第五話:ミルタンクの世界について
「魔法にはリスクがある。まず、魔法の元になるエネルギーは主に体力や寿命。場合によっては命そのものを使うときもあるわ」
…ここから魔法について箇条書きで記していきます。ミルタンクが言った事として読んでください by作者
・魔法|(呪)は使用者、対象者双方からエネルギーを奪って発動する。
・ポケモンは使える技が限られているように魔法も使うポケモンによって限られる。
・魔法はこの世界の法則を変えることは出来ない。(例:死んだポケモンを完全に蘇らせる等。)
・魔法には使う者によって威力が変わり、鍛錬で強くなる。
・才能によって習得できる数が違う。
・呪はその呪をかけた相手、もしくは呪をかけた物にどれだけ憎悪や執着があるかによって効力が変わる。
・時間が経てば経つほど魔法の効果は薄れるが、呪や、命を使った魔法は効果を発揮するまで効果が薄れず、消せない。
・魔法を使うとき、何を代償にするかで魔法の威力は跳ね上がる。
・魔法には属性が【26】種類ある。
基本的にタイプと同じだが、その他にも[時間・空間・宇宙・闇・光・変化・回復・無・全]がある。
・三大魔法の[時間・空間・宇宙]魔法は契約を結ぶことによって使える。
時間はディアルガと、空間はパルキアと、宇宙はギラティナと契約する。
契約の内容によって使える三大魔法のそれぞれの数、威力、効果が変わる。
・三大魔法はそれぞれの歪みから出るエネルギーを使って、魔法を維持しようとする。
「…こんな感じよ。魔法の全てを知ってるわけじゃないからここまでしか説明できないわ」
「タルミ先生ってディアルガに会った事があるんだ!!」
「すげ〜!!ディアルガってどんな感じだった?何されたの?」
「されたって…記憶を読まれたくらいよ。ディアルガ様は…短い間だったからよくわからないけど、パルキア様とギラティナ様の事で悩んでたみたいね」
「記憶を!?なんで?」
「契約するときにそのポケモンが悪いポケモンだったりしたらいけないからそのためよ」
「タルミ先生の住んでた時代ってどんな感じ?」
「えっと、今より戦争や殺戮、争いが絶えなかったわね」
…ここからミルタンクの産まれた時代について箇条書きにします。by作者
・緑の木々は今より少なく、荒れ果て、絶滅した種族もいた。
・古代ポケモンは魔法を使い、技は使えなかった。
・古代ポケモンは属性をその身に一時的に宿し、戦っていた。
・皆が争い、死が絶えなかった。
・身体が今よりも弱く、すぐに怪我をしていた。
・皆が憎しみ、恐れ、怒り等を抱いている。
「こんな世界ではいけないと立ち上がったポケモンの下にその考えに心を動かされたポケモン達が集まり、未来のためにその命を使うと誓いをたて、ディアルガ様、パルキア様、ギラティナ様と契約した。そして皆の体力、寿命、命を使い、新たな次元を作ったの。
この世界から感情のエネルギーを変換して、
属性エネルギーとして保管し、技を使うときはそのエネルギーをこの世界に召喚して自分の使いたい属性に変えて使える。そんな循環機構のある次元をね」
「え〜と…あれがこーなってこれが…う〜ん…?」
あまりよくわかっていないザングース。その様子を見たミルタンクはため息をついて言った。
「簡単に言うとポケモンの精神エネルギーを技の元になるエネルギーに変えて、違う次元で保管し、必要なときだけこの世界に呼び出してつかうの」
「その次元のことをエレメンタルディメンションって言うんだぜ」
「マグマラシ君、何で知ってるの?」
「だってこの前タルミ先生がこっそりクラスの皆に教えてくれただろ?」
「…教えたっけ?」
「教えた!!じゃなきゃ俺達知らねぇし」
「忘れたわ。私のいた時代はこんな感じよ…」
「今も魔法が使えるやついるのか?」
「私のように番をする者を除いたらいないでしょうね。魔法を伝えるものや伝える手段を後の世に残さない、封印すると皆が言ってたしね。あ、そうそう。感情エネルギーがポケモンの中から出て行くことでポケモンは性格が穏やかに、平和を好むようになったわ」
――キーンコーンカーンコーン・・・キーンコーンカーンコーン――
「あらら、話してる間にもう最終下校時刻よ。バイバイ。また明日ね」
「「「タルミ先生、さようなら〜」」」
マグマラシ達が帰っていく後ろで、学校の門が閉まる。