ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜
















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七章 いざ、遠征へ
意思表明‐98
 * * *

「……では、今後の予定を説明する」
 ギルドの騒ぎが収まったところで、再びペリーが全体を仕切り始める。シャロットは今日すぐに出かけるという点では少し首をかしげていたものの、先ほども言ったように本当に一日の予定がないため、まったくもって問題は無し、ということだった。
「この後、遠征についての説明会を行う。
 なのでメンバーは全員、各自遠征に行く準備を進めてくれ。認められた助っ人以外で、ギルドに加入していない一般のポケモンは遠征に参加することができないので、ベルの編成所にてきちんと伝えておくように。
 遠征の準備ができたら私に声をかけてくれ。チェックを入れるからな。
 以上だ!!では、解散!」
 ペリーが解散の合図を出す。そのとたんに、何匹かのポケモンがぶはっ。と、まるで息を止めていたかのように口を開けた。
「はぁ……っよかったぁ!皆で遠征に行けますわね!」
 その一匹であるフラーは、普段いつもニコニコとしている顔をさらにニコニコとさせ、その場にいるポケモンたちに大喜びで話しかける。
「さすが親方様ね!ホントびっくりしたわ!」
「僕たち、選ばれないと思ったよ、一瞬!
 冷や冷やしたけど……驚いたなぁ。良かったね!」
「……ええ。そうね。よかった……と思う。よかったわね……カイト」
「う、うん!ホントによかった!」
 ベルとフラーがお互い向き合いながら騒ぎ始める。再びギルドがお祭りモードになり、早々に準備を進めようとしない弟子たちを見てため息をつきつつ、どこかホッとしている様子のペリーがいた。
「ううっ……あっしは……あっしは遠征に連れて行ってもらえるだけでもうれしいんでゲスぅ……。  
 それがまさか全員で行けるなんてっ……夢のような話でゲスよ……!」
「あたしもほぼおこぼれに授かっちゃっただけだけど……確かに夢みたい」
「夢などではない。本当の事なのだ。
 とにかく、みんなで行く以上私たちの力も試されるということだ。なので……シャロット。お前も含め、私たち全員で力を合わせ、この遠征を成功させようではないか!」
 と、アドレーは胸(?)を張って言い切る。普段サボってるやつが何を言うんだ……と、普段ならなるはずなのだが、皆お祭り気分で機嫌が良い。アドレーをジト目で見ているのはクレークくらいのものだった(おそらく元からである)。
 そのため、アドレーの意見に賛成する者は多く、シャロットは早くも自分のことを認識してもらえていることに感動していた。
「は、はい!頑張りましょう!てか、頑張ります!」
「その通りですわ!」
「アドレーたまにいいこと言うよね!」
「頑張りましょうっ!」
「うぅ……うぅっ……」
「よ、よし!みんなで力合わせて、遠征を乗り切ろう!」
 カイトが声を張り上げると、みんなが「おおー!!」と、再び大きな掛け声を上げ、天井に向かって大きく腕を突き上げた。
 
 アカネはどうしてもこの空気に乗ることができなかった。が、実際全員が参加すると聞いて安心していたし、カイトを祝福する気持ちもあった。
 彼女は思う。この遠征は、私の気持ちを切り替える起点になるかもしれない。
 そうとばかりに、彼女は掛け声は決して口に出さないが、全員が掛け声と共に、勢いよく腕を上げる瞬間、彼女も大きく腕を天井に向かって突き立てたのだった。
 


■筆者メッセージ
気まぐれ豆雑談

作者「前回に続く話になるけどさ、私はステファニーちゃんの浪費癖を知りたかったわけじゃない……!ただ異性に対する恋愛条件が酷い人がたまにいるよねって愚痴りたかっただけなんだ!」
アカネ「さすが作者。愚痴大好き人間」
作者「現偏屈元人間のアカネちゃんに言われたらおしまいだね」
カイト「アカネは偏屈じゃなくてツンデレだよ!オイコラ」
作者「だってなかなかデレないじゃんよ!もっとデレろや!」
アカネ「うっさい!別になんか意図があってツンツンしてるわけじゃないのよこっちだって!」
カイト「アカネはさりげなく朝起こしてくれたりベッド整えてくれたり手ェつないでくれたり一緒に寝てetc…くれたりする良い子だよ!黙れコラ作者」
作者「もう君ちょっと黙っててくんない?絶対妄想込みだよ怖いよ」
アカネ「(´ぅω・`)ネムイ」


ミシャル ( 2016/01/16(土) 22:50 )