エトワール・フィランテ〜星降りの夜の導かれし出逢い〜


















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第十二章 聖地サンクチュアリへの訪問〜思索と瞑想と修行と〜
第九十八話 奏でられるは戦慄の旋律〜攻防、光芒、逃亡〜
 突如として渦巻く暗雲を引き裂いて舞い降りたそのポケモンは、遠くからでも身の毛がよだつほどの禍々しい力を全身から放っている。それはどんなに鈍感な者であろうと否応なく感じ取ってしまう。口振りと立ち振る舞いこそ飄々として見えるにもかかわらず、漂うおぞましさはこれまで出会った悪意を持つ者達の比でないくらいであった。あくまでもゆっくりと降下してくるミュウツーを撃ち落とそうとの考えにさえ至らず、リーゲル達も降臨するのを黙って傍観するしかなかった。
「何故そなたがここに……」
 感情を司るサンクチュアリの精霊は、タスマ達が現れた時よりも遥かに動揺した素振りを見せる。これまでいかなる場面でも保っていたはずの平静を失って、顔を引き()らせている。それはすなわち、緊迫の度合いが高まった事を意味していた。
「こうしてまた、見覚えのある者達を見る事が出来るとは思わなかったな。しかも、この因縁の地でな。これこそまさに歴史は繰り返すという証だと、そうは思わないだろうか」
「そうやってまた無闇に荒らしおってからに! せっかくのムードをぶち壊しにしただけでなく、性懲りもなくまたしてもここを狙ってくるとは……! どうしてそなたがいるのでありますか!」
「その時が来たからだ。私はずっと機会を窺いながら、この世界の動向を見守っていた。だが、どうだろう、この平和ボケが蔓延した世界は。つまらない事この上ない。そんな現状に辟易したからこそ、復讐を早める事にしたというわけだ」
 リーゲルは見たことの無いような凄まじい剣幕でミュウツーを迎える。その形相たるや、先程までアルム達と接していた者とは全くの別人のようである。しかし、ミュウツーはそれを凌駕する程の迫力であった。対峙するまでもなく視界に映り込むだけで、氷柱を背中に当てられたような感覚を覚える。抗えないような威圧感(プレッシャー)が、その場の全員を襲う。息を呑んで立ち尽くすしか出来ず、頭数だけ多くても到底アルム達が敵う相手ではないと直感的に思っていた。皆が顔から体の先まで強張らせる中で、唯一この雰囲気に呑まれない者が身を乗り出した。
「ねーねー、何を話してるのー? 静かにしてるのつまらなかったから、ボクも混ぜてよ!」
「ティルは黙ってて!!」
 アルムは声を荒げて鋭利な言葉をティルに突き立てた。そこに普段見せる優しい態度は欠片も残っていない。ただただ切羽詰まった状況に圧倒されており、言葉の刺々しさからも隠しきれない焦りの色が滲み出ていた。ようやくそこでティルも逼迫(ひっぱく)した様子を感じ取り、すごすごと身を引いた。ミュウツーはそんな萎縮しきったアルム達を見下したような視線で舐め回すように見ていく。
「そこにいるジラーチを渡してもらえばおとなしく引き下がろう。“星の断罪者”たるその者の力がどうしても必要なのでな。ついでに将来的に脅威となりうる者を滅ぼす邪魔をしなければ、だが」
「――こいつらには一応恩があるんだ。おいそれとお前みたいな危険な奴に渡すかよ」
 彼は純白の体毛に覆われた腕を伸ばし、鈍く光を放つ爪を向ける。気圧(けお)されることなく敢然と宣戦布告をする姿には、この場の誰よりも雄々しさが感じられる。ザングースのアカツキが示した勇ましさに、心が折れかけていたアルム達も鼓舞されていった。
「そ、そうだ! ティルは絶対に渡さないんだから!」
「ほう。生きの良いのが揃っているようだ。どれ、少し小手調べをしてやろうか」
 ミュウツーは両手を広げて独特の構えを取る。それまでも漂わせていた力が、密度を増して一気に溢れ出してきた。邪悪とも呼べる嫌悪すべき力の奔流に、全身を襲う悪寒に、思わず足が竦んでしまう。
『横に跳べっ!!』
 本納的に何かを悟ったヴァローとアカツキが、同時に声を荒げる。一斉にその場から跳ぶと、アルム達の作る輪の中心で盛大な爆発が起きた。規模は大きくないが、突然の不可視の攻撃に動揺が走って敵愾心も(しぼ)んでいく。
「撃たれる前に撃て! 怯んでたらやられるぞ!」
 狼狽(うろた)えるアルム達を尻目に、真っ先にアカツキが攻撃に移る。自慢の脚力を存分に活かし、“でんこうせっか”の速度で勇猛果敢に肉薄していく。ミュウツーも接近するザングースを迎撃しようと、(かざ)していた腕を下ろして力を解き放たんとする。
 エネルギー弾の銃口が自身を捉える前に、アカツキはミュウツーの腕を薙ぎ払って照準を逸らした。ミュウツーの念の弾は空へと消えていく。さらなる反撃を受ける前に一気に勝負をかけるべく、アカツキは渾身の力を込めた爪の一撃を見舞う。
「力も速度も申し分ない。この時代にもこれだけの手だれがいようとはな」
 しかし、その切っ先がミュウツーの体まで届く事はなかった。屈強なるザングースの腕をがっしりと掴んで離さない。このままではまずいと判断したアカツキは、迅速にミュウツーの手を振り解き、念動力の及ぶ範囲からすぐさま逃れた。一旦体勢を立て直した上で、体毛を逆立てて鋭い眼光で睨みつける。生半可な攻撃ではなかったため、アカツキにも動揺が走る。
 そこへ別の蒼い弾が空気を切り裂いていった。アカツキの攻撃を軽くいなしていたミュウツーを僅かではあるがよろめかせた。その軌道を辿っていくと、そこには瞑想をして蒼い光を纏わせているエムリットとラティアスの姿があった。人質ともなりうるゲンガーとソルロックを不可視の力で捕捉している。
「こいつらは私達が押さえておく! ほんの少しだけど、フルスターリの力を受け取って!」
 二人から抜け出た光がアルム達を優しく包み込んだ。ぬるま湯に浸っているような心地よさと同時に、体の芯から力が漲ってくるのを感じる。外部からの援護をよろしく思わないミュウツーは、腕の一振りによってリーゲルとユーリの周りに強固な念の結界を作り出した。
「あまり邪魔をされても興醒めなものなのでね。暫しおとなしくしていただこう。さて、今度はこちらから行きましょうか」
 わざわざ間を取って宣言をした上で、今度はミュウツーの方から仕掛けてきた。地面すれすれのところを飛び、すさまじい速度で接近してくる。アカツキの眼前まで迫ったところで、瞬間移動の如く視界から立ち消えた。真横に姿を現した時には、振り回した尻尾が視界に飛び込んできた。アカツキは瞬時に反応して両腕で腹部を庇い、後退を余儀なくされながらも打撃を受け切った。ユーリ達の動きを封じるために力を割いているはずであるが、それに伴う力の減退はこれと言って認められない。必死に抵抗するユーリ達の攻撃も念の壁に虚しく阻まれるばかりで、ミュウツーは化け物じみた力を秘めているのだと再度思い知らされる。
「ぼ、僕も加勢を――」
「待て、アルムはティルを連れてシオン達と下がってろ」
 アルムは目の前で繰り広げられる壮絶な戦いに打ち震えていた。手助けが出来ればと思って身を乗り出そうとするが、ヴァローが静かな声でそれを引き止めた。アルムとしても覚悟を決めていただけに、出鼻を挫かれてどうしようかと戸惑っていた。
「で、でも、皆で戦えば何とか――」
「いいや、束になっても敵うかどうか分からないのに、闇雲に全員でかかるのは逆に危険だ。だから、お前は後ろから援護してくれ」
 防御主体のアルムが前線に出たところで、役に立てる見込みは薄い。だからこそ敢えて背後から戦ってもらう事で、危険から離しつつアルムの意思を尊重しようとの考えがヴァローにはあったのである。決して邪魔物扱いされたわけではない。ヴァローの優しさが改めて分かると、緊張の真っ只中にあるアルムの表情も自然と綻んでいった。
「うん、分かったよ。くれぐれも気をつけてね」
 いつになくおとなしいティルを引き連れて後退していくアルムを確認したところで、ヴァローは恐怖を押し込めて勇んで駆け出した。彼とてアカツキと共に時を過ごして何もしていなかったわけではない。修行の傍らでアカツキの戦闘スタイルを教えてもらっていただけでなく、即席でも組んで戦えるようにあらかじめ作戦を練っていたのであった。
 ヴァローも一緒になって近距離戦に持ち込むのではなく、あえて距離をとって待ち構える。その間にもアカツキは目まぐるしく動き回って隙を窺い、ミュウツーが念の力を飛ばす前に“ブレイククロー”を見舞った。衝撃に耐え切れずに前のめりに倒れていくところに、意表を突いて炎がミュウツーの視界に飛び込んできた。アカツキがその場を離脱すると同時に、業火がミュウツーを飲み込んだ。かわす暇がないのは、全身が炎に包まれるところを見届けた時点で確実であった。
 だが、炎が掻き消えても期待通りの光景は見えてこなかった。念による分厚い膜で直撃を免れており、腕の一部に掠った程度の火傷を負っている。それさえも大したダメージではないらしく、軽い動作の後に防御の膜を消し、表情を崩さぬままに地に足を着ける。
「ふむ、中々良い攻撃をしてくるね。では、こちらも少し本気を出そう」
 アカツキの一撃を受けても飄々としている姿を見て、全員が絶句した。それは苦し紛れで虚勢を貫いているのではないと直感的に分かっていた。微笑を潜めて真面目な面持ちになった途端に、全身から更なる力の放出を感じ取っていたからだった。法螺を吹いているのだと思いたかったが、本能は否応なしに警鐘を鳴らしてくる。そして、願わぬ予感は的中する事となる。

 ミュウツーは両手から念の刃の群れを放った。アカツキはその合間を縫って果敢に肉薄し、ヴァローは迎撃のために紅蓮に染まった炎をぶつける。だが、“サイコカッター”は炎を切り裂いて迫ってくる。普通なら相殺するには威力が充分なはずの“かえんほうしゃ”が通じなかった事は、地力そのものが及ばないという証明であった。
 辛うじて三日月形の刃をかわすヴァローの視線の先では、アカツキが俊足で間合いを詰めていく。引っ込めた腕を鋭く突き出し、がら空きになっている敵の脇を貫かんとする。全力を込めた疾風の如き爪の一閃は、数瞬前まで標的がいた虚空を切り裂いた。気配を背後に感じた時には既にアカツキの体は宙を舞っていた。
 師匠たるザングースが一蹴されたのを目の当たりにして、ヴァローも冷静さを失っていた。身の危険を強く感じたシオンやレイルも前に出て、先に遠距離からの攻撃を試みる。火炎が、水流が、雷光が、光線が、未知なる凶悪な敵に迫る――否、それが届くことはなかった。攻撃を放った者達の元にそれぞれ、念力のおまけ付きで返された。
 対応するだけの余力を残していたアルムは、すぐさまドーム状のバリアを仲間の周囲に展開させた。入り乱れた炎達が衝突して凄まじい爆音を上げる。防ぎ切る事には成功したものの、ミュウツーの力も付加されていたせいか、普段以上にアルムに負荷が掛かってその場に崩れてしまう。シオン達が揃ってアルムの身を案じて振り向いている合間に、ミュウツーが畳み掛けるように念波を放ってきた。迎撃のために構える時間もなかった。強力なエスパーの力を正面から受けて堪えきれるはずもなく、アルム以外は吹き飛ばされて次々と神殿の壁に叩きつけられていく。
「み、みんなっ! よくもシオン達を――」
 恐怖に竦む足を動かそうとするが、反撃する暇もなく青白い光による捕縛に遭った。足が宙から離れる間にもぎりぎりと体が締め付けられ、声を出す事すら叶わなくなる。集中力が途切れていては護りの盾も発動させられない。絶体絶命の状況で視界に入ったのは、いつもの笑顔が鳴りを潜めて恐れを抱き始めたジラーチのティルであった。
「さあ、こっちに来るんだ。お前はもう手中に収めたも同然だ」
 ティルは今にも泣きそうな顔でアルムとミュウツーに交互に視線を向ける。初めてアルムが苦しむ姿を目の当たりにして、放埒さが取り柄だった星の君も震えていた。しかし、その震え自体は恐怖から来るものではなく、好きな者を奪われようとしている時に沸き上がる、怒りによるものだった。数刻前の笑顔が消え、今度は入れ替わるようにして恐怖が潜り込み、最後にティルの表情に辿り着いたのは憎悪の念であった。たった一つの願いと哀しみを胸に、ティルは衣を大きく広げる。

「ボクはまたこれから遊ぶんだって思って楽しみにしてたのにぃ……お前なんて大っ嫌い! アルムを――アルムをいじめないでー!!」

 未だかつて耳にした事のないティルの悲鳴に似た叫び。幼さを感じさせる高い声が一帯に響くと同時に、腹部にある“第三の眼”が開眼した。長らく閉じられていた目から放たれる光は、アルムの宿す淡く美しい蒼ではなく、鈍くどす黒い赤であった。それに呼応して遠くで輝く彗星から一筋の光がティルの下に降りてくると同時に、上空に立ち込めていた黒雲を貫く光の柱が天に向かって伸びていく。芯の部分が真紅、その周囲を漆黒に彩られたまばゆい光線が途絶えると、それに続いて無数の光の束が天から降り注いだ。
 ミュウツーのように禍々しい力の塊ではない。純粋ささえ感じる濃密なエネルギーの照射である。アルム達を避けるようにして威力を誇示する巨大な光の柱の大多数が、残忍な表情を覗かせるミュウツー目掛けて襲い掛かっていく。
「素晴らしい……美しい、そして何と凶悪な力か……これを待っていたのだよ」
 ミュウツーは強大な力に畏怖の念を抱くでもなく、圧巻の光景に恍惚としている。一つ一つが鋭利な槍のように大地を抉っていき、転がっている大岩も軽々と砕いていく。――仲間の苦痛から恐怖を覚えたティルの心に芽生えた願いは、危害を及ぼすもの全てを拒絶して跳ね除ける事だった。その純然たる願いから生まれた力こそが、破滅を導く強烈な光の解放――“はめつのねがい”である。ベーゼは全身全霊を以ってして、その光線の群れを堂々と正面から受けた。
 その間にアルムは念動力の束縛から解き放たれ、一目散にティルの傍に駆け寄っていく。きつく目を瞑って第三の目から力を放出していたティルは、やがて体の力を抜きながら腹部の目を閉じていく。強張っていた表情も解れてゆっくりと地に降りてきたのも束の間、衣で体を包んで繭の姿に戻っていった。それと時を同じくして、既に念の檻から逃れていた精霊と巫女は、倒れているヴァローやアカツキ達を回収して一堂に会した。幸いにも“はめつのねがい”の効果は続いており、ミュウツーは光線の対処をしていた。目一杯の念動力を使って押さえ込んでいる間に、目を盗んでリーゲルが全員を一箇所に密集させる。
「目覚めてしまったのは致し方ないとして、ここは逃げてくださいませ。あまり遠くへはいけませんが、近くの町までは飛ばす事が出来ますゆえ」
「でも、リーゲルは――」
「ご心配なく。われとユーリで事を収めますから。そなた達には安全なところに行っていただきたいのです。では、行きますよ」
 リーゲルには一刻の猶予もないようであった。有無を言わさず淡く白い光が一行を包み込み、エネルギーによる大きな球体を形成した。脱出の叶わぬ光の檻が風船のように弾けた時には、中心にいたはずのアルム達の姿は忽然と消えていた。先刻一度使った特殊な瞬間移動の力を発動させた事で、ミュウツーが迫りくる前にこの場を離脱させたのである。
「少々強引でしたが、何とか上手くいったようですな。今は彼らが捕まるわけには行きませぬからね」
「でも、あれをわたし達で何とかしないといけないのかしら。多少なりとも弱ってはいるでしょうけど」
 苦笑を浮かべるユーリの視線の先には、ベーゼが仰々しく周囲の煙を振り払って仁王立ちを決めていた。さしものミュウツーも今のティルの反撃には手傷を負っているようだが、衰弱した素振りは一切見せない。相手は離れた位置で悠然と構えているというのに、身を刺すような邪気は否応なく感じてしまう。
「自傷行為がお好きなのかしらね。悪いけどまたここを荒らそうって言うなら、例え手負いだろうと遠慮はしないわよ」
「奴らは逃がした、か。賢明な判断だ。もうここには用はないので、失礼するとしようか」
 正面で待ち受ける二人の敵など意に介さないかのように、ミュウツーは朗々たる声を響かせた。一連の流れを余興として楽しんでいるようにさえ見受けられる。底知れぬ何かを感じて未だ活路を見出せずともなお、リーゲルとユーリは立ち塞がった。速攻にも反応出来るように常に緊張の糸を張り巡らして攻撃の構えを取っている。
「そなたの目的は何でありますか? 鍵となるジラーチを捕らえに来たかと思えば、逃がしても平然としているとは」
「くふふ……こやつらを回収するついでに、力に目覚めるきっかけとなれば良いかと思ってね。まだ潰すには惜しいと思ったから、むしろ逃がしてもらえたのは好都合だ。これからどうなるか、とくとご覧あれ。結末を楽しみにしている事だな」
 いつしか傍に控えていたタスマとソルロックを足元に従え、ミュウツーは念の渦で自分達を覆い始めた。このまま身を退いてくれるならば願ってもない事であるが、その前に一矢報いるべき事を思い出して最後に仕掛けた。竜巻のようなエネルギーの流れに乗って姿を消す間一髪のところで、二人の超能力を合わせてソルロックを引っ張り出した。ミュウツーにも気付かれることなく、情報を握る者を手元に手繰り寄せる事に成功したのである。

 サンクチュアリの上空を覆っていた暗雲は、突如訪れた災厄と共に去っていった。色濃く漂っていたミュウツーの力も気配も、完全にこの場からは消え去った。最悪な展開を回避した事でリーゲルとユーリもほっと一息吐く。だが、安堵にばかり浸ってばかりもいられないのも事実。すぐに気持ちの切り替えを図り、再度救出したソルロックと対面する。
「わしも伝え損なっていた事があったので、助かりましたぞ。これであのミュウツー――ベーゼの組織したものについて話せますのう」
「まあ、われが欲する情報を持っているようでしたからね。そなたを簡単に手放したという事は、あやつとしても知られても良い――もしくは余興を盛り上げるための切り捨てでしかなかったのでしょうか。思惑はどうあれ、“希望の光”たちが上手く逃げてくれる事を祈りつつ、諸悪の根源について聞きましょうか」
 一時は失った静寂と平穏を取り戻した神聖な領域――サンクチュアリ。戦いの余韻の残る箇所以外は元の姿に返ったところで、出身の同じ精霊と巫女と太陽の化身による密談が交わされていく。精霊の特殊な力によって姿を消したアルム達がどこへ行ったのか。その行方を知るのはリーゲルのみである――。



■筆者メッセージ
優柔不断で申し訳ないのですが、ミュウツーの名前をヘレスからベーゼに変更させていただきました。理由はここでは割愛させていただきます。
コメット ( 2014/06/08(日) 21:55 )