02
ざく、ざく、ざく、ざく・・・。
冬の冷気で凍った地面が、私の体重でつぶされていく。
「こわいよお・・・。」
黄色い標的がつぶやいた。
さっき考えたのだが、これ完全に地球外生命体だよね?
森の手前で残ったあの蝶々も、やけにでかかったし。
地球危ないぞ。侵略されちゃうぞ。
なんて妄想しているうちに黄色い物体は早足気味に歩いて行く。
ったく、こんな森深くになんの用事があるのやら・・・。
私はため息をつき、目の前にあった邪魔な枝を押しのける。
その拍子に、枯れた葉っぱがばらばらと落ちた。
・・・。
道じゃないところ歩くって意外とつかれるのね・・・。
立ち上がると見つけてくださいって言ってるのと同じだし。
4本足で歩かなきゃいけないんだよね・・・。
そう思いながら、私はまた一歩足を進めた。
しばらく歩くと左右を木に囲まれた、広場のような場所に出た。
その中心に、あの黄色い奴がいた。
こちらに背中を向けている。
―いまだ!
私は気がつかれないように立とうとした。
・・・立とうとしただけだった。
つまり、たてなかった。
うまくバランスがとれずに、後ろにひっくり返る。
そのとき・・・。
ふわふわした何かが腕に当たった。
茶色い、狐のようなしっぽ。
そしてそれに当たった腕もまた―・・・。
茶色だった。
「えっ・・・?」
腕・・・前足だけではない。
後ろ足も、頭も、茶色だった。
胸には白いもふもふ、さらには頭に耳がついている。
「え、えっ・・・!」
思わず大声をあげる。
黄色い生き物が振り返った。
・・・しまった。
気づかれた。
ってそんなこと別にどうでも良くて!
私は・・・
イーブイになっている!