ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜
















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一章 茜色の花歌
殺意の岩場-17
「地図によれば、多分ここが『しめった岩場』だね」
「……この世界のポケモンは本当にネーミングセンスそのまんまね」
 アカネがそうぼやいた。じめじめとした岩場。足元はかすかに濡れている。蒸発した水が空気に漂い、モンモンとしたかすかな暑さとかなりの湿度を感じた。
 正直炎タイプの自分には、得意か不得意か分かりづらい場所だったが。先ほどのぺラップの話によると、この岩場は主に水、岩タイプが多いらしい。すると、やはり僕には少し不利だろう。アカネも、現在電気タイプの技を使えないと言っていたため、かなり不利な状況だ。僕たちのレベルからすればそう難しくもないと言えるダンジョンだと言われているが、実際僕たちを行かせるためにペリーがそう言っただけかもしれない。とにかく、最後まで気を抜いてはならないということだろう。
 岩場に入ると、足を踏み込んだ途端に周りからの殺気、殺気、殺気。様子がおかしい。普通のダンジョンでは無い、そう思った。
 野生のポケモンには攻撃してくる者と、そうでないものがいるが、このポケモン達は明らかに全てが全て僕たちを狙って殺気を放っている。
「あ、アカネ、何か変だよ」
「……ペリーが言ってた、お尋ね者の仕業かも知れない。仮にここのポケモンを無数に瀕死状態に追い込んでいたとしたら無理もない。それに、私達もそうそう変わりはしないわよ」
探検隊はダンジョンに入るためなら敵を撃破しなければならない。それはアカネでも分かっていることだった。
「気を張っていくよ」
「うん」
 ゆっくり、確実に進んでいくと、ゆらり、ゆらりと何かが動いた。それは、確実にアカネを狙っている。危ない、と思いアカネに声をかけようとした。
 するとアカネはバッグから何かを取り出し、岩陰に飛び込み、少しした後少しだけ腕に傷を作って帰ってきた。
「あの、何してきたの?」
「石の礫よ。遠距離用の道具だけど、距離は近い方が確実だと思って。大きい奴で殴ってきた」
「うっわぁ……」
「な、なによ。あんただってそのうち口から出した火で相手を黒こげにすんでしょ」
「いやまぁ、そうだけど。一々そんなことしてたら傷だらけになっちゃうよ?やっぱり電気タイプの技使えるようになろうよ」
「あんた使い方知ってるわけ?できるんだったら教えてほしいわよ」
そんなことをぐちぐちと言い合っている場合ではないというのに、なんだか随分お気楽だね。と言いたげな顔で、ゆっくりと歩いていると、アカネが何かに気づいたように声を漏らした。
「あ………」
「どうし………ちょっとアカネ!?」
 声を漏らしたとたんに、何かを見る目が変わった。僕に返事をする前にアカネは僕を無視して走り始める。それはとてつもなく早く、追いつけそうもない。途中で追うのを止めたが、その時には気づいていなかった。
「………なっ……」
 アカネも居ない場所で、殺意に侵されたポケモン達に囲まれていた事

ミシャル ( 2014/06/18(水) 19:46 )