04
「いや、お美しい!僕はここまで美しい方を見たのは初めてです!」
目の前の二ドランは言った。
目は完全にハートマークで、体は微妙に震えている。
何こいつ!?
「僕一生ついていきます!いや、ついていかせてください!」
私は引いているが、キイはそれ以上に驚いているようだった。
「ルノってメロメロ使えたんだね・・・。」
「しるか!」
キイは私の顔をまじまじ見て、よく見ればカワイイだとか言い始めた。
オスなんて大嫌いだーーー!!!
まあ・・・。
これは都合がいいかもしれない。
ここの山のポケモンなら、コイルの居場所を知ってるかも。
「・・・あのさあ、二ドラン・・。」
「ハイ!なんでしょう?」
忠犬か!
「私たち、救助隊なn「なんと!救助隊とはかっこいい!!」
待て!ふせだ!お預けだ!!!
ちょっとまてよ!
忠犬なら待てよ!
はあ、はあ・・・。
・・・こいつといると疲れる・・・。
「コイルを探してるんだけど、知らない?」
「あ、いますよ。」
あっさり見つかったよ!
「ホント!?じゃあ案内してよ!」
キイが言う。
え、ちょっとまて。
それだと強制的に仲間になってしまうのでは・・・。
「ハイ、喜んで!」
よろこぶなー!!
すこし開けた場所についた。
中央にコイルが二匹いる。
「モシカシテキュウジョタイカ?タスケテクレ、ビビビ!」
「タスカッタ!ビビビ!」
「そうだよ、ボクたちは救助隊さ。まってて、今助けるからね。」
二ドランはほめてもらいたそうにちらちらこっちを見ている。
私はそれを無視する。
そう簡単にほめられると思うなよ。
「えーと・・・どうやって離そうか。」
「無理やり引き離しますか?」
二ドランとキイの会話に、コイルたちは震えあがる。
磁石なのに痛みを感じるのか・・・。
「かして。」
私はコイルを引き寄せると、キイのほほも引き寄せた。
「いふぇふぇふぇ。フノ、アイフィフェフホ?(訳:いててて。ルノ、何してるの?)」
「キイ、でんじは!」
キイはもごもご言いながら言うことを聞いた。
弱い電気がコイルの中を流れ、バチバチと音が鳴った。
「ア、アレ?・・・ヤッター!カラダガハナレタゾ!」
「ナゼデンジハデハナレタ?」
私はバックからクラボの実をとりだしながら、説明した。
木の実って意外とやくにたつな。
拾っといてよかった。
「洞窟の電気でくっついちゃったんでしょ。だったら同じ電気でとれるはずだ。」
キイは私から受け取ったクラボの実をコイルたちに渡しながら、感心したようにうなずいた。
「すごいね。まるで人間みたい・・・。」
ギク・・・。
そういえば、キイに言ってなかったな。
人間だってこと、だれにも言ってないや。
まあ、そのうち話そう。
「すばらしい。美しいだけでなくインテリなんですね!」
いろいろうるさいニドランを引きずって、洞窟を後にした。
「ジャア、コレハオレイダ。ホントウニアリガトウ!」
「えっ、こんなにいいの?」
コイルたちのお礼ははずんだものだった。
500ポケに復活のタネ、さらにチーゴの実まで。
これはさすがに・・・。
「イイノダ。ナカマガタスカッタノダカラ、コレデモタリナイクライダ!」
仲間のコイルはにっこり笑って言った。
私も微笑んで、
「じゃあ、いただこうかな。」
言った。
「ルノ!」
「いいんだよ、キイ。初めての報酬、だろ?」
キイはしばらく黙って、うなずいた。
「・・・うん。」
いつのまにか、外は真っ暗だった。
うるさい二ドランはキイの家に連れて帰ってもらった。
「あの華麗な技さばき!明日も見せてくださいね!!」
最後までうるさかった。