逝きたいんです
ズヴークと入った森の中には、所謂小屋という物が有った。
森の中にひっそりと佇んでいる。
でも木でできていて、森の景観を壊していない。
「こういうの、好きでしょ?」
「うん。
部外者が作り上げたのに、ちゃんと調和してる。」
「そういえば、さっきから気になってたんだけど…
汝の名前、何?」
え、いきなり汝とか言われても困りますよそれ…
それはさておき、質問に答える。
「ハズィナ=サウ
だよ?」
「へぇえ…いかにも憂鬱。」
「な、なにそれ!
僕の最期の名前だよ!」
「そんなことさせないって。」
ズヴークは小屋のドアを開けて、僕を促す。
後あと面倒になりそうなので、入った。
「貴方、いきたい?」
「どっちの…ですか?」
「好きな方でいいわよ?私が認めるわ。」
「じゃあ消える方で。
もちろん、逝きたいですよ?」
「本当に?」
「はい。」
「どうして?」
「どうし…どうしてって」
ズヴークは僕を真剣な目で見つめてくる。
思わず怯みそうだけど、これで怯んだら僕は消えられない。
ズヴークは息を吸って、僕に話しかけた。