プロローグ
俺は確かに歩んでいた。
奥に光が見える。俺は着々と一歩一歩を歩み、その光の方向へ進む。そして、その光の一歩先へと足を踏み入れた。そして、その瞬間、会場からは歓声が響き渡る。俺自身、もうこのことには慣れていた。そして、俺はバトルフィールドへと足を踏み入れた。もう何度目か。
広いバトルフィールドの周りが、電流の流れるフェンスに囲まれる。逃げることは許されない罪だ。会場はさらなる歓声に包まれた。いよいよ始まる
試合に興奮しなくてはいられないのだろう。
『試合開始!!』
アナウンスが響き渡った。俺は握りしめたモンスターボールを、前方へ放り投げる。
「行け、マイナン!!」
俺のかけ声とともに、モンスターボールは開き、中からはネズミのような容姿をしており、耳は赤く、頬には+のマークが付いたポケモン、プラスルが光とともに現れる。プラスルは”キュイィ!”と鳴き声を上げ、相手と向かい合った。相手の男は、同じように青い体色のガマガエルのようなポケモンを繰り出した。ガマゲロゲと呼ばれるポケモンだ。が、この程度の相手、どうと言ったことはない。
「プラスル、電光石火!!」
俺が指示すると、プラスルは素早いスピードで駆け回り、ガマゲロゲへ突撃していく。回避行動をとるガマゲロゲだが、早すぎてよけきれない。しかも、連続攻撃のため、もはや、ド壺にはまってしまった状態なのだ。
「ガ、ガマゲロゲ!濁流だッ!!」
男が指示をすると、ガマゲロゲは口から濁った水を放出する。しかし、計算していない攻撃が当たるわけない。俺はさっさと勝負を付けることにした。
「プラスル、目覚めるパワー!!」
マイナンは、周りにエネルギーを海だし、一気に放出した。それはガマゲロゲに直撃し、ガマゲロゲは倒れる。会場からは歓声が上がった。一方のポケモンが倒れるまで戦う。それが、デスマッチのルールだ。俺はプラスルを、ボールに戻し、フェンスが上がって、退場できるようになった会場から、出て行った。
俺は休憩室に向かっていた。そのとき、黒服の男が俺の前に現れる。
「次の
試合・・・。分かっているな?」
「問題ない。」
「分かってるな?次の試合も1対1シングルだが----------------------
相手のジュペッタが現れたら、お前は負けろ。できなけりゃ、どうなるか・・・。」
「分かっている。」
そういって、俺は休憩室へ向かった。そう、次の
試合、俺は勝てない。いや、勝ってはいけないんだ。