生きたいのですわ
ズヴークは辺りを見回すと、席に着き、落ち着いた口調で話した。
「私、昔とある友達がいましたの。」
「そりゃ、友達くらい…」
「その友達、いきなり自殺してしまったの」
「えっ…?」
いきなりこんなこと言われて驚く以外の反応ができるのか?
ズヴークは話を続ける。
「その子、親からあまり愛されていなかったの。
だから、自分を大切に思ってくれる人なんていないと思って、自殺したの。」
「そ、そんな…!」
その事実に胸を突かれたようになる。
「私はその子を大切に思っていたのですわ。
でも、彼女は…。」
視点を下げて話を続ける。
「…」
突然、顔を上げ、決意の目に変わる。
「私、その子の分。その子のために、生きようとかんがえますの!」
ズヴークは僕に近づく。
「この世から意味なく命が消えるのは誰にとっても不本意ですわ!
だからサウも…もう一度、考え直して欲しいですわ!」
ズヴークはそう言うと勢い良く森に飛び出した。
…僕はこの小屋に一人ぼっち。
いや、置いてけぼり。