5 初探検!その結果は?
場所:ギルドB2F「起きろーー!朝だぞーー!」
いつもの朝がやってくる。
「う…ん?もう朝か…」
「よく寝たな〜」
「(無音)」
「ねむい…」
すっかりなれたのか、ドゴームの大声に驚くことはなかった。サンは、相変わらず寝ているが。
「サンがまだ寝ているわよ?」
「いいよ…いつも通りだから…あ〜体イテェ…」
実は、ベッドが三つしかないため、ディンの寝床をサンに譲り、本人(ディン)は壁に寄りかかって寝ていた。
「いつもなら引きずってくんだけど…」
さすがに自分の体を引きずって行くわけにも行かないため、無理やり歩かせる。
「どういう神経してるのかしら…」
「いつものことなの…」
朝の朝礼が終わり、ペラップが呼ぶ。
「今日は、お前達には探検してもらう」
「え!ホント?」
「ああ、本当だ」
「やったぁ!ついに探検できる!」
初めて探検できることに大喜びのフィン。
「で、どこにだ?」
「ここから少し北にある滝だ。あそこの滝には、なにかあるんじゃないかという連絡があってな」
「誰から?」
「さあ?」
フィン以外こけた。フィンは、浮かれていたため、話を聞いていない。
「何でだよ!」
「名無しで言ってきたからなぁ…」
「そんなポケモンの話聞いていいの…?」
「まぁそうなんだが…ところで、お前達から一つ聞きたい。サンの言葉使いいつから変わった?まるでディンのような…」
STARSは、顔を見合わせた。
「実は…」
ディンは、ペラップに昨日の事を話した。
「ふむ…ディンにそんなことができるとは…」
「そっち?」
「まぁ、改造した俺も俺だけどよ…」
「しょうがない。この責任は、サンにある」
「あ、やっぱり?」
サンは、横目でミミを睨んだ。
「ディン!二人二組にして、探検に行く者と不思議玉を探しに行く者に分けろ。サンは、不思議玉探しに行くこと。いいな?」
「はいよ」
「…チラッ」
「なによ?」
「オスがメス言葉で喋ると気持ち悪いな」
「な…」
ディンとミミが頷く。ディンは、まるで人事である。自分の体なのに。
「あぁ、もお!」
場所:交差点サン(ディン)「んじゃ、またミミとサンのチームな」
交差点の真ん中でチーム決めしていた。多分、通行の邪魔だろう。
「なんでまたディン君とフィンちゃんのチームなの…?」
「一応こいつは、俺のパートナーだからな…」
「えへへ…」
((いいな…))
ディンのパートナーとしているフィンをうらやましく見ていた。
「俺らは買い物してから行くから…」
「うん…じゃ、行ってきます…」
しぶしぶ不思議玉探しに出かけたサン達を見送ったディンとフィン。
「私達も行こう」
「おう」
二匹は買い物するため、カクレオン兄弟の店を訪れた。
「え〜と…これとこれとこれください」
「はい、500ポケです」
フィンは500ポケを支払い、商品を受け取る。
「サンキュー…」
「あれ?サンさんしゃべり方変わりました?」
※シャレではありません
「あ、実はね…」
「めんどいから省略」
カクレオン兄弟はこけた。
「え〜…」
「近いうちに話してやるよ」
と言い、ディンはカクレオン商店を後にする。
「あ…じゃまた」
フィンもディンの後を追う。
「もう…何であんな事言うの?」
「あそこで同じ事言ってみろ…。間違いなく、お約束として他の奴らから聞かれるぞ…」
「何?お約束って…?」
「…」
どうやら、お約束の意味を知らないらしい。
場所:滝の前あんなこんなで、滝の前。
「…すごい流れだね…」
「だろうけど、別に…」
ディンは滝に触れた。それも一瞬だけで、すぐに手を離した。
「うわっ!?水圧で手がいた…」
その時、前に起きためまいがした。今度は、誰かが滝に突っ込んで、裏のダンジョンに入っていく。
「ディン…?どうしたの?」
「フィン…滝の裏にダンジョンがあるぞ…」
「え?」
いきなり助走をつけて、滝に突っ込んだディン。
フィン「え!?ディン!」
止めようとしたが、すでに遅し。
「ワァ〜ン!ディンが死んじゃった〜!」(大泣)
大泣きをしだしたフィン。
「勝手に殺すんじゃねぇ!(怒)」
「え?」
「来てみろ…ダンジョンあるから」
「う…うん…」
震えながら、助走をつけて飛んだ。滝を抜けると、本当にダンジョンがある。
場所:滝つぼの洞窟B1F「いたた…」
フィンは、勢いよく飛んだため、顔面を岩に強くぶつけてしまった。
「…大丈夫か?見てみろ」
「え?」
目に涙をためながら先を見てみたフィン。その先はダンジョンになっていた。
「す、すごい…よくわかったね?」
「なぁに…また見えただけだ」
「え?サンの体でも?すごいね!ディン…の能力」
「…それにしても不思議な能力だ…。行くか?」
「うん!」
場所:滝つぼの洞窟B2F「あ、不思議玉…」
「あなぬけの玉だね。…もう改造しないでよ?」
「わあってるよ…」
場所:滝つぼの洞窟B3F「あ、ポケだ♪」 (←カラナクシ)
「それは、俺たちのだー!」
サン(ディン)のシャドーボール!
「ぐあ!」
「うわぁ…」
てな感じてどんどん進んでいくディンとフィン。ディンは無傷で進んでいる。
場所:滝つぼの洞窟B4F「ディンって本当に容赦ないね…」
「当然!」
どちらかというと、アイテムを取られた怨みって感じだ。
「そういえばさぁ…昨日トゲトゲ山に行ったとき、道が変わってた気がすんだけど…」
「ああ…不思議のダンジョンだよ」
「不思議の…ダンジョン?」
「うん。入るたびに地形が変わるダンジョンのこと。全滅すれば基地に戻されるの」
「へ〜…不思議だな」
「不思議だね」
などと話していた二匹。
「う〜ん…フシギダネを仲間にしたくなったぞ…」
「え?なんで?」
「お前が不思議だねって言うから」
「…」
まぁバカはほっといて最下層。(あ…「場所」書くの忘れてた… by318)
場所:滝つぼの洞窟 最下層「あ、見て!大きな宝石が!」
「うわ!でけぇ!」
宝石の高さは一メートル位あり、周りは二百センチ位ある。
「抜いてみるか」
しかし、抜けなかった。
「だ〜!!抜けねぇ!」
「次は私抜いてみるね」
宝石を持ち上げようとするフィン。その時、またディンの頭に例の映像が…
今度は、宝石を取ろうとしたポケモンが水に流されていった。
「今のは…ま、まさか…」
< カチッ! >
宝石からスイッチ音がしたあと、ゴゴゴという音が聞こえる。
「え?なに?この音…」
「ま、まさか…」
ディンが横に振り向くと、水が勢いよく、流れてくる。
「な、なに!?あれ」
「水だ!」
「そんなことわかってるよ!」
二匹は逃げ出したが、すぐに激流の水に飲まれた。
場所:???(…ん?温かい?)
温かさで目を覚ますディン。
「気がついたかね?」
「あんた誰?」
温水から出ているポケモンに聞いた。
「ワシはコータスじゃ」
サン(ディン)「はぁ…。あ!フィンは!?」
「心配しなくてもお主の横におるじゃろ?」
確かに、ディンの横で気絶している。
そのまま、フィンの頭の葉をつつき始めた。
「う…ん」
フィンが起きたのを確認すると、つつくのを止めた。
「ここは…わっ!ポケモンがいっぱい!」
「ここは温泉じゃ」
「温泉?」
地図を勢い良く広げる。
そして、場所を確認すると驚いた。
「見て?滝壺の洞窟から随分流されたよ!」
「なんともまあ…そんなとこから…疲れたじゃろ?ゆっくりと此処で傷を癒すが良い」
「そうですか?それじゃ…」
場所:ギルドB2F温泉で温まり、ギルドに戻るとペラップに話した。
「…な事があってな」
「宝石は持って帰れなかったけど…」
「イヤイヤ…大発見だよ!これは…」
「ホント!やったあ!」
フィンが喜んでいる中、ディンは滝に突っ込む前の事を思い出していた。
(あのシルエットは間違いなくプクリン…てことは…無いとは思うが念のため…)
「なあ?プクリンって以前、あのダンジョンに行ってんじゃねえ?」
「え?」
「確認してきてくれないか?」
「あ…ああ…」
疑問に思いながらも、プクリンに聞きに行く。
数分後に出てきた。
「どうだった?」
「…思い出思い出…たあーーーーーー!っと言った後、思い出思い出と言っていたよ…おかげで耳が…」
「やったのか…あれを…」
ディンは、一瞬で理解した。
そう。『ハイパーボイス』をやったのだ。
「それじゃ…」
「調査済みって事だ」
「そんなぁ…」
ガックリとしたフィンをディンが慰める。
「まあ、今回はプクリンのド忘れだけど…次がある」
「うん…」
「あたしが見つけたの!」
「私よ!」
上から聞き覚えのある声が聞こえた。何だ?と思い、上に行ってみるディンとフィン。
「何やってんだ…」
「あ、ディン君。見つけたよ」
なんと、ばしょがえ玉を見つけたらしい。
「でかしたぞ!」
「あたし、あたしが見つけたんだよ」
「何言ってるのよ!私が見つけたんじゃない!」
「誰でもいいよ…。じゃあ、今から改造すっからメシはいらないって言っといて」
ディンは早速部屋に向かった。
一時間後、ついに完成した。
「ちょっと時間かかったが…いくぞ?」
「うん…」
「「「「ゴク…」」」」
全員唾を飲み込む。
不思議玉が一気に光だし、全員眼を閉じた。
「…どう?」
「…戻った…」
「戻ったね…」
「やったぁ!」
二匹が戻ったことに大喜びのミミ。ピョンピョン飛び跳ねている。
「よかったね!ディン」
「ああ!」
(あ〜あ…戻っちゃった…)
全員とは裏腹に、サンはガッカリしていた。
「おお!戻ったのか?」
「あ、ぺラップ。この通り…な」
「よかったな♪ほら、メシだ」
「お、サンキュ!」
ディンは、リンゴをガツガツ食べる。
「さて…明日のために、今日は寝ろ」
「はいはい」
ぺラップが去り、ディン達は寝床に着く。
「あ〜…やっぱり、元の体で、しかもベッドで寝れるっていいな…」
実は、ぺラップがベッドを一つ追加してくれたのだ。
STARSの冒険はまだまだ続くよ〜っ!