ポケモン 不思議のダンジョン―鋼の魂―
  • 第三章 焼け焦げた心

  • その心はどこまでも黒く、深い狂気を蔓延させていた。
    平和の裏の中で育った彼の目には、どこを見ても周りが全て敵と、『利用する物』にしか見えなかった。
    敵とは違う他人はあくまで『物』であり自分ではなく、己の都合の良いように扱う、便利なもの。
    そんな彼の前に、チーム・フルメタルは現れた。
    二人は、初のお尋ね者のターゲットがこれほどまでにも歪んだ魂を持つ相手であったことが、この後も忘れられずにはいないだろう。
    彼以上の捻くれ者はその後、二人の前にはめっきりいなくなったのだ。