一話
ウバメの森のグランブル


 ジョウト地方のウバメの森に一匹のグランブルがいる。
グランブルは寒がっていた。当然だ。今は冬なのだから。
いつもは森中にいるナゾノクサやコダックもめっきり姿を見せなくなった。


 グランブルは温もりを求めて北へと歩き出した。
北には大都会・コガネシティがある。
もちろんグランブルはそんなことは知らない。
微かな温度の違いを見分け、温もりのある方へと歩いているのだ。


 そのうちグランブルは一匹のラッタに出会った。
ラッタは気が立っていた。
冬が本番になる前に少しでも多く栄養を取り入れなければならないのだ。


 ラッタは一瞬の間にグランブルに飛びかかった。
体を噛みつかれ本能的に命の危機を悟ったグランブルはすぐに反撃を開始する。


 力いっぱいラッタにのしかかった。
体格差はグランブルのほうが上である。
思わぬ傷を負ったラッタはヒワダタウンの方向へと逃げ去っていった。

 
 グランブルは歩き続ける。空が暗くなってきたころ、コガネシティの街灯の光がちらつき始めた。


( 2013/09/16(月) 18:43 )