新キャラ濃そう…(ハルキside)
「せつな?見ていませんわねぇ?」
「見張り番をしてるのにわかるかー!」
「ワタシは見てないね」
「ペラップー!」
「友達のせつながいたらすぐに気が付くよ♪ともだちともだち〜!」
「せつなは知らないゲス…」
ギルメンに訊いて回っても、結局我が探検隊のリーダーは見つからなかった。
途中でマナフィはペラップに着いて行って離脱しちゃったし。あといつも思うのだが、どうしてビッパはゲスゲスと下っ端っぽい話し方をするのだろうか。
いない、いない、何処にもいない。
「せつなぁ…」
俺は現在、ギルドの地下にある掲示板の前で陰鬱な空気を放っていた。お陰で探検家の皆様は近寄れず、営業妨害もいいところだ。
だけど今の俺には、周りに気を使える程の余裕はない。
まずい、本当にまずい。マジの方で相棒に見限られたかもしれない。
「あっ、ハルキっちじゃん!」
…………。
「悪いね、俺の耳は聞きたくない人の声をシャットアウトする仕組みになっててさ」
「都合の良い耳だねぇ!そんなにボクと話したくない!?」
「お尋ねになっている相手は現在、貴方とお話したくないようです」
「通話拒否みたいにいわないで!」
かったるい。真面目に悩んでいる今は一番聞きたくない相手だ。
仕方なく顔を上げると、そこに立っていたのは超童顔なフシギダネ。
彼は俺達のライバルである探検隊、ポケダンズのリーダー、フロリアだった。
「あのねフロリア。見ての通り俺は君と話してる暇はないんだよね」
「せつなっちに置いてけぼりにされちゃったんだね、うん理解!」
「………」
その通りだけどうぜぇ。
「でもね、真面目に悩んでるハルキっち、」
「サラッと心を読まないでくれるかな」
「本当にやばいかもしれないよ」
「………何かあった?」
その大きな赤い目を細めたフロリア。一瞬にして探検隊の顔に様変わりした彼に、こっちも緊張する。
「トレジャータウンを妙な二人組がうろうろしてるみたい」
「この街に変人が多いのはいつものことじゃない?」
探検隊達が集まる街なのだから当然である。ちなみに「ともだちともだち〜」が口癖の某親方様も、目の前のこいつも、例に漏れず立派な変人である。
「それが違うんだって。フードで顔隠してこそこそしながら、ハルキっちとせつなっちのこと嗅ぎ回ってるの!」
ほぼ間違いないそいつはせつなと何か関係がある。
「…ありがとう、フロリア」
俺はフロリアにニッと笑って見せた。不敵な笑みと評される得意の笑顔だ。
「俺、せつなを探してくるよ。君の相棒さんによろしく伝えておいてね」
「うん、ハルキっちはそうでなくちゃ!」
フロリアに見送られて、俺はギルドを飛び出した。