141話 神々の戦い
「だったら悪いが、有瀬。翔くんとの前にこの僕と戦え!」
最終決戦の地、二つの次元の狭間に存在する制御空間アルティメットゾーンで、ついに有瀬の本当の狙いを知ってしまった。
彼が僕らの次元を破壊すると言っている以上、そうさせる訳にはいかない。
「いいだろう。だが、大切な客人が控えているからね、ここはハーフデッキで短期決戦と行こうか」
「へ? ちょ、一之瀬さんこれ一体……」
「ああ、ごめん。そういえば何も話してなかったね」
完全に話を追いてけぼりにしていた翔くんに、僕と有瀬の行き違いを簡単にまとめて説明し、翔くんを後ろに控えさせて有瀬の前に立つ。
「前にも僕は言ったと思う。ポケモンカードは決して誰かを陥れたり傷つけたりするものじゃない」
「だが、そうは言ってももはや世界の再生以外に平穏が訪れる手段はない。未来あるもののために一部を切り捨てるのは君たちもよくやることだろう。私も、未来あるもう一つの次元のために、君たちの次元を切り捨てる」
「今ここにいる僕らは、君が知り得ない数々の想いを抱えて生きている! 無限の可能性を持つ僕らの未来を、たかが君個人に決められて蹂躙される権利はない!」
「それも言うと思っていたよ。そして次に言う言葉は……」
「「だから、僕なりの本気で君を倒す!」ってとこか」
有瀬は何がおかしいのか、クックックと静かに肩を揺らす。
「だからと言って、そのあるかないか分からないような、不確定な可能性に全てを託すこと自体がおかしいということを。そして世の中には決して抗うことの出来ない運命の流れがあるということを教えてやろう。存分にかかってこい」
バトルベルトの起動ボタンを押す。ベルトの部分が変形し、バトルテーブルへと姿が変わっていく。
対する有瀬は指を鳴らすと、どこからかデッキポケットとデッキだけが宙空に突如現した。そして、もう一度指を鳴らすと有瀬の腰より少し高い位置に、ホログラムのテーブルが現れる。
僕も有瀬と戦うのは初めてだ。互いに戦ったことはないが、僕の本気を知っている有瀬となにも知らない僕では、僕の方が情報的に不足している。
だからこそ、万が一に僕が負けて翔くんが戦うことになっても、決して無駄にはならないはずだ。
僕も自分のバトルテーブルのデッキポケットにデッキを挿入し、手筈はすべて終わらせる。
『デッキポケットとのリンク、レベル2で完了。対戦可能なバトルテーブルをサーチ。パーミッション。ハーフデッキ、フリーマッチ』
「これでも私は仮にも元チャンピオンに挑む身。先攻はもらうよ」
有瀬のバトルポケモンはドーミラー60/60、僕のポケモンはヨーギラス50/50のみ。手札も悪くない、後は有瀬の出方次第だ。
有瀬は首を右へ、そして左へ動かし、最後に肩をぐるんと回す。
「……実際にポケモンカードをするのは私も久しぶりなものでね、いろいろとやらせてもらうよ。手札からスタジアムカードを発動。アルティメットゾーン1st!」
有瀬がホログラムのテーブルにカードを叩きつける。初めから僕らがいる真っ黒な空間に、足下に有瀬と僕を結ぶ方向に一本、蛍光色の明るい緑のラインが現れる。
「1stってことはもしかしてまだあるのか……?」
翔くんが下唇を少し噛みながら辺りを見渡す。確かに、わざわざ番号を振っているということはきっとまだ何かある。
「先に教えてあげよう。私の使うスタジアム、アルティメットゾーンがある限り、互いのプレイヤーは手札からアルティメットゾーンという名前のつかないスタジアムは発動できない」
「なっ……。それじゃあ一之瀬さんは!」
「僕はポケモンの効果とかでないとこのアルティメットゾーンをトラッシュすることが出来ないってことか。……まさしく他の介入を許さない絶対領域だな」
「さらにポケモンチェックの度、自分の手札が六枚より多いプレイヤーは手札が六枚になるようにトラッシュしなければならない」
手札の枚数を制限するカードか。自分の番の終わりにアララギ博士や、サイドを引くことで手札を増やせば、自らトラッシュに送らざるを得なくなる。
「そろそろ次に行こう。私は手札からグッズカードを発動。
SL2
次元超越!」
「オーバーゲート!?」
有瀬のベンチに黄緑色の閃光を放つワームホールが現れる。あれは確かに僕の持つ力、オーバーゲートと全く同じモノだ。
「
SLと名の付くカードは、自分のトラッシュに
SL以外のグッズカードが一枚でも混ざっていると使えない。それに加え、同じ名前のカードがトラッシュにある場合も使えない。さらに
SLはサポートと同様、自分の番に一枚のみ使うことが出来る」
実質的にサポートよりも厳しい効果を持った効果を持ったカードが、これ以外にもある、ということか。
「
次元超越の効果を発動。場にスタジアムがあるなら、自分の山札からポケモンを一枚選んでたねポケモンとしてベンチに出す。私はドータクンをベンチに出す」
黄緑の閃光を放つワームホールから、ドータクン90/90が浮かび上がってくる。普通なら進化させる手間があるため、一進化ポケモンのドータクンを出すためには二ターンかかる。それがあっという間に出てくるだなんて。
「ドータクンに鋼エネルギーをつけ、私の番は終わりだ」
それにしても気がかりなのがあのカード名……。アルティメットゾーンも然りだけど、聞いたことがない。「うち」が作っているカードではないはずだ。
「今君がなにを考えているか、私でも手に取るように分かる。気になるのだろう、オーバーゲートと名の付いたカードが」
「……」
「いつだったか言ったはずさ。ポケモンカードには、ほんの僅かにだが描かれているポケモンの力が封じ込まれていると。
それと同じ原理で、私は出会った正、あるいは負の能力を持つものから溢れている波動をカードにしている。正の力を持つモノは
SL2として。そして、負の力を持つモノは
SL3として。
君らの昔話でも、お札だったり魔導書だったりと、紙と不思議な力に関する記述は多いだろう。それと似たようなものさ。紙というのはなんらかの力の影響をすごく受けやすい媒体のようなもの。それを利用し、コントロールすることで正や負の能力をカードに封じているわけだ。
私自身では持てる力はあまり多くない。だからこそ、こうしてカードに力を集め、疑似的な能力を私も作っている。たとえば私が
SL2
次元超越を所持していることで、本来は私が使えないはずのオーバーゲートを疑似的に使えるようにしているように。
とはいえ、あくまでも疑似的なもの。オリジナルほどの力はない。だからこそ君がいなければ、私はここまで大きなワームホールが作れなかったというわけさ」
「だったら僕の力をカードにしただけでいいはずだ。どうして僕をこのギリギリのタイミングまで側に置いていた!」
「言っただろう。いくら様々な力をカードに出来るからとはいえ、あくまで所詮コピーに過ぎない。オリジナルの持つ力に比べれば大きく劣ってしまう。アルセウスジム杯と騙って大勢の人間を集め、正の力を収集する。その大勢の人間を同じ空間へ移動させて極限の状態を作るためには、どうしてもオーバーゲートのオリジナルである君が必要だったのだ」
「僕はそのために巧いこと言いくるめられて利用されていた、ってことか」
「そう、全ては私の思い通り。今君がこのタイミングで反旗を翻し、私に挑むのも思い通り。もちろんその勝敗もね」
「まるで未来でも見通しているような物言いだね」
有瀬は驚いたように目を丸めると、小さく笑う。まるで子供が大人に困った質問を投げかけたようなそれだ。
「流石に未来は見えないが、望んだ未来を実現のものとする力はある。君は私に勝てない。そうなるように布石はすでに打ってきているし、これからもまだ布石を打たせてもらう。さあ、そんな話はよしとしてそろそろ続きをしよう」
アルティメットゾーンに
SL。見たことも聞いたこともないカードと戦わないといけない以上、警戒が必要だ。それがどんな力を持っていたとしても、慌ててはいけない。
「僕のターン! 僕はヨーギラスに悪エネルギーをつけ、ポケモン通信を発動。手札のダークライ&クレセリアLEGENDの上パーツを山札に戻し、バンギラスグレートを手札に加える。ヨーギラスでドーミラーに攻撃。突撃!」
とてとてと空間上を走りながら、ドーミラー40/60に頭から突っ込んでいく。しかし、その反動としてヨーギラス自身も10ダメージを受けてしまう。
「次は私の番だ。ドーミラーに手札の水エネルギーをつける。そしてドーミラーの水エネルギーをトラッシュし、ベンチのドータクン(90/90)と入れ替える。続けて手札から
SL3
次元航海を発動。自分の場にスタジアムが存在するとき、自分の山札からスタジアムを一枚選んで手札に加える。私が手札に加えるのはアルティメットゾーン2nd」
やはりアルティメットゾーンと名のつくカードは他にも存在していたか。そしてわざわざドーミラーを下げたのはドータクンで攻撃をするからだろうか? それともドーミラーを守るためなのか?
「……それではドータクンでワザを使う。伝説の兆し!」
ドータクンの体が光り始め、二つの赤い目が虚空に向けてプロジェクターのように大きな影を映す。形無きスクリーンに浮かぶ姿、あれは……ディアルガとパルキアの影絵か。
「伝説の兆しの効果だ。自分の山札に眠る伝説ポケモンを一組加える。私が加えるのはパルキア&ディアルガLEGENDをワンセット。これで私の番は終わりだ」
伝説の兆しは
次元超越とは違い、ポケモンを手札に加えるだけ。となるとLEGENDが現れるのは次の番以降になる。ならばLEGENDが力を発揮するまでが、僕に与えられた猶予の時間になる。
「僕の番だ。手札の不思議なアメを使い、ヨーギラスをバンギラスグレート(150/160)に進化させる! そしてサポートカード、チェレン。山札からカードを三枚引く」
チェレンの効果で引いたカードを確認する。レジェンドボックスがここで来た。手札にLEGENDカードはない。サイドにLEGENDカードが混ざっていないのは、ポケモン通信の際に山札を確認したから間違いない。だとすると、残りの山札が十五枚だから三分の二でLEGENDポケモンが出せる。……どちらにせよある程度のリスクは背負わないと勝てる相手ではない。
「手札からレジェンドボックスを発動。山札の上から十枚確認し、その中に伝説ポケモンが一組揃っている場合ベンチに出す。そしてその後確認した十枚の中にあるエネルギーをその伝説ポケモンにつける」
「ほう」
上から順にアララギ博士、ダークライ&クレセリアLEGEND上パーツ、悪エネルギー、悪エネルギー、研究の記録、超エネルギー、サナギラス、チェレン、ダークライ&クレセリアLEGEND下パーツ。
「よっし、ちゃんと一組揃ってる! しかもエネルギーが三つもついた状態だ!」
「ダイレクトアクセス。D2からAZへ! パターン『E&E』、リミットワンハンドレッドフォーティ、座標の認証、クリア。構築ゲートの影響、OK! バックアップシステムにIを選択! 陰と陽が交わりしとき、夢幻の力は解き放たれる! エマージ! ダークライ&クレセリアLEGEND!」
ベンチエリアに開いた黄緑色の大渦から、深い闇のような衣を纏ったダークライと、薄ぼんやりと体が発光するクレセリア150/150が降臨する。
「先にLEGENDポケモンを出してきたか」
「この勝負において後手に回るつもりはない! 速攻で押し潰す! 手札のダブル無色エネルギーをダークライ&クレセリアLEGENDにつける。そしてバンギラスグレートで攻撃。悪の雄叫び!」
バンギラスグレートが深く息を吸い込んで、力の限り雄叫びを放つ。その声はバンギラスを中心に同心円状に広がる波紋を生みだして場の全てのポケモンに襲いかかる。
「悪の雄叫びは場の全ての悪タイプ以外のポケモンに20ダメージを与える。バンギラス自身とダークライ&クレセリアLEGENDは悪タイプなので、ダメージを受けるのは有瀬。君の場のドータクンとドーミラーだけだ!」
悪の雄叫びを受け、大きく後ろへ圧されたドータクン70/90とドーミラー20/60。もう一度悪の雄叫びを決めればドーミラーはまず倒せる。
「なるほど、悪くない手だ。ならば今度は私のターン。前の番にドータクンの能力で手札に加えたこいつらを場に出す」
来る、やつのLEGENDカード。恐らくエースカードだ!
「リソースコードAZ、モータルオブジェクトの構築。コールコードAS160。時と空間を司りし神よ。今その力を我が元へ! クリエイション! 生誕せよ、パルキア&ディアルガLEGEND!」
空間が歪み、まるでガラスが砕けるかのように割れていく。割れたきっかけを大きな両手がそれを無理矢理押し広げ、異空間からパルキアが。そしてディアルガがこの空間に押し入ってくる。
こちらと目が合うと、パルキアとディアルガが共に威嚇するように雄叫びをあげる。体中悪寒が駆け巡るほどのプレッシャーだ。
「パルキア&ディアルガLEGENDに鋼エネルギーをつけ、ここで
SL2
次元加速を発動! スタジアムが場にあるとき、自分のバトルポケモンに手札の基本エネルギーをつける。私は手札の水エネルギーをドータクンにつける。続けてサポートカード、アララギ博士を発動。手札を全て捨てることで山札からカードを七枚引く」
有瀬の手札はアルティメットゾーン1st一枚のみ。それを捨てて一気に手札が七枚まで膨れ上がる。
「そして私は場のアルティメットゾーン1stをトラッシュし、手札から新たなるスタジアム、アルティメットゾーン2ndを発動!」
有瀬が指を鳴らすと、足下に引かれていた蛍光色の黄緑の線に、垂直に交わる線が現れる。同じような線が複数現れて、まるで方眼紙やマス目の上に立っているようだ。
「それではバトル。ドータクンでバンギラスに攻撃する。エネリフレクト!」
ドータクンの体から青色の波動が放たれ、バンギラス130/160に襲いかかる。よろけて二歩下がるバンギラスに跳ね返された波動は、放物線運動を描くように移動すると、ドータクンを通り越してパルキア&ディアルガLEGENDに吸収されていく。
「エネリフクレトはダメージを与えた後、ドータクンについているエネルギーを一枚ベンチポケモンに移し変える。水エネルギーをベンチのパルキア&ディアルガLEGENDに移した。さあ、君の番だ」
早くドータクンを倒さなければ、こっちは30ダメージとはいえダメージを受けつつ相手のLEGENDを育て続けることになる。
……にしてもいつもより頭が上手いこと回らない。普段なら、目を閉じて集中するだけでどうすればいいかの最適なビジョンが頭に浮かぶというのに、いくら集中しようとしても、その気持ち自体が集中を阻むようになってしまっている。
「どうした一之瀬。辛そうに見える」
「なんとでも言え!」
「そうかっかしなくても。何れにせよ、『オーバーズ』は入れない程に心は疲労しているだろう。オーバーズが無ければ、いくら君でもそこまで恐れるに足らずだ」
「……まさか」
「そう。だから言っただろう。『君は私に勝てない。そうなるように布石はすでに打ってきている』と。その布石はディープディバイダーだ」
有瀬に言われて入った装置、ディープディバイダー。あれに入ることで僕はスイクン、エンテイ、ライコウ。そしてルギア、ホウオウの代わりにカードのプレイをしていた。あのときは何の疑いも無かったが、あの時から既に現在までのことを予想していたのか。
「ちょ、ちょっと待った。ディープディバイダーってなんだよ!」
「そうか、奥村翔。君は知らなかったな。君が今まで遭遇してきたスイクンやエンテイ。彼らの人格などは私が用意してきたものだが、そのカードプレイングはすべて一之瀬がやっていた。スイクン、エンテイ、ライコウ、ルギア、ホウオウ。この五匹の対戦を同時に行えるようにした装置がディープディバイダーだ」
「……ってことは俺たちは一之瀬さんと既に何度か戦ってきた、ってことなのか」
「そうだ。尤も、ベストコンディションではないけどね。……さて、連続で何試合もAIの代わりにポケモンカードをプレイしていれば、いくら玄人であろうとその心は疲弊する。今の君の精神力は限りなく擦り切れている。君が反旗を翻すように仕組んだのは私なのだから、それに対応出来るようにあえて、必要でもないディープディバイダーを作り、君に操作させていた」
「それに加えて、翔君達をあちこちへ分断するためのワームホールを作るための連続オーバーゲート……」
「その通り。力は精神力を消耗する。肉体的な疲労はないが、それに類する精神力の疲弊は、こういったカードゲームのような判断を要する際には大きく足を引っ張ることになる」
「くっ、僕は手札からグッズカードを発動。ポケモン入れ替え! バトル場のバンギラスをベンチに戻し、ベンチのパルキア&ディアルガLEGENDをバトル場に出す! そしてベンチのバンギラスにダブル無色エネルギーをつける。……たとえ僕がどんな状況であろうと、この勝負に勝てば良いだけだ。ダークライ&クレセリアLEGENDで攻撃。ロストクライシス!」
クレセリアが三日月の形をした薄紫色のエネルギー体を宙に生み出すと、ダークライがその先端を握りしめる。するとダークライが握ったそばから、三日月が黒色のオーラに包まれていく。そしてダークライは振りかぶると、黒色のオーラに包まれた三日月型のエネルギー体をカッターやブーメランのようにぶん投げる。
「ロストクライシスの効果発動! このワザで気絶した場合、そのポケモンとそのポケモンについているカードは全てロストする! そしてこのワザの威力は90。まずはそのドータクンは気絶だ」
三日月カッターに胴体を真っ二つにされたドータクン0/90の姿は、ブラックホールに吸い込まれるように三日月カッターの中へ吸収されていく。だが、それに留まらず三日月カッターはさらに進み、有瀬へと迫っていく。
「まさか……。オーバーゲートで実体化したポケモンのワザも勿論実体化する。その余波で私ごと倒してしまおうという訳か! ……しかし」
三日月カッターが有瀬の体に触れる――ことはなく、有瀬の体を貫通して、三日月カッターは通り抜けていく。
「それは届かない。残念だったな」
「いいや、それはどうかな」
「何!? まさか」
三日月カッターはまだ消滅することなく、有瀬の後方にあるオレンジ色の光で満たされた球体の機械へと進んでいく。
「僕の本当の狙いは、君の背後にあるあの機械だ! あの機械にはアルセウスジムで集めた正の精神エネルギーが貯めてある。それを壊してしまえば、僕らの次元を破壊するほどのエネルギーは生み出せまい!」
「なっ……! 小癪な真似を!」
初めて有瀬の顔に焦りが走る。しかし、有瀬の姿が一瞬で消えてしまうと同時、爆発音と共に三日月カッターが霧散していく。
「……そんな、妨害する物はもうないはずなのに!」
『一之瀬、君の発想には恐れいったよ。しかし、それもあと少しで届かない。……私を誰だか忘れたとは言わせんぞ』
確かに有瀬の声ではあるが、先ほどまでとは違って少しエコーしたかのように聞こえる。爆発の際に生じた煙でまだはっきりとは見えないが、球体の機械の前に立ちはだかる大きな影……。あれこそ有瀬悠介の真の姿。
「アルセウス……」
一之瀬「今回のキーカードはダークライ&クレセリアLEGEND。
ダメージカウンターを操る力と、全てを無に帰す混沌の力。
相手の力も勝機も奪う圧倒的な能力で覆い潰せ!」
ダークライ&クレセリアLEGEND HP150 伝説 悪超 (LL)
悪悪無無 ロストクライシス 100
このポケモンについているエネルギーを2個、ロストゾーンにおく。このワザのダメージできぜつしたポケモンと、ついているすべてのカードは、ロストゾーンにおく。
超 つきのいざない
相手のポケモンにのっているダメカンを好きなだけ選び、相手のポケモンに好きなようにのせ替える。
【特別なルール】
・手札にある2枚のダークライ&クレセリアLEGENDを組み合わせて、ベンチに出す。
・このポケモンがきぜつしたら、相手はサイドを2枚とる。
※「伝説ポケモンのカード」は、「上」と「下」を組み合わせて使います。
弱点 闘超×2 抵抗力 − にげる 2