ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜
















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一章 茜色の花歌
チーム結成-11
 ペリー、というのは、このぺラップの名前だろうか。分からないが、おそらくそうだろう。ぺラップが扉を開けると、私たちの方を向いて中に入るよう言った。ゆっくりと中に入っていくと、そこにはピンク色のポケモンが後ろを向いて座り込んでいる。確か、カイトの話に出てきたプクリン、というポケモンだっただろうか。こちらに気づいていないのかあえて振り向かないのか、彼は後ろを向いたままこちらを向かない。
 すぐ目の前に来てみても動かないので、流石に困惑した表情のぺラップが「親方様?」と呼びかける。すると、ピクリと体を揺らし、ゆらりとこちらを振り返った。
「嗚呼、ぺリー。その子たちは?もしかして新入り?」
「はい。先ほどギルドに入りたいと申し出てきまして……チーム登録の為、お連れしました」
 そんな会話を聞いていると、カイトが私の肩をツンツンとつつき、小さな声で話しかけてきた。
「探検家プクリン。とにかく強くて功績のある探検家なんだって。僕生で見るの初めてだよ。ふへ、嬉しい」
「あ、あっそ。そんなに強そうにも見えないけどねぇ……」
「はは、確かにそんなに強くはないかもしれない。君がどれだけの力を持ったポケモンかはまだ分からないけど、僕の上にいるポケモンなんてたくさんいるだろうし。でもちょっと怒ると怖いよ?僕」
 会話が聞こえていたのか、私の言葉にプクリンは反応を示した。隣を見ると、カイトの額に汗が伝っている。不味い事を言ったのではないかと、この時ばかりはそう思った。
「全く!失礼なことを言うんじゃない!親方様を愚弄するとは……」
「いいんだよペリー。僕だって分かってるし、そう思う人だっているよ。……あ、そうだ。自己紹介しなきゃね!僕はパトラス。このギルドの親方だよ。」
「私はペリー。覚えておいてくれ」
「あ、えっと、僕カイトって言います。宜しくお願いします!」
「………アカネ。」
「カイトとアカネだね。じゃあ、さっそくチームを登録するから、チーム名とチームリーダーを決めて欲しいんだ」
 チームリーダーは私だ。だが、チーム名を決めていなかった。チーム名なんて妙に幼稚な話だな、と思ったが、どうやら本当にきめなければ登録できないらしく、私も少し頭をひねっていた。すると、私の肩をたたいたカイトが嬉しそうな顔でチーム名の案を出してくる。
「ねえねえアカネ!チーム『ポケダンズ』っていうのはどうかなぁ」
「は?何それだっさ。もっとマシなの考えなさいよ」
「うぅ……ポケモン不思議のダンジョンズの略で言ったつもりなんだけど……ださいかなぁ」
 「ださい」とはっきり言うと、カイトは項垂れてしまった。さすがに言いすぎたと思ったが、こいつの事だからすぐに立ち直るだろう。それよりチーム名だ。やはり自分も彼も納得するようなチーム名でなければ、成り立たないだろう。別に、ハナから全て協力プレイでやろうとは思ってはいないが、せめて響きの良いチーム名にしよう。
例えば、そう、
「じゃあ、アカネ、何か好きな花の名前とかある?チューリップとか、向日葵とか」
「………………ッカス……」
「え?何か言った?もう一回」
「………クロッカスよ。好きな花。クロッカス。もうチームクロッカスで良くない?」
「わわ!良いねクロッカス!花言葉とか、そういうのもあるの?」
「………あっ………いや、別に深い意味は無いし!べ、別にそんなのどうだっていいでしょ!チームクロッカスでお願い!」
「花言葉知ってるの?アカネ」
「うっさいちょっと静かにして」

 花言葉”私を、信じてください”

ミシャル ( 2014/06/14(土) 09:24 )