第十二話 あなたは?
「助けてくれてありがとうございます。あなたは……?」
おそらくリングマを倒したのはこのポケモンだろう。と思いアクアはお礼を言った。また、そのポケモンに何者かを尋ねた。そのポケモンは大きな翼を持つポケモンで、緑色のマントのようなものをつけている。そして背はアクアより高く鋭い目をしていた。
「私は森の中に住むジュナイパーのケルンだ。お前の質問に答えたから私も問うが、お前はなぜリングマに追いかけられていた?」
ケルンと名乗るジュナイパーは、アクアに訊いた。
「森の中に入ったら突然リングマが襲いかかってきて……」
アクアはケルンの質問に素直に答えたが、
「それはお前がリングマの縄張りに入ったからだろう。被害者ぶっているが、大体縄張りに入るお前が悪い。縄張りに気を付けるのは当たり前だろ」
ケルンはアクアに厳しい言葉を放った。
「……ごめんなさい」
アクアは内心ムカッとしたが素直に謝った。
「次からはするなよ」
と言い残しケルンはこの場を去ろうとした。すると突然、思い出したようにアクアはケルンを引き留めようとした。
「あ! 待って待って!」
「まだ何かあるのか」
ケルンは邪魔くさいというようにアクアに鋭い眼差しを向けた。
「あの……ぼく、一人じゃなくて、二人で来たんです」
「はぐれたのか」
「そうなんです。だから、会えるように力を貸してくれませんか」
アクアはパートナーとはぐれたことを打ち明け、ケルンに力を貸してもらうように頼んだ。
「分かった。しかし、報酬は取らせてもらうぞ」
マロンと会えるならどんな報酬をとられてもいい。アクアはわかりました!と真剣な顔で返事をし、ケルンと一緒にマロン捜索に向かうのであった。