4 探検隊STARS、全員集合!
場所:ギルドB2F「起きろー!朝だぞー!」
いつも通り、ドゴームが近所迷惑な声で起こしに来る。
「おはよ…ディン…」
「おう…」
「何これ…?朝から…大きい声で…耳痛い…」
ミミは、耳を抑えている。
「毎朝これだから耐えないとやってけないぜ?」
「そんなぁ…」
「早く行こうよ…」
毎朝恒例の朝礼も済まし、ペラップに何するか聞いたSTARS。
「今日は、救助か討伐どっちかをやってくれ」
「つまり自由?」
「それは、仕事が終わってからだ」
場所:ギルドB1F掲示板の前にやってきたSTARS。
「めんどくせぇな…」
「そんな事言わないでよ…」
「やーっと来た!」
三匹は、振り向いた。そこには、一時抜けたサンがいた。
「サン!」
「一晩かけてやっと許可降ろさせたわ…」
「よくできたね?」
「苦労したわよ…ってその子誰?」
サンは、ミミに指を指す。
(人?を指さしちゃいけないだろ、サンさん… by318)
「昨日救助中に仲間になったミミ。んで、こっちが仲間のサン」
「よろしく…」(この人もディン君を…?)
「こちらこそ…」(またライバルが増えた…)
サンとミミは、ライバル感を燃やしていた。どんな鈍い奴でも見える炎だ。
もちろん、ディンは恋愛については無能なので何が何だかわからない。
「なんで燃えてんだ?」
「さぁ…ね」
フィンは、少しモヤモヤしている。少しでも忘れるためには…
「早く仕事しよ!」
「おお…。あ、トレジャーバッグ忘れた…取りに…」
「私取ってくる!」
サンは、ダッシュした。
(先越された!)
「やれやれ…」
トレジャーバッグを取りに行ったサンが戻ってきた。オマケを持って来て…。
「たーだいまー!はい」
「おー!サンキュー!ん?お前の手に持ってるのって…」
「え?見たこともない不思議玉だから何なのか聞こうと思って…」
「それ、ばしょがえ玉・改なの!ゆっくり返して!」
「ばしょがえ玉・改?」
ディンとフィンが入れ替わってる時、ミミは眠っていたから知らなかった。
「なんで?」
「なんでも!いいからこっちに渡せ!ゆっくりと」
その時、サンがニヤリとした。
「…使ってみよっかなー☆」
「やめろ!」
ディンが止めに入った!しかし、不思議玉が光り出した!
「げ…」
「わ…」
「う…」
「え…」
四匹は目を閉じた。再び目を開けると…
「な、何が起きたのぉ…」
「こういうことだよ…」
サンの目の前には、手を額にあてている自分の姿が目に入った。そして、自分はピカチュウ・ディンになっている。不思議玉を使ったとき、たまたま止めに入ったディンと入れ替わってしまった。
「な、何?これ…一体何が…」
「え?何があったの?」
「今のばしょがえ玉・改っていってね?使った本人と相手と中身が入れ替わってしまうの…」
「え?じゃあ…」
「ディンとサンが入れ替わってしまった…」
「そんなぁ…」
ミミは、ショックを受けた。
「何でそんなのあるの?」
「昨日俺が拾ったばしょがえ玉を改造したんだよ…。欠点があったから使用を止めたんだよ…」
「戻るには?」
「ばしょがえ玉・改を使うしかない」
「玉は?」
「昨日試しで使ってしまって…もうないの…」
「じゃあどうするの…ってあれ?ディンは?」
ディンは、サンの姿でペラップに頼み込んでいた。
「ペラップ!ワリィけど今日の仕事はオフにしてくれ!」
「え?サン戻ってきたのか?…っていうかオフにしてくれってどうしてだ?」
「俺はサンじゃねぇ!ディンだ!ある事情で入れ替わってしまったんだ!戻るためにばしょがえ玉を探してこなきゃいけねぇんだ!だから仕事オフに」
「ど、どういう理由かは知らないが…わ、わかった…」
イーブイのディンの勢いにペラップはタジタジだ。
「サンキュー!」
ディンは走り出した。
「あ、戻ってきた」
「行くぞ!ばしょがえ玉を探しに!」
「う、うん…」
四匹は、トゲトゲ山に向かって走り出した。
場所:トゲトゲ山1F中身が入れ替わってしまったディンとサン。元に戻るためにばしょ)
「早く探し出して元の体に戻る!」
(あたしはもう少しこのままでもいいんだけどなぁ…)
「なんか言ったか?」
「え!?な、何も!(す、鋭い…)」
「ここは二手に別れて探す?その方が効率いいと思うんだけど…」
「そうだな…よし!サンとミミは、あっち。俺とフィンはこっちを探す!階段があったらドンドン上がれ。ただし、一通りその階を見てからだぞ?」
「うん。わかった…」(チェ…ディン君と行動したかったな…)
「は〜い…」(フィンいいな…ディンと行動…。ま、あたしの体だし…まだマシか…)
そして、行動開始。サンと入れ替わってしまったディンとフィンは…
「…」
「…チラッ」
「…?なんだよ?」
「いや…なんがディンが黙ってるとサンと行動してるみたいだなと…」
フィンが慌てて答えた。
「まぁ、サンの体だからな」
「……ねぇ?こんな時に聞くのはアレだけど…ディンは…」
「聞くのは後だな…」
目の前に大量のポケモンがいた。
「どうすっかな…サンの体でうまく戦えっかな?」
「私が援護するよ」
大量のポケモンが襲ってきた!
「試しに『シャドーボール』!」
しかし、出なかった。当然っちゃ当然なんだが…
「ち…なら、格闘だ!」
ディンは、前足後ろ足でパンチとキックを繰り出す。
「はっぱカッター」
フィンは、はっぱカッターとつるのむちで戦う。そして十分後、なんとか全て倒した。
「ハァハァ…くそ…技使えないとキツいぞこの体…」
「イーブイって覚えられる攻撃技って少ないからね」
「…で?さっき聞こうとしたことは?」
「あ…んとね…ディンって人間に戻りたい?」
「は?」
唐突だった。ディンは、少し焦った。
「私的には、ずっと一緒にいたい。ディンと一緒だからここまでやれたんだもん…。ディンはどう?人間に戻りたい?」
「ん〜…どうだろうな。この世界は居心地いいけど…今は、ものすごく元の体(ピカチュウ)に戻りたい」
フィンは、ニッコリとした。
「そっか…それならいいんだ」
フィンは嬉しそうに先に進む。
「?」
疑問に思いながらもディンは後をついて行く。
場所:トゲトゲ山2Fフィンに不思議な事を聞かれた頃、ミミとディンの体をしたサンは…
「…ディン君の体で妙な事しないでよ?泥棒とか」
かなり険悪なムードでいた。
「するわけないでしょ!あたしはディンが好きなんだから!」
「好きならディン君のために元の体に戻るのに一生懸命になるはずでしょ?あなたは嬉しそうじゃない!」
「これはこれでディンと一心同体だから」
(なんかムカつくわね…)
どうやらお互いライバルなのかキライらしい。こんなのでやっていけるのか?STARSは。
「…どうやら敵のお出ましね」
目の前に約百体のポケモンが。
「…ディン君の体で大怪我しないでよ?」
「当たり前でしょ?」
おそらく、技は使えないと思い、依然見たディンの戦いをした。
「後何体いるのー!」
だいぶ減ったとはいえ、まだたくさんいる。ミミの後ろからワンリキーが襲いかかる!
「あぶない!」
サンのパンチがワンリキーにヒット!
「えっと…」
「もっと後ろ気をつけなさいよ!」
ミミがいきなり『冷凍ビーム』を放った。サンの後ろのドードーに当たる。
「アンタもね!」
「…クスッ。サッサと倒しましょ」
「…もちろん」
場所:トゲトゲ山頂上その頃、フィンとサンの体をしたディンは…
「くそ…なかったぜ…ばしょがえ玉…」
トゲトゲ山の頂上にいた。
「そう簡単に見つからないのかな…。それより、だいぶサンの体になれたね。あの後、シャドーボール使えたし…。ディンって本当に元人間?」
「当たり前だろ?…俺はどうして…」
「え?」
「いや…」
その時、サンとミミの姿が現れた。
「あれ?二匹とも早いね」
近くにいたフィンが赤くなりながらパッとディンから離れた。それを見たサンとミミはムッとした。
「どうだった?そっちは…」
「だめ…見つからなかった」
「こっちもだ…ゆっくりと探したせいかもう夕方だ…。帰るか」
「う…うん」
その後、三匹はディンに寄り添って帰ったらしい。
「めっちゃ歩きずれぇんだが…」