カナズミシティ
スモモ side
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「・・・ん。」
目を覚まして、時計を見ます。
・・・まだ4時でした。
隣では先輩が寝ています。
まだこんな時間にもかかわらず、辺りは少し青く明るい感じです。
・・・ふわ、・・・まだ眠いです。
二度寝しようと、寝袋に入ろうとした時でした。
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ガサ・・ガサ・・ガサ・・・。
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・・・足音、でしょうか?
こちらに音が忍び寄るように近づいて来ました。・・・何でしょう?
私は顔だけ起こして目を見張ります。
今私達は、屋根型の天幕(雨避けのテントみたいなやつです。)の中で、寝袋を敷いて寝ています。そこにひとつの影が近づいてきます。
・・・天幕の中に入ってきました・・!?
私はバッと体を起こしました!泥棒だったら、大変です!
私に気づいたようです。
・・・?
女の人・・でしょうか?
赤いバンダナに赤いトレーナーを着ています。
「しぃーーー。」
「へ?」
お、女の人が、人差し指を立てて口につけています。
「アズちゃん、寝てる?」
「ア、アズ・・?」
アズサ先輩の事でしょうか?という事は、この人は先輩の知り合い?
泥棒ではなくて、一安心です。
「静かにしててね♪」
女の人が私にウィンクをしました。
・・・・・美形でした。こんな綺麗な人が先輩と知り合いなんて・・・。
その人は、先輩の寝ている寝袋に、忍び足で近づいていきます。
「(あ、先輩まだ寝ていま・・・・・・・!!!?)」
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なななな! え!?
暗くてハッキリとはわかりませんが、その女の人、先輩の寝袋のチャックを開けたと思ったら・・・!
ええええ!?
う、うえからおおいかぶさった!?
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「・・・アズちゃん・・・会いたかった。」
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えええ!?ええ!?えーと、その人は今、寝ている先輩の上にゆっくり覆い被さるように、顔を近づけて・・・・て・・・ええええええ//////!!?
「あ・・ああああの、その・・///」
ダメです!私は混乱しています!何をしているのか聞きたくても、呂律が回りません!
誰か教えて下さい!
私の目の前で、何が起こってるんですかーーー!?
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「・・・・アズちゃん。」
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・・・!!?
う、ううう上着を脱ぎました!?
そ、その次は!?・・・・ぁああ!先輩のジャージのチャックを開けて・・・////!!?
こ、ここここれって、ま、ままままま、まさか、『よばい』ってヤツですかーーー/////!!?
せ、せせせ先輩ーー!?
起きてくださいーーー!今、今タイヘンな事になっていますよーー!?
・・・・・ほえええ///!!?
あ、あの人、先輩の寝袋の中に入っていきました!?
こ、これじゃあ様子がわかりませ・・・・・・・・きゃあああ!??チ、チャックが一人でに閉まっていきます!!?
・・・・・い、いま。先輩とあの女の人が・・・・一緒の寝袋に・・・///////・・!!?
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あたりが一気に静まり返りました。
・・・・・・・?
私は、ゆっくりと寝袋から出て、先輩の寝袋に近づきます。
・・・?
おそるおそる見下ろします。
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・・・モゾモゾ・・!
・・・バタバタバタバタバタバタバタバタバタバタバタ!!!!
「きゃああああああ!!!?」
ね!ねねねねぶくろが暴れだしましたーーー!!!?
な、なんか中で動いてますよ!?激しく動いてますよーーー!?
いやあああああーーー!
こわいですーーーーーー!!
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「・・・がはぁ!!?」
あ・・・先輩が出てきました。
先輩が勢いよくチャックを開けて飛び出し、急いでチャックを閉めました。
「せ・・・先輩・・・何があったんですか・・・?」
「はぁ・・はぁ・・、おいスモモ!これを今すぐ焼却炉へ投げてこい!」
先輩が、ドタバタと動いている寝袋を指しました。・・・多分、その中にあの人がいるんですね。
チャックがジジジーと勝手に開きました。
中から、あの女の人が顔を出しました。
「アズちゃん♪オッハ♪」
「オッハじゃねええ!寝込みを襲うなって、何度言ったら解るんだああ!」
「電池が切れるまで♪」
「スモモ!こいつ有害ゴミの日に出しとけ!」
・・・・・も〜!なんなんですか一体〜!?
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「え、えっと。お二人は・・・どういったご関係なんですか・・?」
目の前に現れた女の人は、ハルカさんと言うらしいです。先ほどの不可解な光景にどきまぎしながら私は聞きました。
「私達、できちゃってるんだ♪」
ハルカさんが先輩に抱き着きながら言いました。
「スモモ、真に受けるなよ。頭がおかしいんだ、コイツ。」
ハルカさんの頭を押して離そうとする先輩。
「ところでハルカ。なんでこんな時間に、こんなトコにいるんだよ。」
「早朝のポケモンの生態調査をしてたの。そしたら、近くでアズちゃんの匂いがしたから、おはようのキスしにきたの♪」
に、匂い!?き、きききキス!!?
「変な言い方やめろ。スモモが困惑するだろうが。」
「あ、そういえば。アズちゃん、友達出来たんだ!?」
「友達っつーか、弟子っつーか、な。」
「へー、アズちゃんと仲良くしてね。」
「あ、はい!」
「(・・・・・・・この子も従順でかわいいかも・・。)」
「?」
「気をつけろよスモモ、ソイツ何でもイケるから。」
「え?え?」
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ハルカさんは、調査の続きのため、別れました。・・・嵐のような方でしたね。
「・・・先輩?」
「あ?」
「先輩は・・・その、ハルカさんと・・・付き合ってるですか?」
ボカッ!!
「あだっ・・!」
「・・・・・くだらねぇ事いうと殴るぞ。」
も、もう殴ってるじゃないですか!
・・・・・真相は、どうなんでしょうか?先ほど寝袋の中で、何があったんでしょうか?聞きたくても怖くて聞けませんよ!
まさか、本当にキスしてたんじゃ・・・!で、でも女の子同士ですよ!?た、確かに先輩はどっちかというと、ちょっとカッコイイ男の子っぽい感じしますけど・・・・・。で、でも、女の子同士で結婚したりする話も聞いた事ありますし・・・。
「(こ、今度ハルカさんに会ったら聞いてみましょう・・・。)」
その後の早朝の鍛練は、さっきの事が気になって、あまり身が入りませんでした。
・・・それは先輩も同じみたいでした・・・。
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アズサ side
「よし、出発だ!」
「はい!」
朝からテンション下げやがって、ハルカのヤツ。でも気持ちを切り替えて行くか。
広い草原を歩き、大きな湖にかかった長い桟橋を渡り、再び草原を歩く。
道中トレーナーから勝負を仕掛けてくるヤツがいる。
「あら、いい天気ですこと。バトルでもご一緒しません?」
「「((高そうな服・・・カモだ!)です!)」」
俺とスモモは向かってくるトレーナー達に、交代交代でバトルする。
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「スモモ、いくら貯まった?」
「はい!7,050円です!」
「やるな、だが俺は9,400円だ!」
「おおお!一気にお金持ちです!」
・・・この辺は、別荘地なんだろうな。金持ちやボンボンのトレーナーが多い。
「これでおいしいもの食べれますね!」
「・・いや、お前は自重した方がいい。」
「・・・ぅ。じ、自覚は一応あるんですけど・・・・体質なんでしょうか。どうしてもお腹が・・・。」
「(知るか!てめぇのせいでコッチは8万の借金してんだよ!二度と奢らねぇぞ!・・・でも弟子の手前でシブチンな真似できねぇし・・・・・。)」
結局、俺が折れるしかねぇんじゃん・・・。
「スモモ、金を渡せ!当面の金の管理は俺がやる!」
「あ、わかりました。」
スモモから金を受け取る。
・・・案外素直だな。抵抗したら殴ろうかと思ったけど・・・・・。
「(まず、センリに金を返して、尚且つコイツの食費に気を遣いつつ、節約しねぇとな・・・、弁当や外食じゃダメだ。金のかからないように安い食材で料理した方がいいな。)」
・・・コイツが普段どんだけ食うのか不安だが。
「スモモ。普段どんだけ食べるんだ?」
「そ、そうですね。・・・シンオウにいたときは、一人でご飯2合くらい食べてましたし・・・。」
・・・・へ?・・えらい少ないな?
「・・・・・え?あ、1食2合です。」
そういうオチはいらねぇんだよ!!
「食べる事にお金がかかってしまって、さすがに節約しなきゃなって思って・・・、一日一食にしたんです!」
「・・い、いちにちいっしょく?」
「はい!最初は、これならいけるって思ってたんですけど・・・。余計にお腹が空く分、食べる量も増えて、一日ご飯7合になっちゃいまして・・・。
「意味ねぇえええ!!
しかも1合増えてるし!!?」
・・・・・そうとう骨が折れそうだ。・・・っつーか、そんだけ食ってなんで俺と同じくらい小せぇんだよ?
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草原を抜けると、歩道が見えてきた。レンガ通りの、綺麗に舗装された道だ。
「カナズミに着いたみたいだな。」
「うわあ!大きな都市です!」
市内に入ったばかりだから、まだこの辺りは開けているが、奥にはビルが立ち並び、高層マンションや工場、なかでも学校や学園の数が目立って多かった。
「学校がおおいですね!」
「さすが学園都市だな、カナズミは勉学や教育に力を入れていてな、いろんな分野のセミナーやスクールを取り入れている。」
「そうなんですか、トレーナーズスクールとかもあるんでしょうね!」
「多分な、それよりポケモンセンターだ。行くぞ。」
「はい!」
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話をしながら歩いていた時だった。
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「おおい!久しぶりだな!」
前方から声をかけられる。
・・・この声は・・!
「あ、兄貴!?」
「え!?あにき・・?へ!?おにいさん!?」
スモモが仰天している。そういや話してなかったっけ。
近寄ってきたのは、黒いトレーナーに白いニット帽をかぶった、うちのユウキだった。
「よお!2週間ぶりくらいか?アズサもとうとう旅を始めたか!」
「おお、元気そうだな!」
「へへへ。お前もな。」
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スモモ side
・・・先輩のお兄さんですか!?
街の向こうから、知らない男の人が、親しげに話かけたかと思えば、先輩のお兄さんらしいです。白い髪の毛に黒いバンダナをしている(←既に見当違い)背の高い人です。
久しぶりの再開みたいですね。仲睦まじく先輩が話をしています。・・・それにしても・・・。
「(・・・・・・に、似てない・・。)」
何度も二人を見比べても、接点が合いません。
・・・あ、そういえば先輩は、10才である家庭にお世話になったと言ってましたね。じゃあ、この方は義理のお兄さんなんでしょうか?
「ん?」
あ、先輩のお兄さんがコッチを見ました。
「あれ、この子は?」
「あ、初めまして!スモモといいます!アズサ先輩と旅をしている者です!」
私はハキハキと挨拶をしました。
「な!?」
え?
挨拶をしてすぐ、お兄さんがビックリした顔をしています。どうしたんでしょう。
「・・・え!?・・・え!?」
お兄さんが、震えながら私と先輩を交互に指さします。
「んだよ。」
先輩が聞いています。
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「・・・ア、アズサ、お、お前に、ツ、ツレが出来たっつーのか・・・・・・・。・・・・大変だああああ!!ホウエンが沈むぞおおお!!」
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「てんめええぇ!!どういう意味だああ!?」
「え?え?」
・・ホ、ホウエンが沈む?
「う、嘘だろ!?・・無愛想で不器用で暴力的なガサツな妹がトモダチをつくっただとおお!!?ありえねええ!!」
バキッ!
「うるせぇ!」
「痛ってえ!お前、アズサ!いったいいくらで買収したんだその子!?」
「買収じゃねええ!?旅の道中で知り合って仲間になったんだよ!俺の弟子だ!」
「嘘つけ!パシリの間違いだろ!」
「こんのクソ兄があああ!」
「ぎゃああああああ!」
・・・・・・・・・・。
先輩が怒って、目の前のお兄さんを殴り倒して背中にまたがりキャメルクラッチをかけました。
お兄さんはタップしてますけど、お構いなしに先輩は技をかけます。
というか、ここ路上の真ん中ですから、周りの人達が注目してますよ!
「(・・・・ホウエン地方って・・・・すごく個性的な人が多いです・・・。)」
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「ったく、相変わらずだなアズサ。」
「てめぇもだよ。全然変わってねぇな。」
出会い頭早々、兄妹喧嘩をした二人は、周りの視線を感じ、すぐさま終わりました。
「変わってないだと?コイツを見てみろ。」
お兄さん(ユウキさん)が、上着の裏ポケットから、銀色のケースを出しました。その中身を見せてくれました。
「ジムバッジだぜ。」
「「おおお!?」」
私と先輩は声を上げます。
「アズサもカナズミジムに挑戦するんだろ?」
「おう。・・・だが二週間差があったんだぜ?もっと先に行ってんのかと思ったら。」
「別にジム戦でてこずってた訳じゃねぇさ。色々と事情があんだよ。」
「さりげなく自慢してんじゃねぇよ。」
「口の減らない妹だな・・・。」
お互いに口を尖らせていますが、こうやって見ていると、本当の兄妹のように仲が伺えます。
「じゃ、俺はそろそろ・・・あ、そうだ、アズサ。」
「あ?」
「お前に渡すもんがあるんだ。」
ユウキさんがカバンを下ろし、中から何かを探しています。すると、ポケッチでしょうか?シンオウにあるトレーナーの携帯アプリに似ていますね。オレンジ色の小さな機械のようです。
「コイツはポケナビっつってな、電話の代わりになるんだ。お前持ってねぇだろ?」
「お、お前どうしたんだよ、そんな高価なモン。どこで盗んだ?」
「誰が盗むか!?いったろ、色々事情があって、そのコネで貰ったんだよ!」
手の平にちょうどおさまるくらいのポケナビを、ユウキさんが手に持ちます。
「だからアズサも持ってろ・・・・。」
「あ、ああ。ありがとな。」
なんかカッコイイですね、そのポケナビって。羨ましいです。でもよかったですね、これでお兄さんといつでも連絡とれますね。
「あ。」
ユウキさんが、先輩に渡そうとしていたポケナビの手を止めました。
「あ?どうした?早くくれよ。」
「・・・え〜と。お前ら、まだ時間あるよな?」
ユウキさんが私と先輩を見ています。
・・・?
「はぁ?今着いたばっかだっての。」
「そっか。それじゃあ、先にポケモンセンターに行っててくれ、すぐ戻るからよ!」
そういうと、手に持ったポケナビをカバンに入れて、踵を返して走っていきました。
「なんだあのバカ。・・・・・まあいいや、いこうぜ。」
「あ、はい。」
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・・・しばらく歩いて、カナズミのポケモンセンターに着きました。私と先輩はボールを預けます。
「スモモ、俺トイレいってくる。」
「あ、はい。」
先輩が行って、ポケモンセンターのフロアに一人でソファに座っていました。
すると、玄関の自動ドアが開き、外から誰か入ってきます。
「はぁ、はぁ、はぁ。・・・アズサ〜。どこだ〜。」
・・・ず、ずっと走ってきたんでしょうか?ユウキさんが膝に手をおいて、息を荒くしています。
「ユウキさん〜!」
私は駆け寄りました。
「あ、スモモ、ちゃん、あ、アイツはどこ?」
息を切らせながら聞いてきます。
「先輩は今、お手洗いに・・。」
「そっか・・。じゃあ、スモモちゃんに渡しとくよ。」
私はユウキさんからポケナビを二つ受け取りました。
・・・・・ふ、二つ!!?
「え!?ど、どうして二つなんですか!?」
「へ?スモモちゃんとアズサで二つだろ?」
え・・・?
「アズサだけに渡すのは気が引けるしな。猛ダッシュで、もうひとつ下さいって頼んできたからさ。スモモちゃんにもあげるよ。」
「え?わ、私の為にわざわざとってきてくれたんですか!?わ、悪いですよ〜。」
「いいよ。・・・安心したんだ。素っ気ない妹にも、スモモちゃんみたいなトモダチが出来てさ。・・・アズサに虐められてないか!?」
「そ、そんなことありません!」
「マジで!?」
「マジです!」
「・・・へへ、わかった。でも、どうしても我慢できなくなったら遠慮せず電話してよ。すぐにどやしつけてやるから。」
「あ、あははは・・。」
私は苦笑いしました。
・・・でも先輩、幸せ者ですよ。
こうやって、影で心配してくれる人がいるんですから・・・。
「アズサの事、よろしく頼むな。」
「はい!あ、あの!」
「ん?」
「ポケナビ、ありがとうございました!わざわざとってきて頂いて・・・。ユウキさんって優しいんですね。」
笑顔でお礼を言いました。
「へ・・・、あ、ああ、いいよ。・・・じゃあね!」
「はい!失礼します!」
ユウキさんはポケモンセンターを出ていきました。
・・・えへへ♪私にもポケナビが手に入りました!ユウキさん!感謝します!
あ、先輩が戻って来ました。
「ん?誰がいたのか?」
「はい。ユウキさんがこれを。」
私は先輩にポケナビを渡しました。
「・・・あ?なんで二つも?」
「えへへ。ユウキさんに私の分も頂きました!」
「・・・・・・・・・・。」
「・・・?・・先輩?どうしました?」
まじまじと私の顔を見る先輩。
・・・顔に何かついてます?
じぃーっと正面から、私を見据えています。
先輩が口を開きました。
「・・・・・・5%・・か。」
「へ?」
ご、5ぱーせんと?
・・・なんの事でしょう?
「・・・ちょっと待ってろよ。」
すると、先輩はポケナビを操作し始めました。
「・・・えーと、通話アプリは・・これだな、ユウキは・・・・これだな。」
ボタンを押して、ポケナビを耳に当てました。ユウキさんに電話するんでしょうか。
「スモモ。ここで待ってな。」
「は、はい。」
すると、電話を待ちながら先輩は、私から離れていきました・・・・?
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アズサ side
・・・・・スモモにわざわざポケナビをやった?
・・・・・・・・確かめてみるか?
ユウキに電話をかけ、スモモから離れた。
ピッ。
『もしもし?アズサか?』
「おお、俺だ。スモモから届いたぜ。ありがとな。」
『いいって。それよりポケナビはどうだ?使いやすいだろ?』
「ああ、なかなか便利だな。」
『ポケナビ持ってるトレーナーがいたら、どんどん登録していけよ。またバトルの相手をしてくれるかもしれねぇしな。』
「ああ。・・・スモモのヤツにもポケナビくれたらしいじゃねえか?」
『ん?・・・ああ、せっかくシンオウから来てくれたんだし、餞別にな。』
「・・・へぇ。・・・・・・ユウキ。」
『ん?』
「・・・・・・・・お前、スモモに惚れたろ?」
『は・・・・・・・・・・・はああぁ!?ば、馬鹿じゃねぇのお前!?』
「照れんな。」
『なんで照れなきゃなんねぇんだ!?俺は善意でポケナビやっただけだっつーの!?だいたい、お前の弟子に色目をつかうわけねーだろ!』
「俺はかまわねーぜ。」
『・・・・・・・は?』
「(決定だな・・。)んじゃあな。」
『おい!?おまえ、勘違いも甚だし プツン。
スモモ side
あ、先輩帰って来ました。
「ユウキさんにかけたんですか?」
「おお。」
「何か言ってました?」
「・・・・・45・・%・・くらいだな。」
「へ?・・・よ、よんじゅうご・・って、何ですか?」
「お前は知らなくてもいい。」
先輩はそういいながらソファに座り、ポケモンの回復を待ちます。
な、何でしょう。先輩のいうパーセンテージは?
私が・・・5%?
ユウキさんが・・・45%?
・・・ダメです。よく解りません。
・・・・・はぁ、今日はなんか、ずっと考えてますよ私・・・。
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