第九話 次の目的地ヘ
コリンク達に別れを告げた日の夜、アクア達は町のとある飲食店で夕食をとっていた。その店は小さいものの、おしゃれでちゃんとした夕食のメニューもあり雰囲気が良い場所だった。料理もリーズナブルな値段にもかかわらず美味しいので、アクア達はここをものすごく気に入った。
食後にコーヒーを頼んでマロンは話を切り出した。
「ねぇ、次はどこの町へ行く?」
そうだ。次の目的地を決めなければ次の目的地には行けない。といっても、どんな町があるのかアクアには分からないので
「うーん、地図を見てみよう」
と呟きマロンから借りた地図を見てみた。
ここは他のお客さんもいるから地図がちょうど良い大きさで良かった。大きかったら迷惑かけるし目立つし……とアクアが思っていると、
「フラーノの町の位置分かる? どれどれ……」
とマロンが地図を覗き込んできた。別に分からない訳じゃ無いんだけどなーとアクアが心の中でムッとしている隙に、
「ここがフラーノの町ね」
とマロンはさっと現在地を見つけてそこに指を指した。方角でいうと南東の方だ。
「フラーノの町に近い町は……ここかな?」
アクアは気を取り直しフラーノの町に一番近そうな所を指差した。それでも少し遠かったが。指差したところはフラーノの町より北にある。そこは「エクトシティ」というそうだ。エクトシティの文字が大きい事から、そこは大きな街とアクア達は推測した。
「エクトシティ……いいね! そこ行こう!」
マロンはエクトシティに行くことに大賛成だ。そして、2人はエクトシティに行くことに決定した。しかし、その選択が後に大失敗になることが判明するのを2人は予測もしていなかった……
2人はレストランを出た後宿屋に泊まり、ふかふかのベッドで眠った。
次の日、カーテンの隙間から差し込む優しい光でアクアは目を覚ました。一方のマロンは熟睡している。こんなに気持ちよく寝ているところを起こすのは気が引けるが、今日は寝坊してはいけない日なので「ごはん食べちゃうよ作戦」でマロンを起こした。
午前8時。朝ごはんを食べ、荷物の準備も整った。旅に出かける準備は万端だ。
「じゃあ、行こっか」
アクアは出発の合図をする。マロンもそれにうなずく。そして2人は新たな目的地への道に足を踏み入れた。