ポケモン不思議のダンジョン〜時の降る雨空-闇夜の蜃気楼〜 - -序章-
影光-0
 闇に轟く断末魔は、ずっとそばにいた友人の物だった。迂闊だった。本当は、もう少しのところだったのに。まさか、こんなところを狙われるとは思っていなかった。否、入り込んでくるなど想定できることではなかったのだ。
 黒い影は絶望に加速する未来の背中を、さらに強く推したようだった。もはやここまでかもしれない。そう思った時、闇が砕け、意識も消えていく。
 私はいいのよ。嗚呼、どうか、あなただけは
「生きていてください」
 絶望の間際に思ったことを、私らしくもなく、小さく口にした。
 私が望む未来では無くても構わないから、あなただけが佇んでいる未来でも構いません。だから、どうか、私の事は、放っておいてください。あなたの足枷になるなら、私は居なくて構わない。


ミシャル ( 2014/06/10(火) 22:51 )