ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜
















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六章 遠征メンバー発表まで
働きたくない!‐92
「はいはいー!頑張っていきますよー!」
 シャロットはあらかた事情を知ると、あからさまに仕事に行きたくなさそうな僕とアカネの背中を体当たりするように押していた。アカネだって行かなければいけないのはわかっているだろうからシャロットをとがめたりはしないが、僕自身は正直、先ほどからシャロットに体当たりされるたびに意識が飛びそうになっては戻ってくる繰り返しだった。
 今までここまでつらいと思ったことはないが、ギルドに入ってから生活習慣が徹底的に改革されていたのだということを改めて自覚する。三時間しか眠っていない。しかも男性陣の部屋では「いびき」がひどかった。ゴルディと普段同じ部屋で寝ている者は慣れているかもしれないが、時折「すーすー」という上品な寝息しか聞こえてこない部屋で眠り続けていた僕にとってはとんだ睡眠妨害だった。きっと実質二時間も眠っていない。迂闊だった……。
「……今日、救助だけで……」
「……うん」
「えっ!?大丈夫ですよ、ランク低いのはあたしが引き受けます!頑張っていきましょう!!」
 心強いが、どことなく不安である。これからの目標。いつも通り規則正しく生活を送ります。そう思いながらカゴの実をポリポリとかじっていた。強力な眠気覚ましの効果があり、よく探検中にも用いているが、硬いし、そのまま食べるとお世辞にもおいしいとは言えないため、きついと感じることが多い。不思議といつも食べきることができるのだが、こういう時パッチールのカフェでシェイクにしてもらえたらとても助かる。
「……眠いね」
「……うん」
 先ほどからアカネが返事らしい返事をしていない気がする。うん、うん、と頭を揺らしている感じだ。カゴの実も落としそうになっている。大丈夫かな、とまた不安になった。
「あ、カイトさんだんだん目が開いてきてます!もうちょっと!」
「仕事……いこっかぁ」
「……うん」
 アカネは完全にイエスマンになっていた。

 *

 目の前を炎と水が飛び交う。水辺付近のダンジョンを当たっていたため、主に水タイプや岩タイプが多いようだ。
 岩タイプは不利だが、ダンジョン事態のレベルはそれほどでもないため、順調に依頼を遂行していく流れだった。僕はカゴの実のおかげか、少し目が覚めてまともな判断ができるようになった(確信はない)。アカネは僕よりも睡眠時間も長く、安眠だったはずなのだが未だに眉間に皺を寄せては眠たそうにふらふらしている。戦えていないこともないが、先ほどから適当に電気ショックを繰り出しているように見える。地面が湿っているので若干危険なにおいがした。
 こちらに向かってくる敵に気づくと、シャロットが勢いよく電光石火で敵に突っ込んでいく。相手は水タイプのコダックだった。炎技はあまり効果がないが、電光石火でコダックに追突する。ドズッと鈍い音がし、その後コダックは吹き飛んだ。これだけでは倒れないので、すかさず彼女は火の粉を吹き付ける。コダックは基本的に戦いに執着のあるポケモンではないため、すぐに戦意喪失した。シャロットはすっきりとした顔で先に進んでいく。割とバトルが好きなのかもしれない。
 と、ここでアカネが動き出した。ぼけっとしてはいたが、シャロットに思い切りチーム真ん中をとられていることに焦りを感じたようだった。僕も一応そうではあるものの、プライドとかはどうでもいい気分になっていた。なんとなく気が楽なような、そうでないような、ふわふわした心地である。

「アカネさん!大丈夫ですか?」
「……大丈夫よ」
 そう言うと彼女は目をこする。まだ眠たそうだが、どうにかなりそうだ。先ほどまで炎をまき散らしていたシャロットも落ち着き、僕たちと並んだ。

 その日の依頼は、僕たちが若干足を引っ張っていたような気もするようなしないような、だったが……何とか完遂することができた。




■筆者メッセージ
気まぐれ豆雑談

作者「次新章だよ!うっかりそのまま書いちゃう可能性あるから書き残します」
リオン「なんで章が移行するまでにこんなに時間がかかるんだ……?」
ステファニー「でも、原作には影も無い立ち位置であるオリキャラの私たちからすれば……まぁありがたいよ。
       出番増えるから……」
作者「なんと……オリキャラは常にそんなことを考えて……(´Д⊂ヽかなしい……」
リオン「オリキャラを持ち上げろ」
ステファニー「もっと出番よこせ」
作者「オリキャラの本音こわ……」

主人公の二匹には、人格や容姿設定がオリジナルであっても、出番があることが約束されているのだ……。



ミシャル ( 2016/01/10(日) 20:49 )