ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜 - 七章 いざ、遠征へ
時の歯車と使者の影‐94
 * * *
 
 ―――――――何者かが、地面を強く蹴り上げた。
 闇夜が何者かの姿を覆い隠し、それに気づく者はその時、誰もいなかった。ただただ闇夜に隠された影が、目指す場所があるかのように、迷うことなく駆け抜ける。短く息をする音だけが響いた。
「っ……どこだ」
 まだ若い男の声がどこからか漏れた。今走り抜けているこのポケモンの声かどうかは、声の主以外誰も知ることはない。
 素早く走り抜けていた影がいきなり立ち止まる。この暗闇の中で唯一光を発する物をその目で見たからである。影は、自らの長い腕をその光へと伸ばした。

「あったぞ……!時の歯車だ、間違いない」
 再び若い男の声が静寂にの中に響く。影、もとい男は『時の歯車』が発する青い光に照らされ、その姿を現した。
 頭からまっすぐ、髪のように伸びている細長い葉のような、触覚のようにも見える一部分。腕に生えている鋭い三本ほどの葉。鋭く、何かを貫くような瞳。緑色の体。鍛えられ、引き締まった肢体。

 それはジュプトルという種族のポケモンであった。
 
「これで二つ目……か」
 その男……ジュプトルの表情は険しくなった。少しずつ欲するものを得ているからこそ、この先絶対にヘマなどするものか……。彼は、迷いなく『時の歯車』に手を伸ばす。自らの指先が、掌が、しっかりとそれをとらえたのを感覚的に確認したと同時に、一気にそのまま腕を引いた。歯車はその場から引き離されたと同時に、光を失う。
 ガラガラと何かが崩れ行くような音が聞こえる。先ほどまで静かだったその場所に、殺気が立ち込めた。
 
 やがてこの地の時は停止するであろう。時の歪みの渦に巻き込まれれば、生命体であろうともどうなるか……。
 どうか、許してほしい、そう彼が願った刹那、暗かった一帯の闇の濃さが増した。この地域の時の停止が始まった……と。そう察したジュプトルは、時の歯車を手から離さぬように握りしめた。

「……必要となる時の歯車は、残り三つ……!」
 彼は再び地面を蹴り上げると、誰にも見られるよう、闇に紛れ素早くその地を去っていく。

 噛みしめるようにその言葉を発し、手の中にある時の歯車に、より一層意識を向ける。
 世界の核である重大なものを『盗んだ』その男、ジュプトルの名を、ルーファスと言った。
 
 
 時の歯車は、彼の掌の中で微かに輝く。まるで、彼の行為を讃えているかのように。  
 


 

■筆者メッセージ
気まぐれ豆雑談

シャロット「シャロットのビシッと言ってやりますコーナー!拍手!」
作者「ちょ、なんすかそれ?」
シャロット「普段デリカシーが無く口も悪くKYでその上キャラのプライバシー侵害なども平気で行う作者に私が意見するコーナーです」

【悲報】作者、コーナーをキャラに乗っ取られる

シャロット「では作者の友人M子さんからのお便りです。
      作者ことミシャルさん。私の家に遊び来てまで腕立て伏せをするのは止めてください」
作者「('ω')ゥッ」
シャロット「してるの?」
作者「……('ω')」
シャロット「だそうです」
作者「フィクションです!友人M子なんてしらねえ!」
シャロット「それについては複数の目撃情報が上がっていますね!!」
作者「(ノД`)・゜・。」


作者「友達が腕立て伏せ中の作者を囲んで回り始めたのでやめました」
ミシャル ( 2016/01/12(火) 21:52 )