03
「はあ、はあ・・・。」
前足で汗をぬぐう。
きつい斜面に強い敵。
はしって助走をつけ、体当たりでエレキッドを叩きつける。
攻撃技が体当たりしかないのも辛い。
だが特殊な技を覚えていても、私に扱えないのは分かっていた。
とりあえずそれらしい行動をすれば技を繰り出せるのは分かったが・・・。
体当たりはそのまま、しっぽをふるもそのまま。
キイによるとレベル8では手助けも覚えているらしいのだが。
やり方わかんねーよちくしょう。
ニドラン♂がひっかくを繰り出してきた。
たまらず岩陰に逃げ込み、逃げていくのを待った。
ニドランは特性毒のとげだからな・・・。
接近戦の技しかだせない私には不利だ。
しばらくして、二ドランはあきらめて帰って行った。
「あっぶねー・・・。」
「あ、ルノ!階段、見つけてよ!」
まじか!
「お手柄だキイ!案内しろ!」
野生ポケモンに見つからないうちに。
キイは細い道に入り、地面についている傷を見ながら走った。
どうやら目印らしい。
「着いたよ。」
開けた場所についた。中央に階段がある。
周りはきりたった崖に囲まれ、空は削られて小さくなっていた。
「・・・。」
・・・?
「キイ、なんか言った?」
「いや・・・なにも?」
そうか。
「・・・。」
「ほらー。言ったでしょ。良いからはけ。」
「最後の言葉なに!?なにも言ってないってば。」
じゃあ・・・なに?
「・・・。」
冷たい、ぞっとするような風が、私のほほをなでた。
これは・・・!
「キイ!」
キイの腕をつかみ、引き寄せる。
ストン!
さっきまでキイがたっていた場所に、紫色の針が刺さっていた。
「毒針!?」
ストン!ストン!
毒針は絶え間なく降り注ぐ。
暗闇から発射される。
あまりに当たらなかったからなのか。
毒針の持ち主が姿を現した。
ニドランだ!