10 ディンの過去話?興味ねぇ…ん…?
話の前に改めて説明をします。(今更!?って思うと思いますが…まぁ、見てくださいw)
って言っても、【
場所:??? 】ってやつの説明なんですけど…。
+−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
|場所 →これは、場所…大げさに言うなら"舞台"がどこか、を表しています。
|過去話 →そのまんま、です。表記がないときは現在進行です。
|side →これは…中心人物変更の時に使用します。表記がないときはディン中心で物語が進みます。
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と、この話、正確には【10日目〜11日目の朝5時まで】あります(笑)
…お待たせしました。説明は以上です。 by318
場所:ギルドB2F「それじゃあ、頑張ってください。」
「かならず勝つ…」
「待っててね」
「「「 いってらっしゃーい! 」」」
ディンとフィンは、水晶の洞窟へ向かった。
(情景描写がない?…そのとうりだと思う…まぁ、前回の続きってことで(汗) by318)
場所:水晶の洞窟ディン達は水晶の洞窟に入った。
水晶の洞窟と言うだけの事はあって、キラキラと光る水晶が綺麗だった。
しかし、ゆっくりと見ている時間もなく、急いで最深部に向かう。
「ゆっくり見たかったなぁ………」
「我慢しろ、こんど見にくればいいじゃないか」
敵もディンが蹴散らしていき、最深部に着いた。
そこは、大きい水晶が三つあり、それぞれ違う色をしていた。
「わぁ、綺麗!」
「行き止まりか………」
フィンがあまりの綺麗さに、水晶に触れた。すると、水晶の色が変わった。
「え!?…なにこれ……」
「不思議な水晶だな……」
何となくディンも水晶に触れると、また時空の叫びが発動した。
今度は映像付きで、人間とジュプトルがいた。
しかも、この場所にいて、水晶の話をしていた。
「……ディン?」
ディンは、無言で水晶を触っていき、全てを青色の水晶にした。
すると、水晶が光り出し、真ん中からさらに大きい水晶が現れた。
「………行くぞ」
「……うん」
フィンはすぐにわかった。また時空の叫びが発動してわかったんだな……と。
その後、いつもと同じで、ディンが片付けながら行く。
フィンは影ながらディンに近づく敵を倒していく。
そして………
場所:水晶の洞窟 最深部「ここか……間違いねぇな」
「ディン!あそこ!」
奥にジュプトルがいた。…ジュプトルの目の前には傷だらけのポケモン、アグノムだった。
すぐさま、ジュプトルの前に走り出す。
「フィン、アグノムを見ててくれ」
「うん」
フィンはアグノムを看病し、ディンはジュプトルを睨む。
「……よぉ」
「また懲りずに来たのか?」
「うるせぇ」
「ディン!アグノムは大丈夫だよ」
ジュプトルはフィンから発せられたディンの名前を聞き、青ざめた。
「お前……ディンって名前なのか……?」
「俺を知ってるのか?」
ディンはジュプトルに聞き出す。少し、期待したような目だ。
「……いや、俺が知ってるディンは人間だ」
「なに!?」「え!?」
ディンとフィンは驚いた。
まさか、人間のディンを知ってるポケモンがいるなんて思わなかった。
「このディンは人間だったんだよ!そっかぁ………私、ディンの本当の名前を言い当てたんだ」
「なに……まさか……本当にディンか?」
……ああ……」
「じゃあ、覚えてるか?俺達の使命を」
「使命……」
その時、ディンの頭に全ての記憶が戻った。何とも都合がいい記憶である。
「そっか……俺は……」
ディンは過去を語り出した。
場所:学校 & 過去話まだ人間だったディンは、高校3年生だった。
この世界にはポケモンはいなく、いたとしてもゲームやアニメの話だった。
「よし!」
ディンは卓球部に入っており、部の中では一番強く、全国ベスト4まで行くほどだった。そして今も、次の関東大会に向けて練習中。
「だあ!11 vs 0かよ!全然勝負にならねぇぞ?」
さすがにベスト4まで行くと、他校からの乗り込みで勝負を仕掛けてくる。
しかし、まったく勝負ならず、退屈していた。
「なんか面白い事起きねぇかな………」
ディンは毎日そんな事を考えていた。
ある日の夕方、ディンは部が休みで本屋で立ち読みしてから帰宅した。
真っ直ぐ自分の部屋に行き、机を見ると一通の手紙が置いてあった。
「……なんだ?」
手紙の封を開け、中を見ると、何問かのアンケート用紙が入っていた。
「アンケート用紙?なんのだろ……」
疑問に思いながらも、暇だったディンはやることにした。
次々と答えていき、最後の質問に首を傾げた。
「あなたは世界を救うとしたら救えますか?わけわかんね」
とりあえず、『はい』に印をつけ、アンケート用紙書かれてあった通りに机の引き出しに入れた。
「よし、POKENOVELでも見るか」
POKENOVEL…WEB上で見ることができる、…まぁ、ポケモン小説投稿サイトってやつだ。
(………今日はどの小説も更新されてないのか………暇だし、もう寝るか…)
ディンはいつも普段着で寝ていた。黒いGパンと水色のTシャツと青の半袖の上着。
その状態でベッドに入り、眠りについた。
「……眠れねぇ……」
気がつけばもう2時をまわっていた。その時、足が熱く感じた。
布団をめくり、足を見ると、足が光っていた。
「な、なんだ!?」
その光は、上へと上っていき、ついに体全体が光っていた。
「ちょ、なんだよこの光!」
その光は、凄い光を発し、ディンは思わず目をつぶった。
場所:暗黒の世界 & 過去話光が消え、ディンが恐る恐る目を開けると、すごく驚いた。
そこはディンの部屋のベッドの上じゃなく、岩などが空中で止まってたり、
太陽もなければ風も吹かない暗黒の世界だった。
「な……どこなんだよ!ここは!」
ディンは大声で叫んだ。その時、後ろからディンに近づく足音がした。
「誰だ!」
声を掛けられ、ゆっくりと振り向くと、そこにはジュプトルがいた。
ディンにとって、ジュプトルはアニメやゲームなどに出てくるポケモンだった。
よって、驚きを隠せないでいる。
「お前……人間だな?人間がなぜこの世界にいる!」
「ど……どういう意味だ?」
ディンはジュプトルに問いかける。
「この世界はポケモンだけの世界。人間など一人もいないはずだが………」
「俺だって知らねえよ。いつの間にかこの世界に来てたんだからな」
「そうか……じゃ、早く帰るんだな」
ジュプトルは再び歩き出し、この場から去ろうとした。
「まて!」
ジュプトルを止めようと、頭の葉を掴むディン。
「離せ!」
「帰り方がわからねぇんだよ!」
ジュプトルはこの言葉を聞き、深いため息をついた。
「……ついて来い。旅をしてればいずれ帰れるだろ」
「……サンキュ」
ディンはジュプトル後をついて行った。
「お前はどうやってこの世界に来たんだ?」
ジュプトルが問いかけるが、ディンにさえわからない。
『突然体が光って、気がついたらこの世界にいた……』
なんて言っても答えが出るはずがない。とりあえず、あった事を話した。
「……不思議だな。まるで、お前は使命を背負ったかのようだ」
使命に疑問を思ったディン。
(まさか……あのアンケート用紙か……?)
ふと、夕方のアンケート用紙を思い出した。
あれには、ポケモンの事も書いてあったし、最後の世界を救えますか?もあった。
他には、時間は大切だと思いますか?や、仲間を信じられますか?もあった。
まさか……と、ディンは思った。
「……お前は、なんで旅をしてんだ?」
「……時間を動かして、未来を変えるためだ」
(やっぱり……)
ディンは、確信した。あのアンケート用紙は…この世界を救えるかのテストだったのだ。
ディンは、見事にそのテストに合格した。軽く苦笑いをすると、新たなる疑問が頭に浮かんだ。
「ん……未来を変えるって……変えたらこの世界にいるお前は……」
「………ああ、消える」
ジュプトルは、あっさりと答えた。
その瞳は、本気の目で、命を変えてもやり遂げるという目だった。
「そうか……なら、手伝ってやるよ」
「……は?」
ジュプトルは、ポカンとした。
「過去に行って変えるんだぞ?そしたら、お前は人間の世界に帰れるという保証はないぞ」
「いいんだ。人間の世界にも飽きてたし、面白そうだしな」
ニヤリとしながら答えるディンに、ジュプトルは、思わず吹いた。
「フ……面白いか……なら、やってもらおうか。よろしくな、相棒」
「おう」
ディンとジュプトルは誓いを立て、時の歯車を探しに出た。
…んで、現在に至る
場所:水晶の洞窟 最深部 & ※過去話終了「………と、いうわけ」
「それじゃ……ディンは、別世界の人間だったんだ……」
ディンは、ジュプトルと出会った時の事を話し終えた。
そして、目的は時の歯車をある場所に収める事。ある場所とは………
「幻の大地」
「ヨノワール!」
ヨノワールがニヤついた表情で現れた。ディンとジュプトルは、バトル体制に入った。
「え?え?何してるの?」
なんでバトル体制をしているのかわからないフィン。
「……あいつはな、未来を変えさせないために送り込まれた刺客だ」
フィンは驚いた。まさか、ディンやジュプトルの他にも未来から来たポケモンがいたとは。
「未来は変えさせない」
「絶対に変える!俺の記憶も戻ったしな」
相変わらず、ヨノワールはニヤついている。
「ならば、未来に帰すまで!」
突然、目の前にブラックホールみたいなのが現れた。
「な!?」
ディンとジュプトルは離れようとしたが遅かった。あっという間に二人は吸い込まれた。
「ディン!」
もはや、ディンだけを心配したかのように叫んだフィン。
ヨノワールは、ゆっくりとフィンに近づく。
「これを知ったからにはお前も来るんだ」
「きゃ!?」
そう言うと、フィンを突き押し、吸い込ませた。
そして、ヨノワールも入ると、それは完全に消えた。
side:ミミ&サン「あわわ……」
「大変だ………」
こっそり後をつけ、全てを見て聞いていたサンとミミ。慌ててギルドへと戻った。
「……と、いうわけなの!」
サンとミミは、慌ててギルドの仲間に説明した。
しかし、一生懸命説明するも、疑いの眼差しで見られてしまっている。
「お前らバカか?ヨノワールさんがそんなポケモンなわけないだろ!」
ドゴームが大声で否定する。これには、ギルド内全員が耳を塞ぐ。
「耳……いた……」
ミミが耳を抑えてつぶやく。
「と……とにかく、嘘を言っている様には見えないな」
「まさか……本当に……」
「だから言ってるでしょ!」
どうやら、信じてもらえたようだ。
その頃、ディン達は……
場所:??? & side:ディン&フィン&ジュプトル「……う……え?」
ディンが気づき、現状をすぐに把握した。薄暗い広い部屋で縛られていた。
フィンとジュプトルも横で縛られている。
「起きろ!二人共!」
ディンの大声で目を覚ます二匹。
「なにこれ!」
「ち……やられた」
すぐに現状を把握し、フィンは暴れる。暴れても状況が変わらないが、暴れてしまう。
「目を覚ましたか」
ニヤついた表情で扉からヨノワールとヤミラミが入ってきた。
「これより、死刑を始める」
「な………」
「嘘でしょ……ヨノワールさん……」
嘘ではない!と言うような表情でフィンを見るヨノワール。
「いいか、よく聞け」
ジュプトルが凄く小さい小声で話しかけてきた。
「え?」
「奴らが死刑で使う技は恐らく『乱れ引っかき』。それがチャンスだ」
ディンとフィンはポカンとするが、ディンはすぐに理解した。
「なるほどな……」
「どういう意味?」
フィンが少し慌てて聞く。作戦はこうだ。
ヤミラミ達が乱れ引っかきをすれば、必ず縛っているロープを傷つける。
亀裂がはいったらすかさず攻撃する、という作戦だった。
ディンが小声で説明し、フィンもようやく理解した。
「いいか?タイミングを間違えるなよ」
「も、もし『乱れ引っかき』を使ってこなかったら?」
「そん時は…俺らの人生は…おわりだ…」
ディンとフィンは死を覚悟したように頷く。そして、ヤミラミ達が爪を構え始めた。
「死刑、開始!」
ヨノワールの一言でヤミラミ達が一斉にディンに乱れ引っかきを繰り出した。
かなり苦しいが、我慢するしかなかった。
しかし、もしロープに亀裂が入らなければ、ディン達は間違いなく死ぬ。
「う……」
「く……」
さすがに、ディンやジュプトルにもダメージが効いてきた。
三匹は、苦しみの声を上げる。その声を聞いて、さらににやけるヨノワール。
「……あ!」
分厚く縛られたロープに、見事亀裂が入った。
「今だ!」
ジュプトルの掛け声で三匹は一斉に攻撃した。
ロープが完全に切れて、ディン達は着地し、ヤミラミ達は吹っ飛ぶ。
「なに!?」
ヨノワールは驚いた。その隙を突いてディンはブースターに変身し、煙幕をはった。
「む……」
煙幕が晴れた時には、すでにディン達三匹の姿はなかった。
「……逃げたか」
その頃三匹は、長い廊下を全力疾走していた。
ディンとジュプトルは楽そうに走ってるが、フィンは苦しそうだ。
「ちょ……もう……」
「頑張るんだ!フィン!」
「もう少しで出口だぞ……」
フィンは苦しいながらも頑張って走った。
そして、ついに建物から外に脱出し、フィンはすぐさま凍り付いた。
外は岩が空中で停止しており、太陽もなく、暗い暗黒の世界だった。
フィンは始めてみる世界に言葉を失っていた。
「さて……またあいつに頼むか?」
「まあな、あいつしかいないことだしな」
ディンとジュプトルが歩き出すと、フィンが呼び止めた。
「ねぇ、ここはどこなの?なんで岩が空中で停止してるの?」
「……フィン、ここは未来なんだ」
フィンはさらに驚く。なぜ、未来がこんな時が止まってるみたいなんだろうと思った。
「今は星の停止が起きてるんだ」
「星の……停止?」
よくわからないフィンは、頭に?がいくつか浮かんでいた。
「星の時間が停止してんだよ。朝が絶対来ない暗黒の世界」
「我々はこの世界にさせないために過去へ行ったのだ」
「………」
フィンはしょんぼりしていた。無理もないだろう。
「どうすれば……いいの……?」
「時の歯車を五つ、ある場所に収めれば大丈夫だ」
「今も持ってるか?」
ジュプトルが懐を探し出した。しかし……
「ない……」
「な……」
「吸い込まれるとき落としたか!くそ!」
ジュプトルが申し訳なさそうに下を向く。その時、ディンが前に出た。
「じゃあ、急ごうぜ!」
軽く親指を立て、遠回しに手伝うと言っていた。
「あ……ああ」
「行くぞ、フィン」
「うん……」
そして、三匹はまた走り出した。
ディンとジュプトルが戦闘を走り、フィンが必死に後ろを着いていく。
完全にフィンの息が上がると、ディンが止まる。
「大丈夫か?フィン」
「う……うん……なんとか……」
ハアハアと息を整えようとしてもなかなかならない。すると、ディンがため息をつく。
「ジュプトル、先に行って様子を見てきてくれ。すぐ後を追うから」
「わかった。すぐ来いよ」
ジュプトルがそう言うと、洞窟に入っていった。
ディンはフィンに振り向き、オレンの実を食べさせる。
「少し速かったか?」
「うん……二人とも速いよ……なのに息一つ切らしてないし……」
確かに息を切らしてない。あの広間から約30キロは走ったはずなのに。
それに、汗もかいていない。
「まあ……軽くしか走ってないしな」
「軽く……っ!?」
フィンは絶句した。時速約70キロは出してたのに、軽くと簡単に言った。
「まぁ、『電光石火』を使っていたから、ってのもあるが…。」
フィンはしゅんそくの種を使っていたから何とか着いていけたのだ。
正直、フィンは苦笑いするしかなかった。その時、ジュプトルの悲鳴がした。
「え!?」
「まさか……」
一気にフィンを担ぎ上げ、走り出すディン。
本気で走ってたため、もの凄い風で、なかなか息ができなかった。
そして、あっという間に着いた。
…そこには、半うつ伏せでいるジュプトルがいるだけだった。
「ジュプトル?」
「気をつけろ……」
「!?」
いきなり、横から悪の波動が放たれてきた。
ジュプトルの中からオーラ?が出て、近くにあった大きい石と一つになって…
……ミカルゲとなった。
「テメェか……ジュプトルをやったのは……」
「そうだ……コイツは我の領域を犯したのだ……あたりま……」
ミカルゲが言いかけのとこでディンの尋常じゃない十万ボルトが襲った。
さすがにミカルゲは耐えきれず倒れた。
「あたりま……なんだって?」
しかし、ミカルゲは気絶しているため聞いていない。
「……ったく。大丈夫か?ジュプトル」
「ああ……しかし、かなり腕を上げたな」
正直、ジュプトルは驚いてた。まさか、あれからここまで強くなるなんて……と思っていた。
「さすがというか何というか……」
「ん?」
「何でも」
オレンの実を食べながらジュプトルは立ち上がり、苦笑いの表情をする。
フィンも小笑いしてしまう。
「とりあえず行くか」
「ああ」
(大事なパートナーがあんなになってんのに見てられねぇよ……)
三匹は再び歩き出し、洞窟を抜けていく。
なぜ歩くかは、フィンが着いていけないからだ。
ディンが背に乗せていくと言っていたが、自分の足で行くと言うからだった。
「まったく……」
ディンは完全に走りたかった。しかし、ゆっくり歩くのは悪くなかった。
それは、時の歯車をある場所にはめたらを思ってこそだった。
「ついた……」
暗い暗い森の奥。ディン達は目的地にいた。
ジュプトルは大声で誰かを呼ぶと、誰か……ピンクと白色したセレビィが現れた。
「ジュプトル……あなた、過去に行ってたんじゃ……」
「いろいろあってな……」
ジュプトルは苦笑いしながらそう答えた。後でもディンが苦笑いをしている。
「失敗したのね……ところで、後ろの二匹は?」
もちろん、ディンとフィンの事だ。セレビィはジロジロと見てくる。特にフィンを。
「セレビィ……俺だ。ディンだ」
「え?」
セレビィは後退りした。何を言ってるのかしら……このポケモン……みたいな表情で。
「そんな目で見るな」(汗)
「セレビィ、こいつは本物のディンだ」
ジュプトルがフォローした。すると、セレビィがディンを集中的に見る。
「あなた……本当に……?」
「……ああ」
フィンは完全にカヤ外だった。ポカンとした表情でやりとりを見ている。
「何でポケモンに……?」
「こっちが聞きてぇよ……」
頭をポリポリしながら言うと、セレビィがクスッと笑う。
「セレビィ……悪いんだが……」
「わかってるわ、行きたいのね」
「ああ」
ディンとジュプトルとセレビィは、歩き出した。
フィンは、どこに行くかわからないのでただ、着いていくしかなかった。
「んで…どこまで行くの……?」
息を切らせながら一生懸命ついて行く三匹……。
「山の頂上……」
「……にしても、ディンは足が速すぎる……」
「遅いぞ、お前ら!」
スタスタと前を進むディンは、振り向いて叫ぶ。
ディンの速さには誰も追いつけない。ついて行くだけで精一杯で、汗だく状態でいた。
「ディン……スピード落とせ……」
「早くしなきゃヨノワールが来るだろ。見てみろ、もう頂上だぜ」
いつの間にか、頂上に着いていた。
目の前には、祭壇みたいな場所があり、そこにセレビィがヨロヨロと向かっていく。
「じゃあ……時空ホールを……開くわ………はぁ…はぁ…」
そう言うと、セレビィの目の前に青白い穴が現れた。
「さぁ、早k」「まて!」
四匹が振り返ると、そこにはヨノワールがいた。
「ち……もう来たか」
「過去に行こうとしているらしいがそうはさせん。ディアルガ様が直々にいらしている」
「な………」
「闇のディアルガが……」
祭壇のそばにある崖の上にディアルガが現れた。
しかし、普通のディアルガと違い、闇の力を感じた。
「なにあれ……」
もちろん、闇のディアルガを知らないフィンは、怖がっている。
「グガアアアア!」
闇のディアルガが叫んだ。ビリビリと力を感じたのは、フィン、ジュプトル、セレビィだ。
ディンは睨んだ表情でディアルガを見ている。
そして、すかさず十万ボルトを分散させ、敵全員に浴びせる。
「行くぞ!」
「あ……ああ!」
全員走り出すが、ヨノワールにセレビィが捕まってしまった。
「セ……」
「私の事はいいから……早く行って!」
フィンが助けようとするが、ディンが止めて、自分が前に出る。
しかし、ジュプトルに引っ張られて時空ホールに入ってしまった。
「何すんだ!ジュプトル!」
ディン達は過去、つまり現代へ帰ってきた。
場所:海岸着いたのは海岸で、三匹同時に気がついた。
そして、セレビィを置き去りにしたことをディンはジュプトルに怒鳴りつける。
「今頃……セレビィは……」
涙を流しながら拳を握りしめる。
「……だからこそだ」
「は?」
「だからこそ、俺達は未来を救わなきゃならない」
ジュプトルの真剣な顔に、ディンは、確かに……と思った。
「だが……あの時、助けていれば……」
「いや、セレビィは俺達だけを行かせたかったんだ。」
「………」
ようやく、心を落ち着かせたディンは、無事でいてくれ……と、強く思った。
「……ギルドに戻る……?」
「……いや、今頃、俺達がいなくなった事に気がついて大騒ぎだろう。
それに、ジュプトルはこの世界じゃ、犯罪者だしな……」
「………」
「なら、いい所あるからついて来て。トレジャータウンの先にあるから」
「?」
ディンとジュプトルが顔を見合わせ、フィンについて行く事にした。
見つからないようにトレジャータウンを通り抜け、着いたのは崖…だった。
「ここはね、サメハダ岩って言われてるの。崖がサメハダーの形に似てるから」
「ふ〜ん。で?ここで何を?」
「ちょっと待ってて……」
フィンが近くにある葉が沢山あるとこへ行き、一気にどかした。
すると、そこから階段が現れた。
「な……」
「さ、降りよう」
降りた先は、なかなか快適そうな場所だった。
お金持ちの家にありそうな、大きな岩でできた水槽みたいのと、
キバの形をした岩の先には海が広がっていた。
「さて……これからどうするか……」
三匹が床に座り込み、この先を考え出す。
ジュプトルは、時の歯車をまた集めると言い出し…
フィンがついて行くと言ったが、ディンが引き止め、ここはジュプトルに任せようと言った。
ニッと笑い、任せとけ!と言うジュプトルに、フィンは安心して任せる事にした。
「とにかく、出発は明日だ。今日は寝よう……」
ディンがそう言うと、ジュプトルとフィンは頷いた。
人数分のベッド(ワラ)を用意し、それぞれに寝転がり、眠った。
そして、まだ日が昇っていない早朝………
「……フィン?」
ジュプトルが目を覚ました。
別のベッドではディンがグッスリと眠っているが、フィンの姿だけなかった。
上から物音がして、ジュプトルが階段を上ると、フィンが崖の先を見ていた。
「……フィン」
「……ジュプトル……」
ゆっくりと振り返るフィンは、少しだが涙目なっていた。
その涙に、ジュプトルは首を傾げる。
「……どうした?涙を流して……」
「考え事をしてて……」
「考え事?」
「時の歯車をある場所にはめて……
そうしたら、ディンやジュプトルとお別れなのかな……と思って……」
その言葉に反応したのか、また涙が流れた。
ディンはもちろん、ジュプトルはいいポケモンだと知り、
仲間だと思い始めたフィンは、別れたくない、いつまでも………
みんなと一緒にいたいと思っていた。
「……見ろ、フィン」
「………え?」
フィンが振り返ると、そこには、太陽が出始めていた。
「きれい……」
「先の事は気にするな。俺に考えがある。これがもし、成功すれば、俺達はまた会える」
「ディン……は?」
そう。ディンは、人間、しかも別の世界のため、また会えるのは非常に難しい。しかし、これを言うと、フィンはまた泣くだろうと思ったジュプトルは……
「……大丈夫だ。アイツもなんとかするだろう。アイツを信じろ」
「……うん」
「さ、もう少し寝よう。お前はあまり寝てないのだろう?」
二匹は下に降りて、またベッドで眠りについた。