ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜
















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一章 茜色の花歌
やさしい先輩-22
 ギルドに着くと、ペリーがバタバタと忙しなく羽を羽ばたかせながら僕達の方へ駆けつけてきた。幸い僕もアカネも軽い怪我だったので大事には至らなかったものの、一つ間違えれば大惨事だったことは確かだ。後に聞いたのは、アレはBクラスのお尋ね者だったという話だった。本来お尋ね者ポスター方に乗る筈だった依頼だった、とペリーは話していた。あの時ブレイヴが来なければ流石に不味かったという話だ。流石のアカネも顔を青くし、話を聞いていた。
 ブレイヴは、依頼から帰ってきた後すぐに僕達の応援に向かわせられたらしい。休む暇を奪ってしまって申し訳がないと思いつつ、とても感謝していた。
「何か……悪かったわね。疲れてんでしょ」
「そんなこと無いよ。それに、私達話を聞いて初めての後輩に会いたいなーって思って。リオンも後輩欲しがってたよね?」
「あ、え?え?まぁ」
 ステファニーの問いに一瞬困ったような表情をして答えるリオンは、どうやら気遣っているような顔をしていた。見ているだけで頬が緩む二匹だが、一応先輩である事を忘れてはならない。
「私達の部屋は二匹の部屋のまっすぐ行って部屋を通り越して、斜め右だから、何か分からないことがあったら言ってね」
「それじゃ」
 そう言ってステファニー達は部屋の方へと歩いていく。僕とアカネも、後に治療を受けすっかり回復した頃、大分苛立ちが収まってきたアカネと雑談を楽しんでいた。出会って二日、大分僕の事を考えてくれるようになったのか僕の質問にもちゃんと受け答えしてくれるようになる。
「でもアカネすごいよね!電気ショックだけで相手を戦闘不能にするなんてさ」
「すごくないわよ。全身濡れてる相手に電気を流したら大抵そうなると思うし。一時的な麻痺状態になっただけなんじゃないの?」
「うーん、そうかなぁ。僕ね、今日の依頼怖かったけどちょっと楽しかった。アカネが前に出てきてくれたり、助けてくれたりして嬉しかっいたいいたいいたい!!」
「べ、別にそんなつもりで助けたんじゃないから!あんたが居なくなると私が後々苦労するでしょ!」
 少し頬を赤くしてそう良い張るアカネがどうしようもなく可愛らしく見えた。いや、別に恥じらいが無いわけではなく。僕だって実際恥ずかしくはあるのだが、何と言えばいいか、どう表現すればいいのか分からないので、ここは弁解しないでおこう。
「とにかくもっと強くなるのが一番ね。明日から一日に何個かの依頼こなすわよ」
「え!?で、でもアカネそれ」
「うっさい!あんただってレベル上げて強くなんないと、後後どうなるか分かんないでしょ!」
 そう言ってプイッと顔をそむけた。アカネの気持ちも分からないことは無いが、一日に依頼を複数は……と項垂れる。今日のは特例だから、普段はそんなに大変ではないのだろうけど、初っ端から今日のような仕事はごめんだな、とため息をつき、明日の準備を始めた。

ミシャル ( 2014/06/20(金) 17:24 )