第五話 ラヤノの森にて
2人は家を出て野原を歩いた。少しして前を見ると、たくさんの木が生い茂っているのが分かる。そこはラヤノの森と言うらしい。昔からある森で、中は神秘的な景色らしいのだ。
更に歩くと森の入り口が見えてきた。見た感じ道は伐採されているように綺麗に整っているが自然現象らしい。でも入り口から先は暗くて見えない。アクアは怖がりですごく恐怖を感じたので、
「お化けが出てきそうな森だね」
とアクアはびくびくしながらマロンに返事を求めた。アクアが怖がりなことが分かったマロンは、
「そうだね。お化けとかに会ったら守ってあげるから心配しないで」
とアクアを自分なりに安心させようとした。アクアは怖がったくせに、子供扱いしなくていいよ……と心の中で思った。
森の中は木漏れ日が美しかった。確かに外よりは暗くて怖いが、それよりも神秘的なことが勝っていた。思ったより大丈夫だ。と思い、少し疲れて2人が休もうとすると、
「キャタキャタキャタ」
と声……というよりは鳴き声が後ろから聞こえてきた。
「誰っ!」
マロンは恐怖の中振り返り、その声の主を見つけようとした。そこには30pはあるだろうか、キャタピー数匹がマロンに糸を吐いて巻き付けようとしていた。
「危ない!」
アクアは光の速さでマロンを庇い、糸の餌食になった。しかしアクアはすぐさま糸を払い、キャタピー達にたいあたりをした。キャタピー達はこれにはこたえて逃げていった。
「大丈夫?」
「ええ。ありがとう」
マロンは自分が守ってあげると言ったのに、最初は怖がっていたアクアに助けてもらうとは自分が恥ずかしく思った。もちろん、アクアにはいやになるほどお礼を言った。
そんなアクシデントもまちまち起こり、なんとか森を抜け出すことに成功した。アクアとマロンの活躍もちょうどよく、初めてにしてはよく出来ていた。後は道を沿っていけばフラーノという町にたどり着く。マロン達はその町でポケモン助けをするつもりだ。
「それじゃ、あの町に行ってみよう!」
「うん」
マロンはこれからの事にわくわくしている。一方これからの旅は甘くない。とアクアは気を引き締めていった。