第一章
第三.五話 【裸の付き合い】
サンギシティのポケモンセンターにたどり着いた二人は早速宿泊の手続きを取っていた。
この時代のポケモンセンターはポケモントレーナーや旅をしている人や仕事で世界各国を回っている人への簡易宿泊施設も兼ね備えているため旅をしている人にとっては
ありがたいところなのである。
試行錯誤をしながら受付のお姉さんにあれやこれやと色々教えてもらいながら二人は泊まる部屋を借りようとしたのだが……。

「すみません……一人用の部屋しか空いておりません」
「え……ええ〜……」

一応夕食はラピスのお母さんが作ってくれていた料理を捨てれる容器に入れてラピスが持ってきてくれたためどうにかなるのだが問題は泊まるところが一人用の部屋しか空いていなかったのだ。
理由を聞いたのだがどうやらこの辺りは人が来るということが少ないらしく二人や三人で泊まれる部屋は指で数えるぐらいしかないとのことだ。
時計を見てみるとかなり遅くこのままだと野宿ということになる。

「仕方ないな。じゃあそこに二人泊まることで」
「ええええ!?」
「わかりました。お布団のほうは二人分手配しておきます」

強引にラズリが決めてしまったがこのままだと野宿になりそうだったためラピスは仕方なく一人用の宿泊部屋まで行く事になった。
一人用の宿泊部屋に二人泊まるためかなり狭く感じられるが贅沢は言ってられなかった。
まずモンスターボールに入った手持ちのポケモン達を回復装置に乗せた。
モンスターボールに入っているピカチュウ達を見るとすやすやと眠っている。どうやら完全に疲れて眠っているようだった。

「まあ寝るのは一緒だな。布団も気をきかしてくれたのか二枚用意してくれたし」
「でも狭い気が……」
「じゃあ我は床で寝る。ラピスはベッドで寝ろ」
「い……いやいやいや、それは駄目ですよ!」

とりあえずこのままだとラズリがベッドではなく床で眠ってしまいそうだったためラピスは一緒に寝ることにした。
一人だけベッドだとさすがに悪いと思い一緒に寝ることになった。

「……風呂どうする?」
「……ラズリも入りますか……?」
「一緒に入るぞ」
(あ……やっぱり……)


そう言うと二人で大浴場へと行き一日の汚れや疲れを落とすことにした。
時間が時間だったため誰もおらずほぼ二人の貸し切りの状態だ。
脱衣所で服を脱ごうとしたのだがラピスは手が止まっている。

(……うぅ……)

出会ってあまり時間は経っていない人と一緒に風呂に入るのには中々抵抗がある。
特にラピスは自分の身体にややコンプレックスを持っていた。
背があまり伸びていないのと身体もそろそろ成長するはずなのだがあまり成長する兆しが見えていないのだ。

「どうした?」
「いえ……何もないで……」

ふと隣で同じように服を脱いでいるラズリを見たのだが背はあまり変わらないのだが女性らしいところは結構あった。
胸とか自分よりも大きくついつい見てしまうほどだ。

「……どこを見ているんだ?」
「な……なななな何でもないです!」
「背中の傷はあまり見ないでくれ。乳とかは見てもいいがだ」

未来でダークポケモンに襲われた時にできた傷。
ラズリは腕や足とかの傷は治っているのだが問題は背中の傷だ。
少しばかり痕が残っているためあまり見せたくはなかった。

背中の傷が未来でどんなことがあったのか物語っている。
やはり大変な事になっているのだろうと改めて実感できたのだ。

「よっと……」
「だ……大胆ですね……」
「まあ女性同士だし恥ずかしがる事はないだろう」

確かに言うことは間違っていないのだがそこまで堂々としているとこちらも困ってしまう。
気が付けばラズリは全部脱いでおりいつでも風呂に入れる状態でラピスを待っていた。

「早くしてくれ……寒いぞ」
「わ……わかりました! わかりましたから……!」

覚悟を決めて服を脱ぎタオルを持ってラピスはラズリと一緒に風呂に入ることにした。
ラズリと比べて凹凸すらない身体である。

(うぅぅぅぅ……スタイルいいなぁ……ラズリはお胸とかちゃんと出ているし腰もしっかりと引き締まっているしお尻も……
それに比べて私はぺったんこ……うぅぅぅぅ……)
「大丈夫か? しんどいのか?」
「何でもないです……」

心配してラズリが近づいてきたが今のラピスは別のことで沈んでいる。

「ラズリって何歳ですか……?」
「私? 私は15歳だ」
「15……私と1歳しか違わない……」
「まあ身体のことは気にするな。いずれ成長するだろ。多分な」
「そ……そう言いますけど……」
「それとあまり言いたくはないが……無いのは気にするなそこはいずれ変化する。我も一部分どうにかなってほしいと思っているところがあるのでな。
一度何とかしてみたが……そのことで他の奴から少し言われたことがある」
「ど……どどどどど! どこのことを言っているんですかーーー!?」

身体を抑えながらラピスの声が風呂場に響いていた。
そして身体を洗い綺麗さっぱりしてから湯舟に入った。
ちょうどいい温度で一日の疲れが程よく取れていく。

「ああ〜……いい湯だ……未来ではこんな風に長く風呂に入れないからな……」
「そうですか……」
「湯気とかで見つかる可能性があるからな。一応水浴びとかそこらへんで済まさないと駄目だった。
さてと……少し泳ぐか」
「だ……だめですよ! お風呂で泳いだらマナー違反ですよ!」
「少しぐらい……」
「駄目ですってば!」

泳ごうとしたラズリの手をラピスは掴もうとしたが湯舟だったため少しばかりバランスを崩してしまい。
ラズリに倒れこんでしまった。
倒れこんでしまいそうになったがラズリにキャッチされ何とかなったのだが……。

「あ……ごめんなさい……」
「いや別にいいがそれより」
「何ですか?」
「手をどけてくれないか?」

ふと見てみるとラピスの手はラズリの胸を思いっきり触ってしまっていた。
不可抗力だったのだがすぐにラピスは謝りラズリから離れた。

「あ……ああああああ! ごめんなさい! 本当にごめんなさい!」
「いや別にいい。気にするな」
(大きかった……柔らかかった……って何を考えているんですか私はーーーっ!)




ある意味騒がしいポケモンセンターでの夜だった。



■筆者メッセージ

次からは別のところに飛ばされてしまったジオの話を書いていきます。
とりあえずまあこれくらいなら書いてもまだ大丈夫だと思いました。
亜白夜 ( 2020/11/14(土) 12:36 )