2 花畑ってよくある気が…
…サブタイトルを考えるのがめんどくさくなっただけですw、サーセン…。 by318
「入るぞ」
ゆっくりと扉を開けるシンとグレード。シンは、二回も激闘の舞台になった城なのに、崩壊しないのが不思議でたまらなかった。静かな城内。全員の足音が反響する。そして、ついに、三度目の奥の扉前に来た。全員いるのを確認すると、一気に扉を開けた。ドカドカと部屋に入った一行は、奥で椅子に座るポケモンを見る。
「ようこそ諸君」
「し……煤I?」
フィン、サン、ジュプトルが叫んだ。フィンとサンもまた、狽ニ戦った一匹だ。しかし、その時は偽物だったが。
「ディンはどこだ?」
ジュプトルが前に出て言う。狽ヘククク……と笑い、指をパチンと鳴らす。すると、後ろから二匹のポケモンが現れた。
「ディン!?」
「リリア!?」
そう。現れたのはディンとリリアだった。二匹は、仲間がいることで、顔をそらしている。
「さらに」
狽ヘパチンと再び鳴らす。すると、今度は上から三体降ってきた。
「リリア00とリリア01とリリア02だ」
(全て私モデル……。……変態ね…もしかしてΣはロリコン!?)
リリアはそう思った。…いや、そこじゃないだろ…
戦闘の構えをするジュプトル達
「いけ、お前達」
「はい、迫l」
リリア00が言うと、三匹は動き出した。すると、何かが狽フ横を通り過ぎ、リリア00とリリア01とリリア02を破壊した。
「な……?」
狽ヘ後ろを見る。そこには、巨大な電撃の弓を持ったディンがいた。
「……悪い。援護しようとしたら手が滑った」
「………」
ディンはそう言うと、弓を消した。狽ヘディンを睨む。
「……なら、次はお前が行け」
「……ふん」
ディンはジャンプしてSTARS一行の前に立つ。
「……ジュプトル、来なよ」
「!?」
シンやフィン達はバッとジュプトルを見る。指名され、前に出る。
「たまには戦ってみようじゃないか」
「ディン……お前……」
ディンは距離を取り、十万ボルトを放った。ジュプトルはそれを避け、更に距離をおく。
「まて!お前とは戦いたくない!」
しかし、ディンは聞く耳ををもたないのか、さらに攻撃してくる。
「く……仕方ない!」
ジュプトルは電光石火を繰り出す。ディンはボルテッカーをする。威力は当然ディンの方が上だ。
「ぐ……」
「……もう終わりか?」
ジュプトルはディンの顔を見る。すると、ディンの目からは一粒の涙がこぼれる。
「ディン……」
「………」
顔をそらすディン。すると、ジュプトルがフッと笑う。
「まだまださ……お前をこっちに戻すまではな!!」
どうやらジュプトルは戦う気になったようだ。
「エナジーボール!」
ジュプトルはエナジーボールを放つ。
それを受け流す応用で、一回転して威力をつけ、ジュプトルに投げ返す。
帰ってきたエナジーボールを避け、リーフブレードを放つ。
これをディンはジャンプしてかわす。
落ちてきたとこをリーフブレードで攻撃するつもりのジュプトル。
だが、ディンは次の攻撃体制に入っていた。
「アイアン……」
アイアンテールの体制だ。
しかし、ただのアイアンテールではなかった。アイアンテールに強力な電撃が覆う。
「ボルテール!!」
ディンのアイアンボルテールがジュプトルの頭に直撃し、ジュプトルは倒れた。
「……これでいいだろ」
「ああ」
新技、アイアンボルテールでジュプトルを倒したあと、リリアの隣に立つ。
「……なぁ、お前はなんで狽フ仲間になったんだ?」
「………昔」
リリアは何かを話し出した。
「私は、かつて2000年前戦で大勝利を納めたという
伝説のイーブイ族である無敗女英雄、オメガレスの生まれ変わりらしいの。
またそのオメガレスが自分の生まれ変わりに対して残した力の在処。
狽ヘこの事を私の仲間にバラされたくなければ俺のとこに来いて……………」
リリアは涙を流しながら震え出す。
「これがバレたらみんな…きっと差別するんじゃないかなって…それで……私……」
「…なるほどな。そいつは違うぞ?」
「……え?」
「……『ライトニングアロー』」
ディンは先ほどの弓、ライトニングアローを出す。
そして、ライトニングアローの狙いをフィンに向けると、フィンがビクッとした。
「俺も昔は、悪の王家の王子だった。ま、俺は悪い事は一切やってないがな……。
そんな血を引いてる……生まれ変わりである俺を、あいつらは差別しなかった。
だから、お前も信じろ。仲間を……な!!」
ディンはニッと笑い、狙いを一気に狽ノ変更して放った。
狽焜Mリギリで気づき、ギリギリでライトニングアローをかわす。
「……どういうつもりだ!」
「……俺はテメェの仲間なんてゴメンだ!俺は……あいつらの仲間なんでね」
「ディン!?」
「ってか、本当に仲間になったと思ってたのか?」
「…思ってた」
「思ってたのかよ!?」
ディンの仲間達(グレード以外)はディンに駆け寄る。もちろん、ジュプトルも。
「悪かったな……みんな」
「ったく……本当に裏切ったのかと思ったぜ」
帰ってきたディンを嬉しそうな表情をするディンの仲間達の顔を見て、リリアは涙を流す。
「仲……間……」
「こうなったら……リリア!お前が行け!!」
しかし、リリアはディン達を見ているだけだった。
「そうよね……私ったら……何やってるんだろ……」
リリアも裏切った事を察した狽ヘ、怒りに燃えた。
「おのれ!!ブラストバーン!!」
自ら攻撃する煤B
「ライトニングアロー!!」
喜びの顔からから一気に戦いの顔になったディンは、瞬時にライトニングアローを放つ。
電撃の矢はブラストバーンを突き抜けていく。
「あまいわ!」
狽ェ激しく腕を振ると、矢が消えた。そして、次の瞬間、何かがディンの胸を貫いた。
「な……に……」
「ディン!?」
貫いたのは、ディンが今放ったライトニングアローだった。
仲間が叫ぶ中、ディンは倒れ、息絶えてしまった。
「イヤァァァァ!!ディン!!」
死んでしまったディンに涙を流し、叫ぶ♀達。
フィンが必死に心臓マッサージをするが、全く反応無しだった。
「テメェェ!!許さねぇ!!」
シンやサン、ミミが狽ノ突っ込む。フィンは諦めきれず、一生懸命心臓マッサージをする。
そして、全員が一生懸命な中、ディンは……
「ここは……」
ディンはきれいな花畑にいた。近くには長い川が流れている。
「そうか……俺は跳ね返されたライトニングアローを受けて……」
…ちょっと待てよ、どこかの法則に
主人公が死んだら小説は終了って…
…この状況、かなりまずくないか…? …………まぁ、何とかなると思うけど…」
「まぁ、なんとか なるんですけどね…これ、小説ですし(笑)。
いやいや、それを言っちゃダメだろ!? ってのは置いといて…
どこからか声がした。辺りを見回すが誰もいない。
「誰だ?」
「私は魂だけの存在。姿を見ることができません。できるとしても、これが私の精一杯です」
ディンの目の前に、光の球体が現れた。
「ふ……ん」
「あなたにはまだ、やるべきことがあります。ここで死んではいけません」
「しかし……どうやって生き返れば?」
もっともな意見を言う。
「私の力を使います。それと同時に、あなたの隠された能力を引き出してください」
球体の言葉に驚く。
「お……俺にはまだ能力があるのか!?」
「はい。では、目を閉じてください。そして、力を体外に出すような感じにしてください」
ディンは言われた通りに目を閉じた。すると、ディンの体が光り、花畑から消えた。
一方、現世では……
「はぁ……はぁ……」
フィンも戦いに加わり、狽攻撃するが、全然ダメージを与えられず、自分達がダメージ受けるばかりだった。あの実力の高いジュプトル、シン、リリアでさえ。
「くそぉ……つえぇ……」
「以前より強くなってる……」
膝をつきながら言うシンとリリア。
「とどめだ」
狽ェとどめのブラストバーンを放とうとした時、ディンが力強く光り出した。
「なんだ!?」
「ディン!?」
全員がディンを見る。ディンはゆっくりと起き上がってる。
「俺は……お前を倒す!!」
力強い青い光を放ちながら完全に立ち上がり、狽睨みつける。左胸にはライトニングアローが貫いた跡がある。
「倒すだと?少し変わったからといって勝つ気か?」
狽ヘ笑う。すると、ディンはバカでかい電撃の弓を出す。しかも、電撃の色が普通の色ではなく、青色をしている。
「ライジング……スパイラル!」
普通に放ったはずだが、弓が回転しながら狽ノ向かう。
「ちっ!」
狽ヘ避けた。睨みつけながら近づくディン。
「な……なんだ!それは!?」
「ライジン(雷神)モード……」
ディンがそう言う。フィン達はポカンとし、そのまま気を失った。
「みんな……」
ディンは気を失ったフィン達を端の方に移動させて寝かせる。この時、一匹だけ気絶しているフリをしているが。
「待たせたな」
「ふん……多少はできるようだな……。だが、私には勝てんわぁ!!」
狽ヘドラゴンクローーを使ってきた。ディンはそれを左手でつかんでかわし、そのまま青い電撃を帯びた右手で狽フ腹にパンチした。
「ぐはぁ!?」
ヨロヨロとする煤B
「負けん……負けるかぁ!!」
口を大きく開け、ブラストバーンのパワーを溜める。ディンも右腕に電撃のパワーを溜め始めた。
「いくぞ!ブラストバーン!!」
「ライジングストーム!」
今までとは比べものにならないブラストバーンと、電撃の竜巻がぶつかり合う。
そして、大爆発が起き、砂煙が周りを覆う。少しずつ晴れていくと、すでに狽フ姿はなかった。
「次に会った時は覚悟しておけ!神の姿になってお前達を倒す!」
狽フ声がしたが、姿はない……つまり、逃げたのだ。
「逃げたか……」
ライジンモードから普通に戻る。
「ディ……ン?」
なんと、サンが起き始めた。みんなはまだ気絶しているのに、サンだけが起きた。
「お前……なぜ……」
「わからない……なんか、あまりダメージ受けなくて……」
「……とりあえず、基地に戻ろう。話しはそれからだ」
ディンは持っていたワープ玉を使い、基地に移動した。
基地に帰ってきたディンは、全員をベッドに寝かし、自分は壁に寄りかかって一息つく。
「……久しぶりだなぁ……」
「逃げてる間はどこで寝てたの?」
「まぁ……木の上とか木の上とか木の上とかだな」
全部木の上で寝てたらしい。相当寝づらかっただろう。サンが苦笑いすると、やがて全員目を覚ました。
「起きたか」
「う……ん、狽ヘ?」
「逃げたさ」
ホッとする一行。そして、フィンとミミが涙を流した。
「ディ〜ン!」
泣きながら抱きつくフィンとミミ。サンはムッとした表情で見ている。
「もう……帰ってこないかと……」
「……心配かけたな」
「……あたしは帰るわね」
リリアがそう言うと、基地を出て行った。ジュプトルも、やがて基地の外で待機し始めた。
「サン、お前に一つ言っておく」
「え?」
ディンがサンに向かって言う。それは、サンにとっては嬉しい事だった。
「お前は自分に隠された能力が開花されようとしている」
「………ええ!?」
ディン以外全員が同時に叫んだ。サンはディンに接近する。
「ど、どんな!!」
「俺にはわからない。だけど、何かがきっかけで目覚めるだろ」
その言葉でサンはディンから離れ、嬉しそうな表情をする。
「お前もだ、フィン。お前はサンほど開花されようとしてないが、芽生えつつある」
「わ……私も……?」
顔を赤くし、照れ始めた。ただ、納得してないのはミミだった。ミミは、フィンとサンを拳を握りしめながら睨みつけた。