第三話 ポケモン助けの旅?
このクチートはなんてお人好し、いや、おポケ良しなんだ。なんて思ってたら、
「実は、私家族が1人も居ないんだ。みんな連れ去られちゃって……」
どうやらマロンには壮絶な過去があるようだ。アクアはマロンの話を聞いてあげた。
マロンの話によると、4年前まではここの家で父、母、兄で暮らしていたらしい。しかし、アロル団と名乗るポケモン達が来て、労働させると言いマロンの家族達を連れ去ったらしい。マロンは役に立たないという理由で連れ去られることは無かったらしいが、マロンは辛かっただろう。大事な家族が突然連れ去られるのだから。アクアは自分とマロンを置き換えて、その辛さを感じた。
「つまり、この『ポケモン助けの旅』は『私の家族を探す旅』でもあるんだ」
「でも、なんでポケモン助けの旅がメインなんですか?」
アクアは疑問に思ったことをマロンに問う。
「だって、私の家族を探してます。なんて露骨に探してたら、アロル団に伝わってアクアも私もどうなるかわからないじゃない? それに、ポケモン助けをしているうちにアロル団の手がかりがつかめたり、アクアがなぜ記憶を失ったかとかも分かるかもよ!」
確かにそうだ。アクアはそれは賢明な判断だと思った。ポケモン助けの旅、良さそうだ。
「おねがい! アクアくん強そうだし、私も家族と会いたいの!でも、アクアの気持ちが最優先だよ」
マロンは今にも泣き崩れそうなほど、一生懸命頼んできた。アクアも旅でトリップしてきた真相が分かるかもしれない。マロンはアクアの気持ちが最優先と言っていたが、アクアはマロンを助けたいという気持ちが勝っていた。アクアはマロンと一緒に旅をする事を決意した。
「いいよ。ぼくも旅に行きたい! 一緒に頑張ろうね」
「ほんとに」
マロンは泣いてるような、笑顔なような、ぐちゃぐちゃな顔で聞いてきた。
「もちろんだよ! 泣かないで」
アクアはにっこりと笑い、マロンに手を差し出した。
そうして、2人のポケモン助けの旅が始まったのである。その旅は、時に辛く、時に笑顔になる、大冒険となりそうだ。