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明日から昼飯は中庭で喰おう。そうすれば俺抜きの三人で
駄弁っているだろうから。
そんな決意をした放課後に、何時のように侵入した屋上に俺と『ふたば』は立っている。
肌を突き刺す陽射しの下で、今日のコイントスを実行する。
キィン。と澄んだ残響。まだ高い陽光を反射して金色に光る硬貨。それを、弾いた手で受け止める。
表か裏か。ぞわりと肌が粟立って、心臓の鼓動が跳ね上がる。暑さとは違う理由で汗が噴き出す。
嗚呼。今、俺は生きている。それをこれ以上ない位に感じながら、握り込んだ手を開く。
結果は。
裏。