第十六話 エクトシティに到達!
二人は山を出ると街が目に留まった。フラーノの町の百倍と言っても過言ではない位大きなその街は、ビルやお店が立ち並ぶ大都会だった。
「あそこが……」
「エクトシティ!」
二人は声をあわせて歓喜した。ここまで来るのにどれくらい掛かったか。目の前は達成感で輝いていた。
エクトシティに到達した二人はまず冒険に役立つ道具を買っていた。
「オボンの実にクラボの実、あと食料も要るね」
アクアが冒険に要りそうな物を厳選して代金を計算している中、マロンは
「見てみて〜ネックレス!」
と、冒険に全く関係のないものを指差してはしゃいでいた。
「次は困っているポケモンを助けようね!」
「うん。」
二人はポケモン助けも忘れずに、エクトシティを歩いていた。
「さすが大都会。いろんなポケモンがいるね。」
「見たことないポケモンも沢山いる!」
エクトシティには実に様々な種類のポケモンがいる。顔が毛むくじゃらな小さいポケモン、鋼の翼を持つポケモン、ダークレッドとブラックの腕輪をはめた誰かに絡んでいるポケモン……
「?どうしたの」
その腕輪をはめたポケモンを見た瞬間、マロンの足が止まった。
「こっちに来て」
マロンがアクアの手を引く。
「う…うん」
アクアが素直に着いていくと、マロンは口を開いた。
「あの腕輪をはめたポケモン……アロル団だよ」
「えっ……」
あれがアロル団だったのか。マロンの家族を奪ったポケモン。今すぐ倒したい所だが様子を伺うことにした。
「その“ほのおのいし”をよこせ!実験に必要なんだよ!」
「だめだ!」
ほのおのいしを求める二人のアロル団。それに反抗するイーブイ。
「ほのおのいしを渡さないと、どうなるか分かっているだろうな」
アロル団とみられるルカリオは、拳を握ってイーブイを脅迫する。
「反抗しても無駄にゃ〜」
同じくアロル団とみられるレパルダスはイーブイを見下して嘲笑う。
「ひっ……」
イーブイはガクガクと怯えている。
「許せない」
マロンの目に怒りの火が灯り、マロンは駆け出した。アクアもそれに続く。耳が良いのかアロル団はすぐ二人に気付き、
「あら、邪魔者が来たようね。ルカたん〜退散よ」
「だからルカたんとか言うな!」
と言いながら街の外へ走って行った。