7 未開の地の秘密とは?
場所:ギルドB2F目を覚ましたSTARSは、朝礼に向かった。
ドゴームがしばらく落ち込んでるのはいつもどうり(笑)
「…というわけでこれから遠征に向かう!準備はいいか?」
「おお〜!」
弟子全員が気合いを見せる。
「では、班を発表する。」
「班?」
「ああ。大人数で行ってもあれだからな」
「きゃー!楽しみですわー!」
「きゃー」が口癖のキマワリは元気がいい。
「こんな感じだ、間違えるんじゃないぞ?」
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| A班:プクリン(親方)・ペラップ(副親方)
| B班:ドゴーム・キマワリ・ダグトリオ・ディグタ
| C班:ヘイガニ・グレッグル・チリーン
| D班:ディン・フィン・ビッパ
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「よろしくでゲス」
「よろしくね、ビッパ」
「あぁ、よろしく」
周りは、班ごとに盛り上がっている。
「親方様は私と一緒に…」
「えー!ペラップと一緒なの?つまんな〜い」
「"だだ"をこねないでください!これも作戦なんですよ?」
「…ケチ」
親方様、まるで子供である。まぁ、バトルはめっちゃ強いんだが…。
「それでは行くぞ!」
「おおー!」
全員元気にギルドを出た。
場所:沿岸の岩場 前ディン・フィン・ビッパは、沿岸の岩場の前に来ていた。
「えっと…ここを通って行けばいいんだよね?」
「そうでゲスよ」
「さっさと行こうぜ?」
しかし、フィンは進もうとしない。むしろ迷っている。
「行きたいのは山々なんだけど…入り口が二つあって…」
確かに、道が左右に分かれている。
「あのな…こういう時は…」
「どうするの?」
どこからか、木の枝を取り出すディン。
「…まさか…」
木の枝をポーンと上に投げ、枝の先が左に向いた。
「よし!こっちだ!」
「え〜〜〜…」
ズンズン進むディンを見て、フィンとビッパがため息をつく。
「いいんでゲスか?あれ…」
「…私に言われても…」
確率は二分の一だから、ディンに着いていく二匹。
進んでいくにつれ、左が正解だということが判明した。
「あんなので当たるなんて…」
「なんか納得いかないでゲス…」
「合ってりゃいいんだよ!」
歩いていると、突然ディンの足場が崩れた。
「おわっ!?」
「ディン!?」
フィンが『つるのむち』でディンを掴む。
「…助かった…」
「もう…」
しかし、フィン達の足場も崩れた。
「きゃあ!?」
「ゲス!?」
ディンはとっさに岩場にしがみつき、フィンは、つるのむちが解けたからディンの尻尾に、ビッパは、フィンにしがみつく。
「痛い痛い!千切れる千切れる!ギャアアアアアア!」
「我慢して!早く登ってよ…高いのいや…」
ディンは、一生懸命崖を登る。登りきったのは三十分後だ。
「はぁはぁ…クソ…千切れるかと思った…」
「怖かった…」
「危なかったでゲス…」
ディンが尻尾を撫でていて、フィンは、涙ぐんでいる。ビッパは、グテッとしている。
「あーもう!」
「無事に行けるのかな…」
その後、ディン達がペラップに再開したのは次の日だった。
場所:交差点その頃、サンとミミは…
「ヒマ…」
「そうね…」
ヒマしていた。(笑)
「…いつかの決着つける。」
「いいわよ」
そのいつかは、以前、ディンとサンが入れ替わった時に言い争っていた時である。
二匹は、海岸で決着をつける事にした。
(どうしてこうなった あああああぁぁぁぁぁ..... by318)
場所:キャンプ場「遅いぞ!お前ら」
ディン達がようやくペラップ達と合流した。
「いやぁ…色々あって…」
「どんなことだ?」
「足場が崩れて海に落ちそうになったり…」
「橋が崩れて奈落の底に落ちそうになったり…」
「途中の茨の道でカビゴンに食べられそうになったでゲス」
どれも痛そうな話である。
「…まぁいい。これから話をするからついてこい」
三匹は行こうとするが、ディンの足が止まった。
(なんだ?この感じ…俺…この場所知ってる?)
「ディン?どうしたの?」
ボーっとしているディンにフィンが話しかける。
「あ、いや…なんでも」
「そう?」
「コラー!さっさと来い!」
来ないディンとフィンにペラップが叫ぶ。
「早く行こ」
二匹は走り出した。
「え〜…これから未開の地に行く。何かわかった事があったら私か親方様に伝えるように!」
「ペラップ達は何やってんだ?」
「私と親方様は…ここでみんなの答えを待つ」
ドゴームの質問に、ペラップは目をそらして答えた。
当然、弟子からブーイングがくる。
「うるさい!全員で出たらベースキャンプが襲われるかもしれないだろ!」
「あ…」
「はぁ…早く行ってこい!」
ブツブツ言いながら出発する弟子達。
「早く行こ!私達が一番に見つけようね」
目を輝かせるフィン。
「以前、私達が発見したと思ってたダンジョンが先にプクリンが見つけられていたし…今度こそは…」
「燃えてんなー」
しばらくしたあとにSTARSも出発した。
場所:海岸「シャドーボール!」
「冷凍ビーム!」
まだ戦っていた。それも一晩中…いや、二日間。
「さすがね…でも、前の私と思わない事ね!『メガトンキック』!」
「あたしだってそうよ?『アイアンテール』!」
メガトンキックとアイアンテールがぶつかった。しかし、パワーは互角だった。
「はあはあ…なによ…勝負つかないじゃない…」
「また…引き分けか…」
「まぁ…いいわ。絶対負けないから…」
「あたしだって…負けない…」
捨て台詞を言い、バタッと倒れた。
(だから、どうしてこうなった あああああぁぁぁぁぁ..... by318)
場所:濃霧の森1F「…」(怒)
「…う〜ん…」
濃霧の森に入ったディンとフィン。
しかし、入った瞬間、大量のポケモンに囲まれた。
つまり、モンスターハウスに入ったのだ。
「いきなりモンスターハウスって…」
「前もこんな事があった気がするが…どうするか」
「向こうに道があるけど…どうやって行く?」
先に進むための道が、大量のポケモンの先にあった。
「しゃあねぇ…まだ使いたくなかったんだが…」
「どうするの?」
「ふせてろよ?」
「うん?」
フィンは、うつ伏せになった。一回深呼吸してから構える。
大量のポケモンは、一歩一歩ディン達に近づく。
「『十万ボルト』!」
ディンの『十万ボルト』が上に向かって放たれた。
「え?ちょ…どこに放ってるの?」
「見てろって…だぁ!」
なんと、『十万ボルト』が大量のポケモンに向きを変え、さらに分散した。
これにより、ポケモンは一撃で全滅。
「…すごい…」
フィンは、唖然とするしかなかった。
「なんとか成功したか…大量に体力を消費したぞ…」
「大丈夫?」
「ああ…先に進むぞ」
「う、うん…」
二匹は、さらに進む。
場所:濃霧の森4F「…ねぇ?さっきの技なに?」
「ん?ああ…『十万ボルト』を分散させて相手にぶつけたんだ。うまく相手に当たるようにいくつもの電気を操らなきゃいけねぇから…かなり体力を消費する。」
「いつの間にそんな技…」
「昨日の夜思いついた」
なんと、練習もせず、ぶっつけ本番でやったらしい。
「むちゃしないでね?」
「…ああ」
この後、モンスターハウスに入ることもなく、森を抜けた。
場所:濃霧の森 出口濃霧の森を抜けた二匹は、唖然としていた。
辺りは入口以上に霧が濃く、雨も降っている。
「…前が見えねぇな…」
「そだね…」
気をつけながら先に進む。
「気をつけろよ?間違っても何かに頭をぶつけんな…よっ!?」
ゴンッというとても良い音がした。
言った本人が頭をぶつけたんじゃ世話ない。
ディンは、頭を抑えてうずくまっている。
「………………」(痛)
「…大丈夫?」
「何でこんなとこに銅像が…」
そこには、傾いたポケモンの銅像があった。
「これ…なんてポケモン?」
「知るか…」
「ヘイヘーイ!なんか良い音がしたが何かあったのか?」
音につられてヘイガニがやって来た。
「あ、ちょうどいいや。これ、なんてポケモンか知ってるか?」
ポケモンの銅像に指を指す。
「いや…知らないな…」
「ねぇ、見て?」
フィンが何かを見つけた。
「ここに足形文字が…」
「足形文字?なんだそれ?」
「足形文字も知らないのか?この世界の文字だろうよ」
(知るか)
ディンは、そっぽ向いた。
「えっと…読むね?『心臓に熱を与えよ…そうすれば絶境を見れる』?」
全員に?が浮かんだ。
「熱?」
「心臓か…」
ディンが何気に石像に触れると、また例の技が…
「ま…また?」
今度は、風景が見えず、声だけがした。
< そうか!?ここに日照り石をはめるんだ >
< なるほど!さすが俺のパートナーだ >
「今のは…」
ディンは、石像の心臓部分を調べた。
「やっぱり…ここにくぼみがある…」
「ディン?どうしたの?」
「仕掛けはわかった…ただ、熱を発する石が…」
フィンが何かを取り出し、ディンに見せた。
「石?石ってこれのこと?」
それは、赤く光る、熱を発する石だった。
「そ、それだ…どこでそれを?」
「え?森に入る前に拾ったの。きれいだし温かいから…」
「貸せ」
ディンは、フィンの手から日照り石を持ち、石像の心臓にはめた。
すると突然、眩しい光が発せられた。
「うわ!?」
「わっ!?」
「ヘイ!?」
しばらくして、光が収まった。
目を開けると、すごい光景が三匹の目に入った。
「な…」
「これは…」
「ヘ〜イ…」
それは、上にも大地があった。
「すげえ…」
「うん…」
雨だと思ったのは、上から降ってくる水の滴だった。
「おいら、親方に伝えてくるぜ」
そう言ったペラップは、戻っていった。
「う〜ん…これからどうし…」
「ククク…ついて来て正解だったぜ…」
「誰だ!?」
ディンが後ろを向くと、スカタンク率いるドクローズが現れた。
「なんだ…お前等か…」
「何だ?その反応は…」
「だってなぁ…」
「うん…前にディンに敗れたじゃん…」
ディンとフィンは、呆れ顔で言った。
「それは、前の話だ!ククク…覚悟しろよ?」
一歩一歩近づくドクローズに対し、ディン達は構える。
「来るぞ…」
「うん…」
その時…
「まってぇ〜〜〜!セカイイチ〜〜〜!」
転がるセカイイチを追いかけるプクリンが現れた。
「プ…プクリン?」
「な、何やってるの?」
「アハハ〜!セカイイチを落としちゃって」
「どんだけ…」
ため息をつきながら、額に手をやるディン。
「そんな事より、こんな所で油うってちゃダメだよ?早く行って?」
「え?でもコイツ等…」
「ね?」
プクリンの笑顔を恐怖を感じた。
「…行くぞ、フィン」
「う…うん…」
ディンとフィンは、先にあるダンジョンに向かった。
「さてと…セカイイチを食べよう♪」
「…なんか俺達無視されてないか?」
「…」
ドクローズのストレスが上昇中!
「よし!プクリンを倒すぞ!」
「え?」
「でもプクリンって強いっすよ?」
「だから、俺様とドガースで…」
「ケケ!なるほど!」
「さすが兄貴!」
スカタンクとドガースが構える。
「行くぞ…ドガース」
「ケケッ!いつでも」
スカタンクとドガースは、十分なガスを溜める。
「撃てっ!」
場所:熱水の洞窟 前ディンとフィンは、熱水の洞窟の前に来ていた。
「暑いよぉ…」
「水が湯になってやがる…暑いのは当たり前だ」
フィンは、中にはいるのをためらっていた。
その事に感づいてディンは、背中をおす。
「ほら…行くぞ」
「いやあ!暑いのいやあ!」(泣)
場所:図書館その頃、留守番二匹組は…
「何かいい本ないかしら?」
「昔伝説?これ見てみよ」
留守番サボって図書館に来ていた。
「う〜ん…いい本ないわね…」
サンの『シャドーボール』!
「キャア!」
「ちょっと来なさい!」
ミミの『跳び蹴り』!
「いきなり何するのよ!っていうか、図書館なんだから静かにしなさいよ!」
ミミが大声で叫んだ。あんたの方が迷惑である。
「これ見なさいよ」
『跳び蹴り』喰らって効果抜群なのに、サンはピンピンしている。
「何よ?」
「これね、約千年前の本なんだけど…」
「それはまた随分古い本ね…」
「昔、人間に転生したポケモンがいるみたいなの」
「え!?ちょっと貸して!」
ミミは、サンから本を取り上げた。
「え〜と…我々は、世界を救ってくれた、…カ…ウ族の…ン様を…いた。しかし、…様の力は強く、恐れ始めた。遂に我々は、…ン様を、この…モン界から追放した。…ン様は、その後、人間に転生した…」
二匹は言葉を失った。世界を救ってくれたのに追放されたから。
「肝心な名前と種族が破れているじゃない!」
「でも…人間に転生したのなら、今でもその種族のDNAがあるのよね?」
ミミの言葉に、サンがあることを思い出した。
「ディンと関係あるのかな…」
「え?」
「あ、あんた知らなかったんだ…ディンは、元人間なの」
ミミが真剣な顔になった。
「調べてみる?」
「私は止めとく。もし、ディンだったら、プライバシーの侵害だから」
「…それもそうね」
本を元に戻し、ギルドに戻っていった。
一方、ディンとフィンは…
場所:熱水の洞窟 最上部「やっと着いた…」
熱水の洞窟の最上部にいた。
「…にしても暑かったな…」
<< ズシン…ズシン… >>
奥から大型の足音がした。
「なんだ?」
<< ズシン! >>現れたのは、グラードンだった。
「グオオオーーー!お前達か?この先の宝を狙う者は?」
「ひ…強そう…」
「あー…それは俺達じゃ…」
「問答無用!」
人の話を聞かない
単細胞グラードンでした。
「宝を狙う者は許さん!」
「こりゃバトルモードか…」
「勝てるかなぁ…」
ディン・フィンVSグラードンの戦いが始まった。
ディン達がグラードンとバトルしている頃、ドクローズは…
場所:熱水の洞窟 出口「グ…ググ…」
「ア、アニキィ…やっぱりプクリンは強いッスよお…」
「ここのお宝は諦めましょうぜ…」
プクリンにやられて、倒れていた。
「あ、あそこまで…強かったとは…」
その戦いを木の陰で見ていた一匹のポケモン。
「フフフ…噂通りの強さね…これは、作戦をたてる甲斐があるわ…」
場所:熱水の洞窟 最上部そんな中、熱水の洞窟最上部では…
「ふ〜ん…やっぱり強いな」
「そんな感心してないでよ…倒さないと先に進めないよ?」
グラードンに苦戦していた。
「くらえ!『原子の力』!」
『原子の力』がディンに襲いかかるが、簡単にかわす。
「『十万ボルト』!」
しかし、簡単に弾き返す。
「効かんわ!」
「『はっぱカッター』!」
「ぐ…」
「効いただと?まさか、あいつのタイプは地面か!」
それを聞いたフィンは、少し希望が出たような顔になった。
「じゃあ、私が有利ね」
「でも…俺の電気技が効かない…ノーマルでいくしかないか…」
「『地震』!」
ジャンプしてかわす、ディンとフィン。そのまま攻撃に移る。
「いくよ!『つるのむち』!」
「『電光石火』!」
フィンの『つるのむち』でグラードンの足に巻き、バランスを崩したところにディンの『電光石火』が腹部に命中!
「が…」
「トドメだ!『気合いパンチ』!」
「『はっぱカッター』!」
『気合いパンチ』と『はっぱカッター』が一カ所にヒット!
ついに、グラードンを倒した。
「やったぁ!」
「さすが伝説のポケモン…強かったぜ…」
フィンは、喜びのあまり、飛び跳ねている。そこに、一匹のポケモンが現れた。
「グラードンを倒したんだね?」
「なんだ?テメェ…」
「僕は、ユクシー。知識の神と呼ばれている者」
「知識の神?」
フィンは、腕を組んで考えている。
「この先の宝は、誰にも渡さない!悪いけど記憶を消させてもらうね」
「ちょっとまった!」
「え!?」
ディンとフィンが同時に叫んだ。ユクシーは驚いて、一歩引く。
「今、記憶を消すって言ったよな?」
「言ったけど…」
「ここにいるのディンっていうの。元人間なんだけど、人間だった事しか覚えてないの」
「あなた…人間だったの?」
「もしかして…以前、ディンがここに来て、ユクシーが記憶を消したんじゃない?」
「いえ…ここには人間は来ていませんし、記憶を消すって言っても一部だけです。全てまでは消せないから…」
「そっか…」
フィンは、ガックリとした。
「…どうやら、あなた達は悪いポケモンじゃないみたいですね…着いてきてください」
ディンとフィンは顔を合わせ、ユクシーに着いていく。
場所:熱水の洞窟 最奥地着いた場所は、光り輝く湖だった。
「わあ…きれい」
「なあ…あの真ん中にあるのはなんだ?」
「あれは、時の歯車です」
ユクシーの言葉に二匹は驚いた。
「時の歯車!?」
「な〜んだ…お宝って時の歯車だったんだね」
やってきたのはプクリンだった。手には、セカイイチを持っている。
「時の歯車は、取っちゃいけないもんね」
「!? はい。あ、そろそろですよ」
「え?」
なんと、湖の真ん中が、噴水のように吹き出した。
まさに絶景。そこに、ペラップ達も合流した。
「これは…すごい!」
「あなた達の記憶は消しません。あなた達を信頼してますから…そのかわり、ここの事は秘密にしてくださいね」
全員もちろんと言うような表情をした。
「ありがとうございます」
しばらく、絶景を見てから、ギルドに帰ることにした。
「あ、そうだユクシー」
「はい?」
ディンがユクシーに忠告をした。
「この前、時の歯車を持ったポケモンがこっち方面に走っていくのを見たんだ。
そん時は気をつけろよ?」
「任せてください」
ディンはニッと笑い、みんなを追いかける。
「よし、それじゃあバッチを使って帰るぞ♪」
そして、ギルドの夜…
「もう寝ちゃったの?」
「うん。疲れてたのね」
ギルドに帰って、ディンとフィンはすぐに眠ったらしい。
「なんだ…遠征の事聞こうと思ったのに…」
「いつでも聞けるわよ!私も寝るわ」
「じゃあ、あたしも…」
ギルド内全員は、眠りについた。