとさせるロコンちゃんやピンプクちゃんやイーブイちゃんがいるんだぁ!!」
ライチュウ「はいはい。それはどうでもいいから大会の実況兼審判を抜け出さないでね〜」
サンダース「いやだ〜!!まだ俺はロリのすばらしさを伝えてな…ぐふっ!」
サンダースの腹に気合パンチが決まったね!じゃまなそれどうにかしてくれてありがとうライチュウ!
レントラー「…あれはほっといて、次もよろしくな!」