一日の始まり-15
「起きろぉぁおぁおぁおぁおぉおぉあおぁ朝だァァァァ!!!!」
「ひぃ!!」
いきなりとてつもない音によって起こされる。いったい何事かと周りを見渡すと、そこには一匹のドゴームが佇んでいた。アカネはどうしているのかと思い、隣のベッドを見るとアカネの毛布は綺麗に畳まれ、隅の方においてある。そしてアカネの姿は忽然と消えていた。まさか、と思いドゴームの方を見ると、腕を組んで軽くため息を付いている。
「アカネならとっくに起きだして朝礼場にいるぜ。紹介が遅れたが、俺はゴルディ。種族はドゴームだ。宜しくな!それはそうと、もうとっくに集合時間を過ぎてるぞ!早く来い!俺まで巻き添え食らいたくねえかんな」
「ま、巻き添え?」
「うぐ……親方のアレを考えるだけでゾッとする。それはお前がマジで遅れた時に知った方が良い……とにかく早く来いよ!」
そういうとゴルディは焦ったような顔をしてスタスタと部屋を後にした。僕も急がねばと思い、昨日チーム承認後パトラス達に貰ったバッチや白いスカーフ、トレジャーバッグに遺跡の欠片を持つと部屋を急いで後にした。
広場にはすでに僕を省くポケモン達が集まっているようで、みんなまだかまだかと僕の事を待っていた。
アカネは列の端の方で僕の方を睨むと、フイ、と顔を背けた。
「酷いよアカネ!どうせなら僕も起こしてよ……」
「あんたが自分で起きなかったのが悪い。甘えないでくれる?」
ざわざわと、ポケモン達がざわめき始める「それは酷くないか」とか、「アカネって結構性格キツいとは聞いていたが……」とか、影でアカネの悪口大会が始まった。これは不味いと思い、アカネの方を見ると何も気にしていないかのように前を向いてまだかまだか、と指を忙しく動かしていた。
「静粛に。お前達、気持ちはわかるがカイトの顔を見てみろ。陰口を言ったからってカイトが感謝だのなんだのする筈がないだろう。お前達がどうのこうの言っても仕方ない。……全員集まったな。それでは、朝礼を始める。親方様、前へ」
ペリーが軽くフォローすると、パトラスが部屋から出てくる。僕たち全員が静かにパトラスの言葉を待っていると、パトラスはゆっくり口を開いた。
「皆!今日も頑張っていこう!」
「おー!」と僕とアカネ以外の全員が声を上げると、皆が皆散り散りになった。どうやら仕事場に就くようで、僕とアカネは何をすればいいのか分からない。アカネはただじっと佇み、腕を組んで何かを考えていた。
「…………悪かったわね。あんたまで変に思わせた」
「……え。えっ!?いやそんな、本当に僕が悪いもん。ごめんね、アカネにあんなこと言わせて色々と……」
アカネが自分から謝ったことに驚いた。絶対に謝ったりはしないタイプだと思っていたので、少し感動してしまう。
「おいお前達。何をボーっとしている。仕事を説明するからこっちへ来なさい」
ペリーが羽で僕たちを手招きすると、黙って梯子を登って行った。