キバとグランブル2
バトルは進み、マサフミのポケモンは残り2体、挑戦者のポケモンは1体となった。
挑戦者の最後の一匹であるオニゴーリは体を震わせて威嚇している。
「行けキバ!」
マサフミの声が響き、一匹のガブリアスが登場した。
「見てよグランブル!あれがキバだよ!」
先程まであまり関心がなかったグランブルだが、キバには興味があるようだった。
画面に顔を向けた。
「キバ!げきりんだ!」
「れいとうビームで迎え撃て!」
2匹はそれぞれ指示を聞きわけ、行動に移った。
キバは鋭い爪を振り回しながら物凄いスピードで突進する。
オニゴーリは口に冷気を集中させ、ビームを放とうとしている。
だが、キバが攻撃するスピードの方が上だった。
れいとうビームを撃つ前にげきりんを喰らってしまったのだ。
「オニゴーリ!もう一度れいとうビームだ!」
挑戦者が必死に指示をするが、オニゴーリはそれを聞く前にキバの追撃を喰らっていた。
体ごとタックルされ、オニゴーリは後ろに吹っ飛ぶ。
その瞬間、リングから音声が流れた。
客席から歓声があがり、エンドロールが流れ始める。
「やった!キバがまた勝ったぞ!」
そう言いながら、フウタはグランブルの表情を見てみた。
グランブルの瞳は太陽のように輝いていた。
キバに見入っていたのだろう。
グランブルにはこの瞬間から「目指すべき目標」が生まれたのである。