1話・あれから3日後
ここはPBEバトルドーム、観客の歓声の中、今日もバトルが繰り広げられる。
ザングースがブレイククローを出し、相手のガバイトに接近する。
ガバイトは負けじときりさくを出しお互い至近距離で技を繰り出す、
技のスピードはガバイトのほうが速い。
ザングースにヒットする直前、なんとザングースはエビ反りで避ける。
「おおっ、スゲーぞザングース!」
観客の声が響き渡る。
「ガバッ!」(なにっ!)
ガバイトも驚いている・・・ヒマもなく・・・
バキィ!!!!!
思いきりブレイククローがガバイトの胸にヒットする。
ガバイトは吹っ飛ばされた!
片膝をついて立ち上がろうとするが・・
「(イテテ・・・野郎・・・まー2人ともだいぶ消耗しているしな・・・負けといてやるか)。」
「ガ・・・ガバァ・・・」
弱い鳴き声を上げてガバイトが倒れこんだ。
ワッ!!!と歓声があがる、そして司会が叫ぶ。
「ガバイト、ダウン、よって勝者ザングースー!!!!!」
ワアアアアアアアアアッ!!!!!
さらに大きな歓声がドームを包んだ。
ザングースが倒れているガバイトに歩み寄り、「ホレ」とばかりに片手を差し出す。
ガバイトは悔しそうな嬉しそうな表情をしつつ、その手を取った。
「それでは皆様!次のバトルをお楽しみください。」
司会がそう言うと同時にドームの電気が消える、
「ハケんぞ」
「あぁ」
照明が再び点いた時、2匹のポケモンの姿は無かった。
場所は変わって、ここは、PBEバトル・ドームから少し離れた、PBE本社、
「スゴイですね!あのザングースのセンパイ、あの避け方・・・」
「まぁ・・・あんまり見た目はよくないんだけど・・・」
「でもよほど体柔らかくないと出来ないですよね!あれ。」
バトルの中継をTVで見ている者が3人、
1人は高校生〜大学生ぐらいの黒髪の短髪の少年、
もう1人は20代前半ぐらいの長めの黒髪の女性、
そしてもう1人は髪の後ろをまるでチコリータの葉っぱのような形にまとめた黒髪の少年と同年代ぐらいの少女。
「2人共次バトルの話があるの、ついてきて。」
「はい!マイ先輩!」
3人は部屋を出て行った。
・・・・・・・・・・・まさかこの3人が、実はPBEのヒトカゲ、ピカチュウ、チコリータだという事はまず観客はわからないだろう・・・
また場所は変わってここはPBE本社の男子更衣室。
ヒュ!パカッ!、青年が両手に持ったモンスターボールからザングースとガバイトを出す。
青年は2匹のトレーナー・・・ではなく・・・
「んじゃ!押すぞ。」
青年は2匹の背中を指で押す、見る間にザングースとガバイトの姿が変化していく、
ザングースの紅白の毛も、ガバイトの紺色の肌も色を失い鉛色になっていく
さらに形も失い人の形になる。
そしてその人型の背中がパックリと開く。
「あんがとよーリザ!」
「センキュー!」
中からなんと青年が現れ、上半身だけ出した状態で背中を押した青年に礼を言う。
「ついでだ、ついで」
青年は笑いながら答えた。