第一話 マロンとの出会い
__どれくらい眠っていただろうか。シャワーズは気絶から覚めてのろのろと立ち上がった。立ち上がる時痛かったがなんとか歩けそうだ。
目に映るのは広い野原。野原にはピンクや白、赤といった様々な色の花が咲き誇っている。そよ風が気持ちいい。
誰かいるかと周りを見るが、あるのは山と野原だけ。これから自分は何をすれば良いのだろう。
まずはこれまでのことを思い出してみる。自分の名前はアクア。確か嵐の中を落ちていて、ここに落ちて気を失っていたんだ。ここまでは思い出せたが、その前が思い付だせない。
これってまさか記憶喪失? アクアはようやく気づいた。名前は思い出せたのに…
考えても何も始まらないとアクアは思い、とりあえず建物を探した。誰かが助けてくれるかもしれないし、このままでは飢え死にしてしまう。
アクアは傷が痛むのをこらえて歩いた。とても苦痛だった。1時間ほど歩いただろうか。しかしいつもより歩くスピードが遅いので全然進んでいない。
「はぁ……」
アクアは疲れてその場に座り込んだ。まだ全然建物が見当たらない。もう限界で僕はこのまま死んじゃうんだと諦めかけていた。もう眠気も限界で、まぶたが少しずつ下がっていった。やがてアクアは眠りについた…
その3時間後…
「大丈夫? 傷だらけだよ!」
アクアは大音量な女の子の声で飛び起きた。
「何?誰?」
アクアはその声の方に目を向けると、一匹のポケモンが唖然とした表情でこちらを見ていた。そのポケモンは、赤い目をしていて、特徴的な大顎が頭から伸びている。このポケモンは一体誰なんだろう。